女のミステリー② <火車> | 五味箱〈ゴミバコ〉

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五味裕子が
各種エンタメ 見たもの・聞いたもの・好きなものについて
感じるまま・つれづれなるまま・独自の視点で・好き放題に語ってゆきます



私は、自分でも小説とか書いちゃったりしてるわりに
あんまり本を読んでいないほうだったりする

火車 (新潮文庫)/宮部 みゆき
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だから、読む作品てのは選りすぐりのものとか
ある意味、すごい運命的っていうくらい貴重なものになっちゃうのねw


読み終わった後、なんかボ―――っとしてしまった 素晴らしすぎて


女性にしか描けない表現という気がしました


ミステリー作品というのは なんか、あまりにもカンタンに人が死んだり
物語のために 予定調和のように 死体が現れるのがちょっとなwwwって思ってしまうことがあります

現実でも近頃、とりたてた理由も無く人が殺されるっていうことがよく起こっていて
邪悪な所業というのは、現実でも架空の世界でも 不条理なもの―― という見方もできますが
人ひとりを殺すのに、そんな動機!? そんなカンタンに人が死ぬの!?って
釈然としないことがあるわけです


<火車> で、いちばん凄いと思ったのは、死体が出てこなかったところ
ここに、死体が埋められているに違いない という確信に近い想像に留めたところです

そうすることで、物語の焦点は、殺人ではなく
そうせざるを得なかった女の運命や哀しみのほうになる 
このスレスレの絶妙な表現っ! ぞくぞくしちゃいました



宮部みゆきさんの作品も全部はご拝読してないのですが
宮部さん大好き ハート トカ言い切ってしまおう





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