第25回山口県骨折研究会に参加しました | 腰痛治療をライフワークとし、2012年4月5日に山口市大内御堀で開業したとよた整形外科クリニック院長のブログ

腰痛治療をライフワークとし、2012年4月5日に山口市大内御堀で開業したとよた整形外科クリニック院長のブログ

特に腰痛の診断、治療に力をいれていきます。開院の準備状況の報告と、腰痛に対する院長の考え方(マッケンジー法にもとづく治療など)、最新情報を発信します。


3/12小郡第一病院で第25回山口県骨折研究会に参加しました。テーマが踵骨骨折で特別講演が二題ありました。最初に山口大学整形外科の大先輩で私の尊敬する開業医の大本秀行先生の踵骨関節内転位骨折ー徒手整復法の実際とそのコツ について拝聴しました。座長の椎木先生も大本先生を崇拝されています。パルマーの受傷機序の分類から何故傾くか、何故回旋するかで踵腓靭帯が関与していることからその緊張を利用した大本法という画期的な徒手整復法を開発されました。整復のコツと後療法、症例提示をされました。毎年海外の学会も行かれて新しい知識を習得される姿勢に敬服しながら拝聴しました。整復不能は受傷4日後 以上、踵腓靭帯断裂例、骨片が踵腓靭帯についていない例、ジョイントの骨片が粉砕、大きすぎる場合とのことでした。
最後に獨協医大越谷病院教授の大関先生の外側アプローチによる踵骨骨折整復固定術と踵腓靭帯温存の意義という講演を拝聴しました。踵腓靭帯は距骨下関節にかかる力をコントロールする役目をしており、底屈回内外旋位で踵腓靭帯に緊張がかかるという実験結果を提示され、大本法の徒手整復が理にかなっていること、手術で踵腓靭帯を温存することの重要性を強調されました。CTでの粉砕骨折の特徴で外側壁が膨隆、関節外側面の底屈などが特徴とのことでした。整復不十分だと腓骨筋腱インピンジメント、かぎ爪変形など残るので、治療は足関節ブロック後に大本法で早期整復して循環障害を防止して踵部の内反矯正を行うこと、手術は距骨下関節に平行のオリエール皮切で腓腹神経に注意して展開し外側プレート(LCPプレートとロッキングプレート)で固定して粉砕した外側皮質を支持して載距突起にもスクリューで固定して術中に距骨下関節が動くことを確認して早期荷重することなどがポイントだそうです。術後成績もSanders分類IV度でも良好な結果を提示されました。
懇親会では講師の先生を囲んでいつもお世話になっている小郡第一病院、県立総合医療センター、山口済生会病院の先生方と大いに語らいました。