https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41759070W9A220C1000000?channel=DF140920160927
「筋トレは認知症予防に役立つ」ってウソ?ホント?
2019/3/23
運動不足は脳にどんな影響をもたらす? (c)Wavebreak Media Ltd-123RF
正解は、(1)ホントです。
■アルツハイマー病の強力なリスク因子は「運動不足」
認知症は、何らかの原因で脳がダメージを受けて、記憶力や思考力、判断力や理解力といった脳の認知機能が少しずつ低下していき、日常生活や活動が困難になるまで支障を来した状態のことを指します。
日本の65歳以上の約7人に1人が認知症患者と推計されています。正常と認知症の中間の状態とされる軽度認知障害も合わせると、65歳以上の約4人に1人が認知症またはその予備軍となっています(2015年厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」より)。
「近年の研究から、認知症は生活習慣病だと認識されるようになっています。脳血管性認知症の原因となる脳血管障害(脳卒中)は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が引き起こします。さらに、運動不足が認知症のリスク因子になることもほぼ確実と見られていて、特にアルツハイマー型認知症は、様々な要因の中でも運動不足が強力なリスク因子だとする研究報告があります」(表1)。そう話すのは、筑波大学大学院スポーツ医学専攻教授の久野譜也氏です。
では、運動習慣は脳にどのような影響をもたらすのでしょうか?
「運動で体を動かすと、筋肉組織からイリシンという物質が分泌されます。イリシンは血流に乗って脳に運ばれると、脳内でBDNFと呼ばれるたんぱく質の分泌を促します。BDNFは『脳由来神経栄養因子』と呼ばれ、脳の神経細胞の働きを活発にして、細胞の新生や再生、シナプスの形成を促すことが分かっています。つまり、筋トレで筋肉を刺激し、有酸素運動で血流を促すことで、脳の活動性を高め、認知症の予防につながることが示唆されているのです」(久野氏)
「十数年前には、指先を動かすなど細かな動作を行うと、脳を活性化できるといわれていましたが、近年では、大きな筋肉群を動かしたほうが脳への刺激が高まるといわれるようになってきています」と久野氏は話します。太もも(大腿四頭筋やハムストリングス)など下半身の大きな筋肉を鍛えると、転倒を予防し、基礎代謝を維持・向上できることが知られていますが、それだけでなく、認知症の予防につながることも期待できるのです。
「将来認知症になるリスクを下げるためにも、筋トレと有酸素運動を習慣にして、積極的な外出を心がけてほしいと思います。積極的に出かけることで、新たな発見や人との交流も生まれ、脳をさらに活性化することができます」と久野氏はアドバイスしています。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2019年2月25日付記事を再構成]
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41713470V20C19A2000000?channel=DF140920160927&n_cid=LMNST011
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週1の筋トレで心筋梗塞・脳卒中の予防は期待できる?
2019/3/21
将来の寝たきり予防などに役立つ筋トレ。実は心筋梗塞や脳卒中の予防にも効果がありそう。写真はイメージ=(c)undrey-123RF
1週間に1~2回、計60分までのレジスタンス運動(筋力トレーニング)を行うと、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクや死亡のリスクが下がる可能性があることが、米国で行われた研究で明らかになりました。
■筋トレでも心筋梗塞や脳卒中のリスクは下がる?
心筋梗塞や脳卒中などの、心臓や血管に関わる病気(心血管疾患)は、先進国における主要な死亡原因になっており、リスクを低減するための有効な対策が求められています。これまで、有酸素運動については、心臓や血管に良い影響をもたらすことが分かっていましたが、レジスタンス運動(筋力トレーニング)については一貫した結果は得られていませんでした。
そこで、中国華東師範大学のYanghui Liu氏らは、心血管疾患と死亡のリスクにレジスタンス運動が及ぼす影響を、有酸素運動とは切り離して分析することにしました。
筋肉を増やすことを目的として、例えば大腿部や腹筋など、目指す筋肉に負荷(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動。筋力トレーニングとも呼ばれる。
長時間続けて行うことが可能な軽度~中等度の運動。体内に酸素を取り入れて、エネルギーを消費させる。メタボリックシンドローム(メタボ)の改善や減量を目的とした人に適しており、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどが代表例。
Liu氏らは、米国テキサス州Dallasのクリニックでボランティアを募集しました。登録された人々のほとんどが白人で、学歴は高く(80%超が大学卒業以上)、社会経済的地位は中~高レベルでした。これらの人々は、定期的に、心血管疾患の予防を目的とする健康診断と生活習慣(運動、栄養、ストレス管理など)に関するカウンセリングを受けました。
1987年から2006年までに2回以上診察を受けており、登録時点で、心筋梗塞、脳卒中、がんの病歴がなかった1万2591人(18~89歳、平均年齢47歳、21%が女性)を分析対象としました。
有酸素運動については、米国のガイドラインに従ったレベル(500MET-分/週以上、具体的には、中強度の有酸素運動を週に150分、または高強度の有酸素運動を週に75分以上)を実践しているかどうかを尋ねました[注1]。
レジスタンス運動については、フリーウェイトトレーニング(ダンベルやバーベルなど器具を使ったトレーニング)、またはマシンを使ったウェイトトレーニングを1週間に何回、1回ごとに何分くらい行っているかを尋ねて、1週間の総運動時間を計算しました。レジスタンス運動の頻度に基づいて、「週に1回」「週に2回」「週に3回」「週に4回以上」に分類し、さらに、1週間の総運動時間に基づいて、「0分」「1~59分」「60~119分」「120分以上」に分けました。
平均5.4年の追跡で、心血管疾患の発症または心血管疾患による死亡(これらをまとめて「心血管イベント」)は、205人に発生しました。うち127人は追跡終了まで生存していました。あらゆる死因による死亡(総死亡)は、平均10.5年の追跡期間中に276人に発生していました。
登録時の調査では、全体の27%(3438人)がレジスタンス運動を実施していました。レジスタンス運動を全く行っていなかった群と比較すると、レジスタンス運動を行っている群には男性が多く、年齢は若く、非喫煙者が多く、有酸素運動の実施者が多く、BMI(肥満度を表す体格指数)は低く、さらに、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、親が心血管疾患を経験している人の割合も少なくなっていました。
レジスタンス運動の頻度または実施時間に基づく各分類群を対象に、レジスタンス運動の実施が「心血管イベント」、「心血管疾患による死亡」、「総死亡」に及ぼす影響を検討しました。結果に影響を与える可能性のある要因(有酸素運動実施の有無も含む)を考慮して分析したところ、統計学的に意味のあるリスク減少が見られたのは、「週に1~2回程度、計60分未満(1~59分)のレジスタンス運動」でした(表1)。各評価項目で、35~70%のリスク減少が認められました。
横軸をレジスタンス運動の頻度、縦軸をリスクの大きさとしてグラフを描くと、どの評価項目についてもU字型のカーブが現れ、週に2回程度レジスタンス運動を行っていた人のリスクが最も低い傾向が見られました。
■有酸素運動の有無にかかわらず筋トレは効果的
Liu氏らは、ガイドラインが推奨しているレベルの有酸素運動を実施している人々とそうでない人々を分けて検討しましたが、上記の「心血管イベント」と「心血管疾患による死亡」のリスク低下は、有酸素運動の実施の有無にかかわらず認められました。一方で、「総死亡」については、ガイドラインが指示するレベルの有酸素運動と並行してレジスタンス運動を行っている人についてのみ、リスク減少が認められました。
たとえ週1回でも、または、1週間に1時間未満でも、レジスタンス運動を行うことは、心筋梗塞や脳卒中の予防に役立ちそうです。
論文は、2018年10月29日付のMedicine & Science in Sports & Exercise誌電子版に掲載されています[注2]。
[注1]MET(またはMETs):身体活動の「強度」を表す単位で、安静時(座って安静にしている状態)を1METとし、それぞれの身体活動がその何倍の強度に相当するかを示す。普通歩行は3MET、ジョギングは7METに相当する。5METの運動を100分行うと500MET-分となる。
[注2] Liu Y, et al. Med Sci Sports Exerc. 2018 Oct 29. doi: 10.1249/MSS.0000000000001822.
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今から約4年前腎臓内科に通院するようになってから激しい運動は良くないと医師に言われた。なので有酸素運動に留めていた。が、最近になって腎臓学会の考え方が変わってきた。つい最近主治医に確認したら重量挙げのような物でない限り自宅で行う筋トレはやっていい、という回答だった。4年前と今では、腎臓学会だけでなく色々と変わってきている。
筋トレは、腎臓にとっても + に働く。
引用文にもある通り、筋トレは、認知症・心筋梗塞・脳卒中の予防にもなるようだ。勿論100%ではない。ただ、やらないよりは、やった方がリスクがけいげんされるようだ。
老いてくると足腰が弱ってくる。膝が痛くなって歩くのが嫌になるケースもある。
主治医の回答以後、事務所内で行う有酸素運動にスクワットを1分取り入れている。たかが1分だが25回位はスクワットが出来る。負荷もかなりある。その他にも立位と座位での腿上げも行っている。
今後は、可能であれば 毎日、老化防止と病気防止の為にこれらの事を行いたいと思っている。皆さま、日々頑張って参りましょう!
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