最近観た映画の感想のようなもの。

 

『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』

19世紀のイタリアでユダヤ人の少年がローマ教皇の指示で誘拐され、両親が取り戻そうととするのだが…。

これが実話をもとにした話だというのが、衝撃的。

宗教が今よりも強い時代とはいえ、こんな事が本当にあったんですね。

それも、たったあれだけの事がこんな事になるなんて。

基本的に善意で行ってるのが、宗教の怖さですね。

国際世論を巻き込んでも一筋縄でいかないのは、現在のパレスチナとも共通してるかも。

宗教を信じる事で救われる事もあるかもしれないけど、他人の人生を狂わせてはいけない。

少年をはじめ、巻き込まれた家族は大変。

また洗脳の怖さも描いている。

とにかく、これは観る価値のある作品でした。

 

『無名』

第二次世界大戦頃の上海を舞台にした中国のスパイ映画。

中国共産党と国民党、日本軍が入り乱れて意外と複雑な話。

時系列も切り貼りされてたりするから余計に分からない。

自分が歴史に詳しくないせいもあるけど。

とはいえ娯楽映画的な要素も多く、分からなくても別に良い気もする。

雰囲気的には、前に観た「サタデー・フィクション」と似ているかも。

日本語が飛び交うのも共通する要素。

反日的な部分もありますが、ユーモアもあり人間味がある日本人が描かれているのは悪くない。

また、アクションシーンでは昔の香港映画を思いださせる。

ちょっとメロドラマ的なところもあるし。

それらが上手くまとまっていない気もするけど、意外と面白くもある。

ちゃんと理解できてない部分もあるけど、それなりに楽しめました。

 

ここまで、東京テアトルの株主優待利用。

 

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』

ジャマイカ生まれの伝説的ミュージシャン、ボブ・マーリーの生涯を描いた伝記映画。

なんだけど、実はレゲエもボブ・マーリーについても詳しくないのよね。

でも、そのへんをざっと知るのには悪くはない作品かも。

曲もいろいろ聴けるし。

ある意味、初心者向け。

でも、残念ながら作品としての面白さは感じられないかな。

なんだか、全体的に当たり障りない感じなんですよね。

家族がプロデューサーに名を連ねちゃってるからかな。

もっと強烈なエピソードとかありそうなんですけどね。

変に宗教熱心な人みたいになっちゃってるような。

とりあえずドレッドヘアの防御力が凄いのだけは分かったけど。

試写会での鑑賞です。

 

『バティモン5 望まれざる者』

パリ郊外にある団地の取り壊しをめぐる人々を描いた作品。

フランスの黒人を中心とした貧困と暴力。

権力者の横暴。

団地の住民と行政が対立する話だけど、移民問題なども絡んで難しい話です。

でも、クリスマスイブにあの仕打ちは酷いですね。

そりゃ、怒るよ。

だからといって暴力では何も解決しない。

最終的には誰が悪いのかも分からなくなってくる。

とにかく疲労感と無力感が凄い。

ただ女性を主人公にしているためか、一歩引いた感じは悪くないかな。

こちらも試写会での鑑賞でした。