去年の12月から珈琲焙煎を始めて2カ月。

２ヶ月間で4キロほど焙煎してようやくお店で買うのと変わらないぐらいの味が出るようになりました。

最初はくそ不味いコーヒーしかできなくて、やっぱり業務スーパーの豆に戻そうかと何度思ったことか。

ここまでたどり着くには煎り上手の情報があまりにも少なすぎました。

だいたい調べて出てくる煎り上手の使い方はみんな同じで、中火でひたすら振るだけ。

断言しますが、これでは豆のポテンシャルは絶対に引き出せません。

煎り上手で美味しい珈琲を焙煎するには先ずは構造を知らないといけない。

この「煎り上手」は半熱風式という焙煎法になり、わりと自由度が高い一般的なやり方です。

この焙煎方法自体は問題ないですが、問題があるとしたら煎り上手本体のデザインだと思います。

だいたい、一回で焙煎できる量は生豆で80グラム程度。

その量にに対して煎り上手の穴が大きすぎて、半熱風式と言うよりも、ただの鉄板焼きになってるように思います。

そのせいか、深煎りにするとハゲ豆が多くなるのが気になりました。

ゴマなどを煎るならそれでいいと思いますが、珈琲豆の焙煎は、いかに豆の輻射熱を発生させ、その熱を活かすかになります。

その輻射熱を活かすには豆が少ない割には穴が大きすぎて、中は温度が上がらないのに底だけ熱くなり豆が外焦げになりやすいように思います。

そのせいか一見、よく焼けているように見えても風味が悪く生焼けの味がすることが多かったです。

こんな小さい器具で焙煎するからには、風味が落ちるのは仕方ないのかと思いました。

しかしそこで救世主出現。

白虎S岡さんの友人である手鍋焙煎の達人からアドバイスをいただき、煎り上手に手鍋焙煎の方法を取り入れることにしました。

手鍋焙煎と煎り上手の違いはなんといっても密閉性です。

手鍋焙煎は密閉されてることで、前半は豆が蒸し焼き状態、後半は豆の輻射熱を閉じ込める効果があります。

煎り上手もアルミの蓋をつくり、周りの小さい穴もアルミで塞ぎ、半密閉状態にしました。

そして振り方も変え、常に振り続けるのではなく、２秒止めて少し撹拌という方法に変えることにしました。

また、蓋をつけることでハゼ中に開閉して、熱を逃がさずに煙の排出をできるようにしました。

これにより味が格段に上がり、そこら辺の自家焙煎屋さんにも負けないばかりではなく、煎り上手が苦手としていた浅煎りもできるようになったと思います。

私がやっている煎り上手を使った焙煎手順としては、

・触れないぐらいまで余熱

・生豆投入

・１分間極弱火

・2～3分まで弱火

・１ハゼまで中火（10分30秒を目安）

・1ハゼが来たら弱火（1分半ぐらい）

　　　ハゼ中は蓋の開閉

・2ハゼまで弱めの中火（焙煎開始14～15分目安）

　　　フレンチローストを目指すときはハゼ中は蓋の開閉

・煎り止め（15～16分）

焙煎時間は10分ぐらいの短い方が風味が増すと言いますが、豆量が少ない煎り上手に関してはそうとも言えない感じで、やっぱり15分ぐらいかけてじっくり焼かないとメイラード反応が急に進みすぎて甘味も風味も出にくいと思います。

カレーやおでんと同じでたくさん作った方が美味しくなるのでしょう。

今気になっているのが、薄皮（チャフ）をどうするかということ。

7分程度で一度取り出してチャフを取り除き、もう一度焙煎するダブル焙煎という方法があります。

これを今度試してみたいです。

煎り上手を使った珈琲焙煎の巻