その国・地域の歴史を勉強すると、台湾に限らず、旅行は楽しみが増えます。

 

さて、台湾の旅行をより楽しくするために、ここでは台湾の歴史について日本と関係する部分についてご紹介します。

歴史の授業じゃなくて、あくまでも旅行を楽しくするのが目的ですので、非常にざっくりとした説明にとどめます。(諸説あるかと思いますので、誤りがあってもご容赦いただけますと幸いです)

ただし、手っ取り早く、大まかな流れはつかんでいただけると思います。

 

台湾は親日国家です。そのイメージが強く、知らない人もいるかもしれませんが、日本は約50年近くに渡り台湾を統治していました。

通常であれば、自分たちの国を他人に統治されると、「この野郎。調子に乗りやがって!」なんていう反感感情が生まれそうなものです。

台湾人は、なんで台湾を統治していた日本人たちがのことが好きなのでしょうか?

 

それを理解するためには歴史を紐解いていきましょう。

 

1894年、中国が清の時代のころ。江戸幕府体制を刷新し、新明治政府下での富国強兵体制が落ち着き出したころ、中国との戦争(日清戦争)を起こし、植民地の獲得を目指しました。

 

当時、中国は「眠れる獅子(ライオン)」なんて言って恐れられていましたが、なんと小さな島国の日本が倒してしまいました。

そこで、下関条約という条約が結ばれ、台湾は日本の統治下におかれることになります。1895年のことです。

 

それから第二次世界大戦が終わる1945年まで、なんと50年もの間、日本は台湾を統治していたのです。

その間日本人は台湾で何をして、今も台湾人に好かれる存在となったのか?

 

日本人にとって、台湾は初めての植民地でした。なんとか、立派な植民地としたかったのですが、当時の台湾はインフラも整っておらず、清潔でなく、病気も蔓延しており、十分な教育も施されていないような状況でした。

 

そこで、日本はかなり力を入れて、台湾にテコ入れをしていきます。例えば鉄道や水道等のインフラを整えていったり、医療や教育を充実させていきました。当時の台湾人はこうして日本からもたらされた知恵にとても感動したといわれています。

 

しかし、台湾人にとって悪い部分もあり日本は台湾人を日本人たらしめようとし、教育は日本語で行われており、名前も日本人のものに変えられていきました。それに反発する人も出てきて、日本がそういった人たちを弾圧するような事件もありました。

 

それでも、日本が台湾人に好かれているのは、1945年以降、日本の統治下から解放された台湾にやってきた中国の蒋介石率いる国民党の連中が、統治時代の日本に比べてよっぽどひどかったからだといわれています。

 

よくその様子を表して『犬去りて豚来る(中国語で「狗去豬來」とか「走了狗來了豬」)』といいます。犬は日本のことで、豚は中国の国民党のことです。日本は口うるさくて犬みたいだったけど、他国を引き付けない番犬の役割は果たしていたよね。

 

それに引き換え、中国の国民党はたいして役に立たないのに食べ物を食い荒らす豚のようだ、というニュアンスのようです。

 

日本が台湾を離れてからというもの、台湾人の中国国民党に対する不満はたまっていきました。抗議運動も起きました。

そこで、台湾人の反乱、反逆行為を恐れた中国国民党は1947年の2月28日に台湾人を殺害・処刑(二・二八事件)し、2万人近くの犠牲者を出しました。

 

これが当然大問題となり、こういったことを背景に中国のことを好ましく思わない台湾人が今も多々います。

 

それと比べたら、日本の統治時代はよかったよね、ということが語り継がれていった結果、日本・日本人に対する台湾人のイメージはいいものとなっており、実際台湾の歴史の教科書にも日本によって台湾は発展を遂げた旨が記載されています。

 

以上が、かなりざっくりとした台湾歴史の説明です。かなりの情報量を省略し、わかりやすさを重視した内容なので、台湾の歴史について興味を持たれた方はぜひ詳細をお調べください。

 

こういった背景知識をもって台湾に行くことで、知識なしでいくのとは違った楽しみを皆さまが感じていただけると嬉しい限りです。

 

それでは、今回は以上です。御覧いただきありがとうございました。