新年明けましておめでとうございます。

気づいたら2019年が幕を閉じていた。
わたしほんとに舞台に立ってたんだっけ?
あれは夢か?と思うくらい
あっという間に本番も終わってた。

みなさま、改めましてベニバラ兎団
「追憶SUNSETLOOP」にご来場いただき
ありがとうございましたm(_ _)m



観には行けなかったけど
応援してくださったみなさま
客演のみなさま
楽隊・スタッフのみなさま
そして劇団員のみんな。

本当に本当にありがとうございました。

わたしにとっては卒団公演。

でもお客様にはそんなこと関係ないし
みんなと一緒にいい作品をお届けするという
意味ではいつもと全く何も変わらない。

そう思って挑んでいたのに
千秋楽前の円陣で気合い入れの
音頭を取らせてもらったとき
「ああ、これで終わるんだ…」という
実感が湧いてきてざわざわした。


稽古中からわたし以上に周りのみんなの方が
"卒団"を意識してくれてるのが伝わってきて
千秋楽のカーテンコールではまさかの
サプライズに思わず目頭が熱くなりました。


本当にまさかだった。

いや正直お花だけだったら
まだ我慢できていたんだけど
まさかまさかの客演のみんなから
寄せ書きをもらえるなんて…

アットホームなベニバラらしい
あたたかい座組でした。

ほんとどうでもいい話なんだけど
最近寄せ書きをもらうと80%くらいの
確率で女の子が1人か2人
「顔が好みです」と書いてくれる。

え、それ早く言ってよといつも思う。

嬉し恥ずかしいから「顔だけかよ」て
直接ツッコませてくれよ。

話がズレましたが
本当にいろんなことがあった
ベニバラ兎団での約10年…

劇団化する前の紅薔薇うさぎ団に
出逢ったのが20歳で、その一年後に劇団化。

旗揚げメンバーとして呼ばれたときの
驚きや嬉しさは今でも覚えてる。

一番年下だった小娘が最後には
"おばあちゃん"を演じるなんてね。


たぶん劇団員の中でも
わたしは特にいろんなタイプの
キャラクターを演じさせてもらって
きたんじゃないかなーと思う。

まぁ可憐で儚い女の子よりは
元気だったり強かったりっていう
タイプが多かったけど
ちょっと変わったキャラクターとかも
たくさん演らせてもらってきたし
ほんとにほんとにいろんな作品を
楽しませてもらってきた。

そして最後の締めくくりが"おばあちゃん"。

脚本家お二人の想いが台本に
こめられているのをひしひしと感じました。

演じたことなさそうな役を
演らせてくれたこと。

おばあちゃんのくせに踊ったり
アクションがあったり
明らかに卒団を意識した
台詞が挟み込まれていたり。

素敵なプレゼントをありがとうございました。

ダンスが多かったから
振付師としても楽しい作品でしたね。

いろんなジャンルがあったし
今回もOPは構成から全て作らせてもらって
それに照明が加わったときいつも
「照明さんは魔法使いだなぁ」と感動する。


OPの感想を書いてくださってる
お客様もいて嬉しかったなー

「2回目見ると意味がわかるから
OPだけで泣ける」

これはわたしがOPをつくるときに
一番こだわっている部分かもしれない。

もちろんダンスにも
作品をイメージした振りを
付けていたりはするけど
全体の構成として観れば観るほど
楽しめるOPを目指してる。

1回目は華やかさや
キャラクターたちの個性と
"さあ始まるぞー♪"という
アニメのOPのようなワクワク感を
感じてもらえたら嬉しくて
2回目見たときは同じOPなのに
なんでこの人がここで出てきて
あの人を見てるのかとか
どんどん意味がわかって違った楽しみが
できるように意識してる。

わかりやすいところもあれば
細かい拘りなんかもあったりして。

今回だと例えば、、
これ気づいた人いるかなー


1話2話3話とそれぞれ紹介が終わって
バラバラにハケていく一瞬の間に
離れたところにいるおばあちゃんと
記憶商人が目を合わせていたんです。

それぞれのチームでしか
関わっていないように見えて
実はこの2人だけほんの2,3秒だけど
しっかり目を合わせていました。

作品を観てくださった方にはなぜここで
2人が目を合わせるのかわかるはず。

気づいてる人がいたらすごいなー

細かすぎて伝わってないかもしれない
振付のちょっとしたタネ明かし(?)でした。

でもほんとオリジナルの曲に
振付させてもらうって贅沢。

しかもそれを生演奏&生歌で踊れるなんて。


今まで一体いくつのオリジナル曲に
振付させてもらってきたんだろう。

振付だけじゃなくて時には自分も
歌わせてもらったりして
そんな贅沢を毎回当たり前のように
やらせてくれる劇団なかなかないよ。

そしてとにかくわたしは
楽隊さんが好きで好きで好きで
いつも構ってもらいに行く。


もちろんこの10年で楽隊メンバーも
人が入れ替わってるけど
みんなみんな最高のミュージシャンで
最高の人たちでした。


アップ中も一番近くを陣取るし
開演直前には楽隊さんの楽屋で
変な力を抜いてから本番に挑むための
"気合い抜き"をするのが
わたしの本番前のルーティーン。


この時間が本当に大好きで、大切だった。
いつもいつもありがとう。

楽隊さんだけじゃなくて
スタッフさんも客演さんも
もちろん劇団員も
そしてお客様の入れ替わりも常にあります。

カーテンコールのときにも
少しお話しましたが
本当にたくさんの出逢いがあって
たくさんの人に支えてもらってきたから
今のベニバラがあるということを
どうか忘れないでほしい。

この話をしてるときに走馬灯のように
昔の記憶がバアッと頭の中で流れて
今まで出逢ってきた人たちの顔が浮かんだ。

いろんな人がいたなー
これからはわたしもその中に入ることになる。
ベニバラにとって過去の人になる。

サミシイと泣いてくれた後輩たち。
寂しいなんて思わずに
「よし。さち穂さんがいなくなったから
次は自分がもっといいポジションの
役をもらえるように頑張るぞ!」と
いなくなったことをプラスに捉えてほしい。


上がいなくなるのは下にとって
飛躍のチャンス。
たぶんわたしもそうだった。

後輩という感覚とはちょっと違うけど
今のメンズたちが入ってきたとき
正直お世辞にも「頼りになる」とは
思ってなかった。
でもいつの間にかベニバラを支える
縁の下の力持ちのような存在になってて
安心してこれからのベニバラを任せられる。
普段はポンコツだってイジるけど
ほんとにポンコツだって思ってるけど(笑)
いい凸凹コンビだと思う。


旗揚げからずっと一緒に苦楽を
共にしてきたなおりんさん。
お姉ちゃんのように接してきてくれました。
でも他のお姉さま方が劇団を離れていって
わたし自身センパイという立場が
落ち着いてきた頃、そうだなー、
作品でいうと「鳴かない獣」辺りかな。
わたしは勝手に「あ、なおりんさんと
同等に会話ができているかもしれない…」
とふと思ったときがあった。
その瞬間がすごく嬉しかった。
なんでもかんでも出来ちゃう人だから
一人でたくさんの仕事を抱えちゃうけど
もっともっと後輩に甘えてほしいな。
先輩の背中を見てみんな成長してる。
わたしなんかよりよっぽど頼れますよ。


わたしを見つけ、今日まで
ベニバラ兎団で輝かせてくれたIZAMさん。
めちゃくちゃな人。
いろんな経験をさせてくれた人。
たまに「さち穂先生お願いがあります」と
気持ち悪いくらい丁寧な
お願いメールが来るのがこわかった。
でもその無茶振りたちがわたしを強くした。
もし本当に切っても切れない縁
というものがあるなら
たぶんわたしとIZAMさんは
いつかまたどこかで繋がる気がしてる。

劇団員について書き出したら止まらない。


たくさんたくさんありがとう。
今年10周年を迎えるベニバラ兎団が
心から楽しみだし応援してる。

長くなりましたが…
今まで"ベニバラ兎団の原さち穂"を
応援してくださったみなさま
本当にありがとうございました。


ここにたくさんの笑顔が
溢れていたこと忘れません。

これからはただの原さち穂個人として
自分のペースで舞台も振付も私生活も
たっぷりと人生を楽しんでいきたいと
思っていますので、もし良ければ
これからも応援宜しくお願いします!


2020.01.03*はらさちほ*