広い意味(広義)で、「軍艦」は、日本海軍(大日本帝国海軍)、今の海上自衛隊、諸外国の海軍の艦船です。
狭い意味(狭義)で、日本海軍の「軍艦」は、艦船の中でも戦闘力が高く、排水量の大きなフネでした。具体的には、戦艦、航空母艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、水上機母艦、潜水母艦、敷設艦でした。そして、軍艦の艦首には
金色の菊花紋章が付いてました。
駆逐艦、潜水艦、掃海艇などは、広義の軍艦であっても
狭義の軍艦に該当しません。
1941年12月8日に太平洋戦争が始まりましたが、1942年4月末までの軍艦の沈没はありません。
1942年5月2日、水上機母艦「瑞穂」が米潜水艦ドラムの雷撃を受けて沈没。日本海軍の軍艦として、最初に沈没しました。
ディーゼル機関がなので、煙突はありません。ディーゼル機関の不調が解決した直後、撃沈されました。
1942年5月7日の珊瑚海海戦初日、航空母艦「祥鳳」が米空母機の空襲を受けて沈没。祥鳳は潜水母艦「剣埼」を改造した軽空母である。空母への改造が完了したのは、1941年12月20日である。
1942年5月11日、敷設艦「沖島」がラバウル出港後、
米潜水艦S-42の雷撃を受けて沈没。
1942年6月5日、ミッドウェー海戦で航空母艦「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の4隻が米空母機の空襲を受けて沈没。
1942年6月6日、ミッドウェー海戦で重巡洋艦「三隈」が同型艦最上と衝して損傷した後、米空母機の空襲を受けて沈没。
1942年8月10日、第一次ソロモン海戦の帰途、重巡洋
艦「加古」が米潜水艦S44の雷撃を受けて沈没。
1942年8月24日、第二次ソロモン海戦でガダルカナル 島空襲を担当した航空母艦「龍驤」が米空母機の空襲 を受けて沈没。
1942年10月11日、重巡洋艦「古鷹」がサボ島沖夜戦
で米水上部隊と交戦して沈没。
1942年10月25日、ガダルカナル島近海で軽巡洋艦
「由良」が米軍機の空襲を受けて、沈没。
1942年11月13日、第三次ソロモン海戦第一夜戦で損
傷した戦艦「比叡」が米軍機の空襲を受けて沈没。
1942年11月14日、重巡洋艦「衣笠」がガダルカナル
島砲撃後、米軍機の空襲を受けて沈没。
1942年11月15日、戦艦「霧島」が第三次ソロモン海
戦第二夜戦で戦艦サウスダコタ、ワシントンと交戦し
て沈没。
1943年7月12日、軽巡洋艦「神通」はコロンバンガラ
島沖夜戦で米水上部隊と交戦して沈没。
1943年7月22日、水上機母艦「日進」がショートラン
ド北水道で米軍機の空襲を受けて沈没。
1943年11月2日、軽巡洋艦「川内」がブーゲンビル
島沖海戦において米水上部隊と交戦して沈没。
以上が1941年12月8日から1943年末までに撃沈された軍艦です。
下表から1944年から終戦までに撃沈された軍艦が多い
ことが分かります。
保有数 | 喪失 | 喪失 | 残存 | |
1943末 | 1944〜 | |||
戦艦 | 12 | 2 | 9 | 1 |
航空母艦 | 25 | 6 | 15 | 4 |
重巡洋艦 | 18 | 4 | 12 | 2 |
軽巡洋艦 | 25 | 4 | 18 | 3 |
水上機母艦 | 3 註1 | 2 | 1 | 0 |
潜水母艦 | 3 註2 | 0 | 1 | 2 |
敷設艦 | 11 | 1 | 7 | 3 |
註1 千歳と千代田が航空母艦に改造されたが、艦名の
変更は無かった。不足分は特設水上機母艦7隻で補う。
註2 大鯨は航空母艦「龍鳳」、剣埼は航空母艦「祥鳳」
に改造された。不足分は特設潜水母艦7隻で補う。
戦艦の残存 長門
航空母艦の残存 鳳翔、龍鳳、葛城、隼鷹
重巡洋艦の残存 妙高、高雄
軽巡洋艦の残存 北上、鹿島、酒匂
水上機母艦の残存 なし
潜水母艦の残存 長鯨、駒橋
敷設艦の残存 若鷹、常磐、箕面