芥川賞作家・松本清張の最終学歴は高等小学校(現在の中学校)卒業だった。家が貧しかったためだ


 バカにする人もいたが、恥じることはなかった。学歴は「人格や実力にはいささかも関係のないこと」「下らない意識に自らを萎縮させることは、己れが敗北者になる道である」と反骨精神を燃やし、名作を生み出した(『私のものの見方 考え方』学陽書房)


 埼玉のある壮年部員は小・中学校時代、勉強が苦手だった。自信を持てずにいたが、部活に地道に取り組む姿勢を顧問が褒めてくれた。それがうれしくて教師を志す。高校・浪人時代と勉強を重ねて挑んだ大学受験は不合格に。それでも諦めず、創価大学通信教育部に入学し、働きながら勉学と学会活動に励んだ


 卒業後の教員採用試験では、何度も苦汁をなめた。そんな中、男子部の先輩が勝利を信じ、励ましてくれた。さらに池田先生の指導を学んで奮起し、7度目で合格。“自分が劣等生だったからこそ、子どもの気持ちが分かる教員に”と努力を続け、現在は小学校で校長を務める


 ロシアの作家ゴーリキーは「才能とは自分を信じることだ」(野崎韶夫訳)と。誰しも無限の可能性がある。自らの力を信じ、挑戦し続ける人に行き詰まりはない。 


【8/20 聖教新聞·名字の言】