マイクル・コナリー著「死角」を読む。 訳者あとがきにあるとおりコナリー版「24」と言える内容だ。(もっともこちらは12時間で完結する)ロスアンゼルス、医学物理士が射殺され、放射性物質セシウムが盗まれる。殺人を捜査するボッシュとセシウムを追うFBI捜査網。 コナリーの作品といえばたいがい上下二巻の大長編が多いのだが、今回は400ページ弱の小長編でスピーディな展開で読みやすい。 事件の犯人は、コナリーを読みなれている人には、ある程度予想がつくのではないか。ボッシュ物に登場する犯人には共通点があるからだ。
 姫野カオルコ著「リアル・シンデレラ」を読む。 倉島泉という無名の女性の人生を、親、親類、友人たちの聞き書きの形でつづった小説。彼女は、あまりパッとしない容姿と性格から、母親や妹から冷遇されて生きてゆくが、人をうらやむこともなく、人の幸せを自分の喜びとして受け入れるような女性である。 生涯独身で、畑仕事にまみれ、わらじを編むのとラジオを聴くのが唯一の楽しみの地味な生活こそが、本当は豊かで幸せな生き方であった……。 うーん、そうか、そうかもしれないけど、そうかなあ。 ノンフィクションの体裁で書かれていて、おまけに何回も家計図が挿入されている。しかし、逆にそれがとてもこの小説を読みにくくしている。なんか、靴をはいたまま足を掻いているような感じだ。 
ソニーの電子書籍端末リーダーを買った。小さいほうの5型で音楽は聴けないし、メモリーカードに保存したデーターも読めない。おまけに画面は白黒だ。ただ、ただ、本を読むことだけに特化した機種である。 それでよろしいんじゃないでしょうか。 音楽が聴けたり、動画が見られたりするのは、本来読書という行為とは何の関係もないことである。何のストレスもなく字を追っていければ、それで充分である。 しかしながら、問題は書籍の品揃え(コンテンツ)である。 リーダーの場合、リーダーストアというホームページから書籍をダウンロードするのだが、ここの品揃えがかなり玉石混交なのだ。まったく知らない著者が十何冊も出しているかと思えば、池波正太郎や、伊坂幸太郎が二冊とかね。どういう基準で選ばれているのわからない。 もっともガラパゴスも威張れた内容ではないのだが。 リーダーか、ガラパゴスか、はたまたipadか、どれが電子書籍の主流になるのかは、コンテンツの質と量で決まるのではないか、かつてのVHS対ベータのビデオ戦争のように。