国連総会がパレスチナの正式加盟を支持

2024年5月15日

Natural News

国連(UN)総会は、パレスチナの国連正式加盟を圧倒的に支持し、加盟資格を認めるとともに、安全保障理事会にこの問題を前向きに再検討するよう促した。
総会は5月10日、この件について投票を行い、143の加盟国が賛成票を投じた。米国とイスラエルを含む9カ国が反対票を投じた。同様の決議案が4月にワシントンに拒否権を発動されたことを受け、今回の採決は世界的な感情を反映したものだ。

イスラエルと米国の他には、アルゼンチン、チェコ共和国、ハンガリー、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニアの7カ国が反対票を投じた。一方、英国は棄権した25カ国のうちのひとつであった。

この決議は、パレスチナの正式加盟を認めるものではないが、加盟資格を認めるものである。また、9月からパレスチナ人に追加的な権利と特権を与える。

これらの特権に含まれるのは、投票権はないものの、国連総会会場における国連加盟国の席である。これとは別に、パレスチナは討議に全面的に参加し、議題を提案し、代表を委員会に選出する能力も認められている。

現在、パレスチナは2012年に付与された非加盟オブザーバー国の地位を持っている。正式加盟には安保理と総会の承認が必要だ。しかし、常任理事国5カ国で構成される安保理では、アメリカが拒否権を行使する可能性が高いため、パレスチナの国連加盟は不透明なままだ。

パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は、5月10日の会合に先立ち、平和への投資として賛成票を投じるよう加盟国に呼びかけた。そうすればパレスチナの存在を支持することになると説明した。

パレスチナ自治政府(PNA)のマフムード・アッバス議長は、総会で決議案が賛成多数で採択された後、感謝の意を表明した。アッバス議長によれば、この決議案は、安保理での再投票に向けたパレスチナの努力を後押しするものだという。「パレスチナは国連への正式加盟を粘り強く求めていく」と彼は声明で述べた。

パレスチナの国家化を阻止するイスラエルとアメリカ
しかし、イスラエルのギラード・エルダン国連常駐代表は総会を非難した。彼は国連憲章を無視していると非難し、象徴的に演説台で国連憲章のコピーをシュレッダーにかけた。

「あなた方は自らの手で国連憲章を引き裂いている。恥を知れ」と彼は総会を諌めた。彼によれば、国連は5月10日の決議で「テロ国家」をその仲間に加えようとしている。

イスラエルとハマス(正式には「イスラム抵抗運動」)の対立が続いている中でのこの動きである。また、PNAが支配するヨルダン川西岸地区でテルアビブが入植地を拡大しており、国連はこれを違法とみなしている。

パレスチナは、ヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区を国家とすることを望んでいる。しかしワシントンは、国家樹立は当事者間の直接交渉によってもたらされるべきであると主張している。そのため、パレスチナの国有化を達成するための一方的な手段には警告を発している。(関連記事 アンドリュー・マイヤー:イスラエルとパレスチナの紛争は、双方が腰を落ち着けて妥協しない限り続くだろう)

 

 

アメリカの法律では、国家としての「国際的に認められた属性」を欠く団体に正式加盟を認める組織への資金提供を禁止しているため、この決議案が採択されれば、国連とその機関へのアメリカの資金提供が削減される可能性がある。

パレスチナの国権問題は、国際的な場で長い間論争の的となってきた。パレスチナ解放機構は1988年にパレスチナ建国を宣言したが、国連加盟国による承認は依然として象徴的なものである。