「ステイホーム」で家族や親子で過ごす時間が増えた。教育アドバイザーが語っていた「共有型しつけ」と「強制型しつけ」を思い出した

 前者は、子どもと経験を共有しようとするタイプ。子ども自身に考える余地を残し、掛ける言葉も子どもに合わせて変える。後者は、子どもがすべきことをするまで指示しないと気が済まないタイプ。子どもに考える余地を与えず、禁止や命令、強制的な言葉掛けになることが多い

 実際は区別できない場合もあろうが、大切なのは「強制型しつけ」ばかりでは人は伸びないということ。叱られながら渋々行動するより、自ら進んで行動するほうが身に付くのは大人も同じだ

 ある詩人が“言葉の原則”を教えてくれた。「うれしい言葉は流れやすいからたくさん言う」「つらい言葉は1回か2回で止める」。この原則を実践すれば自分の周囲はもっと明るくなります、と。言葉とは、それを発する人の“心のまなざし”であり、たとえその言葉が本意でなくても、そのまなざしで相手と向き合おうとする姿勢は確実に伝わる

 御書に「わざわいは口より出でて身をやぶる・さいわいは心よりいでて我をかざる」(1492ページ)と。人と人の距離を取ることが求められるからこそ、心の距離を近づける言葉を届けよう。 

【5/13 聖教新聞・名字の言】