マジック・イン・ムーンライト | パパは過労死寸前〜素朴のグルメ〜

パパは過労死寸前〜素朴のグルメ〜

娘2人に囲まれながら、2015年より小規模な会社を立ち上げて、日々、家事&仕事でフル回転中の男一匹34歳。糖質オフ本を制作したことにより半年で10キロ減に成功。毎日が締め切り的な業務で週に2日は帰れない……。そんな多忙パパの食日記&適当な徒然育児日記。

朝飯→納豆ごはん、卵焼き、ウインナー、とろろごはん
昼飯→焼きそば、焼きおにぎり
夜飯→おにぎり、サンドウィッチ
飲物→水、黒酢ジュース、コーラ
仕事→某書籍の編集
















どん。
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マジック・イン・ムーンライト!






両親に子ども2人を託して、ひとりシネマへ。

毎度毎度言ってますがね、一年に一度のね、私の楽しみであってね、ご褒美でもあるね、ウディ・アレン監督の最新作鑑賞タイムなわけだったのですね。

本作は、どうやらアカデミー賞に輝いた「ミッドナイト・イン・パリ」の系譜を継ぐ作品らしく、ウディ作品におけるロマンチックラブコメディに属するタイプであり、相変わらずの軽妙ながらウィットに富みつつ笑えてグッとこさせる小粋な技は、もはや職人芸でもある上に芸術的だ。

ウディのシリアス系作品も好きだが、やはり私はこのロマンチックラブコメディ系が最も大好物。

しかも、私の中でナンバーワン映画である「ギター弾きの恋」に通じるところなどもあり、やはり一年に一度の贈り物は、この上なく私の心を揺さぶりつつ楽しませつつ癒してくれた。

そんなゴキゲン気分でごはんを食べようかと。







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とろろごはんと味噌汁。

そのほか、納豆やらだし巻き卵やらも。




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焼きそば。

さっそくプレゼントしたフライパンで作ってくれたようで、子どもたちも喜んでいた。

















夜は会社でおにぎりとサンドイッチを……。







さて、マジック・イン・ムーンライト。

ざっくり映画の内容をレビュっておくと、戦前の1920年代の南仏が舞台であり、まずはその景観が美しすぎる。

そして、設定は、「偉大なる人気マジシャン」が「超絶美人な占い師」のペテンを見破るために南仏を訪れるも、次第に彼女が本物だということに気づかされはじめ、徐々に2人は魅かれあっていく……けれども、とある事件をきっかけに……みたいな、相反する男女を巡るラブストーリーなため、“ありがち”と言えばもちろんよくあるパターンなのだが、そこにウディ節が炸裂するわけなので、その面白さは掛け値なし。

ヒロインである、エマ・ストーンのラブリーさも際立っているが、やはりそこにも女性を撮らせたら右に出る者はいないと言われるウディの卓越した演出力が光っているのであって、とにかく食べるのが大好きなキャラクターにしている点が前出の「ギター弾きの恋」と重なって見えるため、観ているこちらからしたら男性だけでなく女性をも魅了する可愛さとなっていることは間違いない。

「愛で、お腹って満たされるのかしら?」

モグモグ口に含みながらそんなセリフを言われたら……。











So,GOOD!!!!!!!!!








はい、少々取り乱したけれども、本作のキーワードはタイトルにもあるように「魔法」。

そして、コテコテのように感じられるかもしれないが、それは「恋の魔法」であり、ウディの性格が投影された、理屈屋の主人公が理論的に「理想のカップル」だと行き着いた現在の婚約者ではなく、説明することができないヒロインへの「恋」の衝動に突き動かされていくところが見どころであり、劇中のセリフにも似たような言葉があったが、「恋こそが魔法」なのである。



また、「ペテン」というのもキーワードであり、主人公は「ウソ」で商売をする占い師という職業が許せない。

だが、終盤に「真実だけを見続けるだけが人生ならば人は疲れ果ててしまう。人生を生きるにはホントとウソが必要なのだ」的なセリフが放たれるのだが、世の中には確かに「優しいウソ」も存在し、そういう幻想に酔いしれることで厳しい現実を生きていくことができることもある。

誰もが精神的に鉄壁ではないからこそ、真実は時に人をズタボロにしてしまうのだ。

天才マジシャンの理屈屋もやはり、人の目を誤魔化すことで、人々に感動と衝撃を与えてきたのであり、それもまたひとつの「幻想」であることには変わりなく、相反するかと思われた2人は実は同じ穴の狢ではあるわけで、どちらも「ウソ」を商売としながら、などちらも「ウソ」を必要としていたのだと私は感じた。



果たして、そんな2人の恋の行方は成就するのか⁉︎




エンディングを観た際に、「ギター弾きの恋」の頃のウディとは異なることが感じられ、それはそれで老齢のウディが描いたからこそ、このラストに繋がったのだろうと納得しつつ、悲しくもあり、喜びにもなった。

恋が魔法であることは確かだが、私にとってみれば、マジック・イン・ムーンライトという映画にこそ、いや、ウディが一年に一度プレゼントしてくれる彼の映画こそが「魔法」なのではないかと感じている。

彼の映画を観ている時に味わえる、さりげない喜びに、ロマンチシズムへの陶酔、そして何より鑑賞後のあの幸福感は、何度でも味わいたくなるほどの快感であり、それこそが映画の在り方なのではないかと思われ、上映中は観客の誰もがウディの仕掛けた魔法にかかっているのである。

そして、その魔法は鑑賞後もとけることはなく、私の中にずっぽりと浸透していく。。。









ウディ・アレン監督、今年でなんと80歳。

そんな彼がこんなにも素敵なラブストーリーを描けることに驚嘆せずにはいられない。



男は年齢じゃない、いや、人は男女関係なく、いつまでも恋の魔法にかかるもの。

たとえ、その恋が幻想だったとしても、それはそれで、限りなく自身の奥深くにまで沁みわたっていき、心を癒す魔法となるはずなのだ。

などと、年甲斐にもなく、ほんのり淡いロマンチックな雰囲気に酔いしれているというか、悦に入ってしまったというか、鬱陶しいナルシズム全開な想いを思ってしまっていたようだ。






















どーん。
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4月12日、下弦の月の灯りの下で……。