【御書本文】

をさなき心なれども賢き父の跡をおひ御年いまだはたちにも及ばぬ人が、南無妙法蓮華経と唱えさせ給いて仏にならせ給いぬ無一不成仏は是なり

(上野殿母御前御返事 全1570 新1908)


【通解】

幼い心であったけれども、賢い父の跡を継ぎ、歳もまだ二十歳にはならない人が南無妙法蓮華経と唱えられて仏になられたのである。「ひとりとして成仏せずということなかりけん」と説かれているのはこれである。


【先生の指導から】

そのお手紙のなかに、私がまことに甚深の義を感じた一節があるのです。(中略)
そのさまざまな因果のうえから、また生老病死という生命の理のうえから、ひとつの「病」という姿を現じることもある。
しかし、妙法を唱えていった場合は、成仏という人生の根本的幸福の軌道に入っているから安全であり安心である、との深い法理のうえから諭されておられるわけです。