絶妙な間合いのせりふ回しが光る名優・森繁久彌さん。作家の向田邦子さんは“1秒を10倍にし、10秒を1秒にする能力が備わっている人”と評した

 森繁さんの魅力の一つは“余白”である。「セリフとセリフの間、歌う前の、短い一瞬がおもしろい」とも(『森繁の重役読本』文春文庫)。いわば、刹那を永劫に拡充させ、深遠なるものを瞬間に凝縮させた演技だったと言えるかもしれない

 1965年(昭和40年)1月1日、本紙で小説『人間革命』の連載が開始された。また、当時の機関誌では、同年1月1日号から池田先生の「若き日の日記から」の掲載も始まった。創価の友は、その一回一回を熟読する中で“永遠の学会精神”を学んだに違いない

 この年の新年勤行会で先生は語った。“生命は永遠である。その永遠の生命から見るならば、この一生は一瞬の夢のようなものである。そして、今世の仏道修行が永遠の幸福を決定していく”

 先生の「若き日の日記から」の第1回にも、同じ趣旨の一節がある。「『今日の使命を果たすべし』 これ、将来に光りあらしめる所以なり」。6月10日は「時の記念日」。永遠の幸福と勝利を決するための今日であり、今である。決意新たに進みたい。 

【6/8  聖教新聞·名字の言】