「アブラカダブラ」は、アラム語に由来する神秘的な呪文で、「私が言うとおりに創造する」(あるいは「私が言うとおりになる」)という意味を持ちます。古代ローマで広く用いられ、特にマラリアなどの病気に対するお守りとして使われました。この呪文は、護符や魔除けに逆三角形の形で刻まれることが多く、一行ごとに文字が一つずつ減っていき、最後に一文字だけが残るという形でした。これは、文字を徐々に減らすことで、お守りが対象とする病気や悪の力が弱まるという魔術的な信仰に基づいています。

逆三角形の形と文字の両方が「私が言うとおりに破壊する」という意味を表すとされました。この呪文はローマ帝国全土に広まり、中世にも受け継がれ、秘教や魔術において重要な要素となりました。中世の魔術では、アブラカダブラは治癒や守護のための儀式に用いられました。当時の魔術書の中には、超自然的な力を呼び起こすことで悪霊を追い払う魔法の呪文として用いられたと記されているものもあります。さらに、その言葉の繰り返しや幾何学模様への組み込みは、特定の目標や意図にエネルギーを集中させるという儀式的な目的を果たしていた。