ユージニア / 恩田陸 | 博智の痴

博智の痴

HighGainGravityよりによってBa.&Vo.

鴨川ホルモー』に満足した私だが

相変わらず、三中ロスを引きずっていた。

 

まだ読んだことのない作家に手を出してみるか・・・・・・

 

何人か候補があったものの

最終的に

恩田陸

という人にしてみる。

 

著書に『夜のピクニック』とあり

多部ちゃん主演の映画を観たことがある。

 

映像化された作品があると

手に取るきっかけとしては大きいよね。

 

結構、たくさんの作品があるが

どうしよう・・・・・・

 

表紙からして

面白そうな雰囲気の漂う

ドミノ

だが、今の気分的に騒々しそうなのはパス。

 

調べてみると

代表作に『夜のピクニック』と並んで

ユージニア』とある。

 

聞いたことないけど素敵な響きだ。

装丁も凝っていて

冒頭は違うサイズのページで始まり

全体の文字は紙に対して

少し斜めに印刷されている。

何とも不安定な雰囲気を醸し出している。

(大きい方の本なので文庫とかだとどうなってるか不明)

 

これに決めよう。

 

少し、読み進めたところで

脳が不満を言い出した。

 

これってルポライターが書いたような形式のやつだよね?

一読すると何の話をしてるのか分からない発言者たちの

内容をつなぎ合わせて全体像を理解していこうってタイプの・・・・・・

しかも、発言者によって事実の認識が違ってて・・・・・・

し、しんどい・・・・・・

今のオレはこういうの求めていない・・・・・・

おっと、ここはルポではなく書き手が変わったみたい・・・・・・

 

めげそうになりながらも

徐々に話の内容が分かりはじめ、

いろいろと気になることが増えていく・・・・・・

 

近所で起こった事件を

憶測や妄想で噂するような気分。

小説を読み進める動機って

そういうことと似ているような気がする。

当事者は傷ついているのだし

そっとしといてあげましょ

と、ページを閉じることはできない。

 

最後には

お前が犯人なんだろ!?

と正義を振りかざし人差し指を突き付けて

スカッとしたいのだ。

 

だけど、正直、何とも言えない結末である。

もやっと終わる。

だから、ダメというわけではないが、もやっとだ。

 

ユージニアという不思議な響きは

理由を知ってしまえば

途端に輝きを失ってしまう。

 

事件も真相に近づくほどに

輝きを失って、もやっと終わるのだ。

 

しばらく下書きのまま放置してたけど

直木賞受賞おめでとうございますということで

ようやく更新。