今月末、新著刊行! そして来月(と再来月)、記念イベント!! | 我々少数派

今月末、新著刊行! そして来月(と再来月)、記念イベント!!

 ※検索サイト等からいきなりこのブログにアクセスした方へ。ここには「我々団」もしくは「外山恒一」に関する詳しい情報はありません。公式サイトへ移動してください。
 カンパを広く募集しています。振込先は、「福岡銀行 春日原支店 普通 1167080 トヤマコウイチ」です。


 突然ですが、今月末に新著が出ます。
 正確には、私が“サブ”の共著です。

 実は版元の関係の一部サイトや、“メイン”の方の共著者の関係の一部サイトなどではすでに情報が出ており、また、それとは無関係に、スルドい人は昨年11月ぐらいの時点で何となく察知していたかもしれませんが、その新著とは……

我々少数派

 そうです。右の「ブログテーマ一覧」で昨年11月ごろ以降は記事数が「0」になっている「法政大学80s90s学生運動史」が、このたび単行本化されることとなった次第です。
 画像でも分かるとおり、タイトルは、

  『ポスト学生運動史 法大黒ヘル編 1985~1994』

 「中川文人・著 聞き手・外山恒一」で、今月末には全国書店に並びます(ジュンク堂とか紀伊国屋とかの大型書店ならたぶん。並んでなくても注文して取り寄せることは全国どこの書店からでも可能ですし、またもちろんアマゾン等でも購入できます)。版元は前著『青いムーブメント』と同じく彩流社。定価は1800円+税です。

 版元のサイトにある「内容紹介」は、こんな感じです。

当事者の証言!!
団塊世代の学生運動史については、いままで数多の書物で語られてきたが、その後の運動、特に共産主義崩壊前後の学生運動についてはほとんど語られてこなかった…。
バブルに浮かれた時代の裏側で本当にあった革命と戦争の話。
学生運動のメッカ、法政大学の「黒ヘルのリーダー」として80年代から90年代にかけて運動を牽引した著者の回想記。これまで誰も語らなかったセクト対ノンセクトの内ゲバの実態、「共産主義崩壊」前後の運動状況がはじめて明らかになる。


 そして中川文人氏とは、こんな人(同じく版元のサイトより)。

 中川 文人(ナカガワ フミト)
1964年生まれ。法政大学中退、レニングラード大学中退。作家、詩人。「地獄誕生の物語」(以文社)、「身近な人に「へぇー」と言わせる意外な話1000」(朝日文庫)、「数字のどこをみてるんだ!」(宝島社)、「余は如何にしてイスラム教徒となりし乎」(アイピーシー)など著書多数。
なお、「身近な人に「へぇー」と言わせる意外な話1000」は、文庫版、デジタル版、電子辞書版合計200万部を超すダブルミリオンセラーです。


 要するに、まず中川氏は、80年代末から90年代前半にかけて、法政大学の、当時まだ200人ぐらいはいたというノンセクト(黒ヘル)の学生運動家の首領格だった人物です。で、法政大学というのは同時に、日本を代表する“過激派”である中核派の最大拠点校です(でした?)。過激派の拠点となっている大学では普通、その党派が学内の運動全体を暴力的に(実際にシャレにならないぐらいの暴力をふるったり、またその“実績”をチラつかせて脅しつけたりして)支配しています。法政大学でも同様で、ある時期(70年代後半といいます)以降、ノンセクトの活動家は、中核派を刺激しない範囲で、節度を持って(?)活動していたわけですが、中川氏とその同志たちはそんな状況を潔しとせず、なんとこの“日本最大の過激派”に公然と反旗を翻し、しかも最終的には勝利してしまうのです。
 おおよその雰囲気は、やはり版元のサイトに掲載されている「目次」からも伝わるでしょう。

 ガラパゴス諸島の闘争(まえがき)
第一部 中核派の最大拠点校
  第一話 じいさんは革命家
  第二話 兄ちゃんも革命家
  第三話 就職率が一番低いのは…文学部哲学科だ!
   《年表『法大学生運動と私』》
  第四話 「七・一〇体制」とは何か?
  第五話 法政の黒ヘルは怖いんですよ
  第六話 バリストとロックアウト
  第七話 試験もなんにもない大学
  第八話 新入生オルグ大作戦
  第九話 合宿、合宿、また合宿
  第十話 中核派を刺激するな!
  ■コラム「黒と白」
第二部 開戦! 中核vs黒ヘル
  第十一話 おれが文学部自治会の委員長!?
  第十二話 〝KGBの大佐〟がやってきた
  第十三話 下手すりゃ殺されるよ
  第十四話 辺境の革命政権
  第十五話 中核派の狙いは黒ヘルの完全下請け化である
  第十六話 〝客人〟たちの暗躍
  第十七話 暴動の夜
  第十八話 敵の首領・松尾を打倒せよ
  第十九話 学館人質論
  第二十話 ハンスト闘争と“試練の十番勝負”
  第二十一話 今さら作戦の変更もできないし…
  第二十二話 決戦!
  第二十三話 亡命先はソ連邦
  ■コラム「敵の首領・松尾眞氏の運勢を占う」
第三部 黒ヘルの帝国
  第二十四話 激動のレニングラード
  第二十五話 黒ヘルの大親分
  第二十六話 OBのくせにストなんか煽りやがって
  第二十七話 後輩がリンチされた!
  第二十八話 奴らは学生の手に負える相手じゃない
  第二十九話 緊急OB会議
  第三十話  主犯格の女
  第三十一話 悪の頂点を極めた男
  第三十二話 カクマルを何人殺してきたと思ってんだ!
  第三十三話 自宅襲撃
  第三十四話 中核派は中川さんの殺害を計画しています
  第三十五話 勝利、そして引退


 もちろん私が聞き手となってのインタビューなので、語り口は平明で、深刻な話だけでなく、バカバカしい周辺エピソードもいっぱい飛び出して、爆笑必至の一級のエンタテインメントにもなっているはずです。
 スガ秀実氏が寄せてくれた帯文も紹介しましょう。

「今、焦眉の課題は、「1968年」が、その後、どのように流出していったかを跡づけることだ。本書をもって、ようやく、その課題が果たされる。反スターリン主義を掲げる新左翼セクトの圧政からソ連邦に亡命したという真の「過激派」中川文人が、聞き手に、余りにも真摯であるがゆえにファシストを名のる「歴史家」外山恒一を得て語る本書は、荒唐無稽にして波乱万丈、深甚にして自在に歴史の表層を滑走する、急進主義の華である。」<絓秀実(文芸評論家)>

 いいですねえ、中川氏もニンマリしていましたが、“急進主義の華”! それに、「反スターリン主義」の圧政を逃れるにはそりゃ確かに「スターリン主義」の本家本元に駆け込むのが一番正しい、という、実は背後に『革あ革』等でも展開されていた難解かつスルドい歴史分析をも秘めた独特のユーモアは、さっすがスガ氏。
 このブログで公開していた時にすでに熟読した、という向きもあるでしょうが、単行本化に際し、中川氏が大幅に手を入れて、さらに読みやすく、かつディテールが追加されてもいます。
 また、私が担当した脚注もむやみに充実、さらにはやはり私が担当した「まえがき」も、80年代半ば以降、2010年現在に至るまでの、(法大の運動のみならず)若者たちのラジカルな諸運動の歴史を、原稿用紙換算50枚ほども費して啓蒙するという力作です。
 というわけで、ぜひお買い求めを!
  (参考 版元のサイト


 で、さらに告知は続きます。

 この新著『ポスト学生運動史』の刊行を記念して、熊本、福岡そして東京で、もちろん著者の中川文人氏と私が揃って出演するトークイベントをおこないます。
 詳細が決まっていない部分もあるので、そこらへんは決まり次第、おって情報を追加していきますが、とりあえず日時と会場は以下のとおり。

…………【熊本】…………
 2/12(金) 時間未定ですがまあ夜
 会場 熊本市・新市街玉屋通りのバー「秘密基地【AZITO】」(熊本市新市街 6-20)
 参加費 とくにありませんが、一応バーなので各自注文はしてください。もっとも、ソフトドリンク、カクテル、(第3の)ビール、すべて200円(~)という“とんでもない”お店です。
 出演 中川文人 外山恒一 他未定


…………【福岡】…………
 2/13(土) 時間未定ですがたぶん13時半or14時から16時半まで
 会場 農民会館(福岡市中央区今泉1-13-19 要は国体通りを南にちょっと入った路地にあります) 4階ホール
 参加費 未定ですが高くても500円以内に設定します
 出演 中川文人 外山恒一 他未定


…………【東京】…………
 3/6(土)12:00開場 12:30開演 (つまり昼間のイベントです) 16:00までには完全撤収とのことなので、イベントは最大でも15:30まででしょう。
 会場 阿佐ヶ谷ロフトA
 参加費 未定ですがこれまでと同じなら1500円とか2000円とかでしょう。
 出演 スガ秀実 中川文人 外山恒一


 実は東京ではもう1件、トークイベントの予定が確定しているんですが、そちらについては思うところあって告知はまた後日。
 なお、福岡で今月から始めることになった「月1回の定期交流会」ですが、2月はつまり上記イベントをもってこれに代えます。イベント終了後に、どこか天神界隈の居酒屋に移動して、もちろん中川氏を囲んで歓談することになります。

 というわけで、以上、告知でした。