宇佐神宮の荘園のひとつ緒方荘の荘官であった平安末期から鎌倉初期の武将、緒方三郎惟榮(おがたさぶろうこれよし)の姓が、郷名となった「緒方郷」を流れる緒方川に「東洋のナイアガラ」の別名をもつ原尻の滝(はらじりのたき)があります。


[所在地]

 大分県豊後大野市緒方町原尻


[経緯座標]

 北緯:32度57分50秒/東経131度27分4秒


[原尻の滝までの経路]

 国道502号線「原尻の滝入口」交差点を南西に進む…県道7号線(緒方高千穂線)へ。800m

 「原尻の滝」案内板に従い左折…70mほど進むと駐車場があります。

 ※途中の「道の駅原尻の滝」の駐車場も利用できます。


 原尻の滝は、「日本の滝百選」のひとつで、奥豊後に広がる緒方平野を流れる緒方川に突如としてあらわれる柱状節理(巨大な岩石の柱が寄り添うところ)に落ちる滝です。落差20m、幅120m。滝の近くには「道の駅原尻の滝」や駐車場、公園なども整備されています。


豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝②
原尻の滝


 平野の穏やかな緒方川の流れのなかにある原尻の滝。川の中に突然あらわれる高さ20mの丘陵と川水が作り出すこの滝。平野を流れる川に、こんな丘陵のような柱状節理があるのは珍しいのではないでしょうか?阿蘇溶岩で形成される溶岩台地が、長い年月をかけて川の水に削られて、このような地形になったのだそうです。改めて水の力の凄さに驚かされるところです。


豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝①
下流から見た原尻の滝


 緩やかに湾曲した柱状節理から流れ落ちる滝の風景。上流から見下ろしたり、下流から見上げたりできるのもこの滝の面白さかもしれません。

豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝⑥  豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝③
滝の下流に架かる吊り橋の「滝見橋」と上流の水溜りに写っていた太陽
豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝⑤  豊の散歩道 ~豊国を歩く~ Toyo no Sanpo-michi-原尻の滝④
原尻の滝の少し上流の景色


 滝の上流にあたるところの、川の中には大きな鳥居が立っています。この鳥居は、応神天皇(おうじんてんのう)【誉田別命(ほむだわけのすめらみこと)】を祀る二ノ宮八幡宮(にのみやはちまんぐう)の鳥居です。他に緒方川流域には、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)【帯中日子命(たらしなかつひこのすめらみこと)】一ノ宮八幡宮(いちのみやはちまんぐう)と神功皇后(じんぐうこうごう)【息長帯比賣命(おきながたらしひめのみこと)】を祀る三ノ宮八幡宮(さんのみやはちまんぐう)が鎮座し、3つのお社を合わせて緒方三社(おがたさんしゃ)とよばれています。一ノ宮八幡宮の近くに元宮八幡宮(もとみやはちまんぐう)が鎮座し、ここには緒方三郎惟榮がお祀りされています。元宮八幡宮の鎮座する丘から緒方三郎惟榮が三本の矢を同時に放ち、その矢が落ちた所にそれぞれ一ノ宮(豊後大野市緒方町久士知197)・二ノ宮(豊後大野市緒方町原尻)・三ノ宮(豊後大野市緒方町上自在)として、仲哀天皇・応神天皇・神功皇后の親子がお祀りされたそうです。


 今回の原尻の滝を訪れた日、緒方三社と元宮にお詣りさせていただきましたが、写真を撮るのを忘れてしまったので、緒方三社の御由緒ついてはまたの機会に、詳しく掲載できればと思っています。それから今回、一ノ宮八幡宮と元宮を案内してくださった加藤宮司さん大変お世話になり本当にありがとうございました。また、参詣させていただきます。