最高裁判所第二小法廷は、2024年3月15日付けで、
中村美香(37才)の上告を棄却し、埼玉県議当選
無効が確定しました。
3月19日、この判決を受けて埼玉県選管は、次点
たった小森克己氏の当選を決定しました。

今後、埼玉県は、中村美香に支払った

埼玉県議報酬 月額92万7千円✖️12

年2回のボーナス223万8千円✖️2

政務調査費 金額不明

の全額返還を請求すべきです。


◼️中村美香事件の概要

2023年4月9日の統一地方選挙の埼玉県議選で、元

アイドルの中村美香(日本維新の会、36才)が初当

選しました。双子の妹の梨香は落選した。


しかし、市民から「居住実態が無く、立候補要件を

満たしてない」と異議申立がありました。


7月13日、調査した埼玉県選挙管理委員会は「3カ

月以上、県内の同じ市町村に続けて住んでいた実態

がない」として、当選無効の裁決をしました。


7月18日、中村美香は埼玉県選管の裁決が不当とし

て、東京高裁に提訴しました。


11月16日、東京高裁は「部屋の利用状況や交通系

IC カードの利用履歴などから、埼玉県内に生活の

拠点を移したと認めることはできない。県選管の

当選無効の裁決は適法である」として訴えを退けま

した。


11月24日、中村美香は東京高裁の当選無効の決定

を不服として、最高裁に上告しました。


2024年3月15日付けで、最高裁は中村美香の上告

を棄却し、当選無効が確定しました、


日本維新の会埼玉県の責任者は、記者会見をして見

解を示すべきですが、ダンマリを決め込みました。





◼️最高裁判所の画期的判決

2023年12月12日、最高裁判所第3小法廷は、選挙
違反で、当選無効になった不破忠幸(大阪維新の会)
に議員報酬や政務調査費などの全額返還を命じる判
決を言い渡しました。

この判決は画期的です。
これまでは、選挙管理委員会で当選無効になっても
裁判で確定するまでは、議員報酬や政務調査費をも
らうことができました。
この判決により、裁判で当選無効が確定すれば、
全額返還請求が可能になりました。
最近では、中村美香埼玉県議が立候補資格を満たし
てなく、埼玉県選挙管理委員会が当選無効にしまし
た。中村県議は、埼玉県選管、東京高裁でも当選無
効の判決を受けたのに最高裁に上告し、ずっと議員
報酬などをもらい続けていました。
最高裁で当選無効が確定したので、これまで支払った
議員報酬などの全額返還請求が可能になりました。


◼️画期的判決の経緯

2023年11月14日、最高裁判所第3小法廷は、双方
の意見を聞く弁論をしました。
最高裁がこの弁論を行うのは、二審までの判決を変
更する手続きの一環とされています。

この裁判は、2019年の大阪市議会議員選挙で当選
した不破忠幸(大阪維新の会)の選挙違反(買収)
の有罪が確定して、当選無効になり、失職した事後
処理事案でした。

原告は大阪市です。
被告は不破忠幸(元大阪市議)です。

原告側は当選無効なので、支払った議員報酬と期末
手当(ボーナス)の全額返還を求めました。
被告側は失職するまで議員として働いたので、労働
対価である議員報酬と期末手当を返還する必要は無
いと主張しました。

一審の大阪地裁の判決は、不当利得を得ていたとし
て、全額返還を命じました。
これに対して、被告側が控訴しました。

二審の大阪高裁の判決は、議員報酬を労働対価とし
て、選挙違反で拘束されて議員活動ができなかった
期間中の議員報酬のみの返還を命じました。
これに対して、原告側が上告しました。