椎骨動脈解離のリスク

以前、ブログで椎骨動脈に関連する内容をお伝えしました。

殿様枕症候群です。

頚椎が正しい前カーブではない状態では、椎骨動脈に負担がかかり血栓が原因による脳疾患につながる可能性が高くなるという研究発表があったという内容です。

朝日新聞デジタルより

頚椎には前へのカーブ（前弯）が必要です。

これが損なわれると、上述した問題だけではなく頚椎の機能的な問題など様々な問題が起こるリスクが高まります。

そこで、カイロプラクティックの頚椎への矯正です。

特にスラスト法といわれる、頚椎の回旋を伴う素早く矯正する方法にはいろいろな意見があります。

瞬間的に行うこの矯正方法のリスクがあるかどうかということです。

まず、前提にどんな矯正方法であってもリスクがゼロになることはありません。

医療機関による医療行為も同じです。

リスクゼロはあり得ません。

それを前提にお伝えします。

カイロプラクティックを学び職業として施術をしている立場から言えることは、カイロプラクティックの頚椎の矯正がたちまち危険ということではありません。

問題のない方への正しい矯正を行うことは、ほとんど問題がないと言えます。

頚椎のスラスト方法による矯正のリスクについての研究があります。

参照：Ando Chiropracticホームページより

それによると、およそ首の矯正で脳梗塞になる確率は５８５万分の１回とのこと。

高血圧や喫煙者など脳梗塞のリスクがある方もいるため、一概にはリスクが低いとは言い切れないようです。

その他、２０００年のアメリカのレポートでは医療事故による９万８０００件の予防可能な死があり、毎年１５０万人が薬による事故に遭遇しているそうです。

カイロプラクティックの施術以外でのリスクは以下とのこと。

・背骨の手術による死亡リスク・１００万分の１８００

・頚椎の手術による後遺症および死亡リスク・１００万分の５００

・アスピリンと非ステロイド性抗炎症薬の同時摂取による死亡リスク・１００万分の１５３

・アスピリンのみ摂取した場合の死亡リスク＝１００万分の２５

・モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬による死亡リスク＝１００万分の５３．６

こういったデータがあります。

これらは視点によっては数字が変化する可能性はありそうですが、数字だけ見れば、医療行為に比べカイロプラクティックの施術はリスクが高くないと思います。

ただ、この数字だけで、カイロプラクティックの施術のリスクが限りなく低いのかどうかもよく分かりません。

一つ言えることは、どのようなヘルスケアであれ、リスクがゼロになることは無いということと、だからこそ少しでもそのリスクを下げるための対策や方法を選択しなければならないということです。

この考え方からいくと、椎骨動脈へのリスクを考慮すれば、あえて危険性を指摘されているスラストによる矯正を積極的に選択する絶対的な根拠はないと思います。

もちろん、その方法が現症状に対して有効であり、かつ最善の方法と判断すればリスクを考慮した上で最善の注意を払い施術方法として選択することはあると思います。

このような観点から、豊洲カイロプラクティックでは頚椎の矯正に関して、スラスト法は原則として使用しない方法で施術をしています。

必要であると判断した際は、細心の注意をして行います。

結局のところ、日本国内では画像による判断ができず問診と整形学検査だけによる情報によって判断せざるを得ない状況ですので、リスクマネジメントとしては原則としてリスクの低い方法で施術をしています。

これからも安全性を第一に、少しでもお役に立てる方法で施術をさせて頂きます。

ご不安な点やご質問は遠慮なくおたずねください。

伊藤　友円

※院内およびスタッフは、感染予防対策をとっています

〒135-0061　

東京都江東区豊洲４－１－２ＴＯＳＫビル３０２

☎　０３－３５３６－７８７９　（予約制）