2023年10月30日 第2回公判

検察側は押収した渡辺宏被告が録音した犯行時の25分

の音声データを公開しました。

被告は母親の死後72時間は蘇生する可能性があると、

主張し、断られた直後に鈴木医師と理学療法士に散弾

銃を発砲したことが分かります。

また、立てこもった時の被告と人質解放交渉をした捜

査員のやり取りの音声も公開されました。

被告は「どうせ死ぬなら今まで許せなかったやつらを

道連れにしようと思う」と言っています。

初公判で、被告は殺意が無かったと述べましたが、道

連れにするは殺意があったと思います。


11月1日 第3回公判

11月2日 第4回公判

第5回公判

第6回公判


11月13日 第7回公判

11月14日 第8回公判

11月15日 第9回公判 被告人質問

11月16日 第10回公判 被告人質問


被害者側の証人尋問で、看護師は「銃身が撃たれた鈴

木医師の胸部に向けられていた」と証言し、被告の膝

を狙ったという供述を否定しました。

被告の母親の弔問に行ったのは、死亡した鈴木医師、

看護師2人、理学療養士2人、医療相談員2人の計7

人です。被告が弾を込めた散弾銃を用意しているとは

思わなかったと述べました。



この裁判に関心を持った理由は、在宅医療を崩壊させ

かねない事件だからです。裁判員裁判です。


◼️事件の概要

2022年1月27日21時ころ、渡辺宏(66才)は、前

日92才で病死した母親の診療や介護を担当していた

在宅医療関係者7人を自宅に呼び出し、母親の心肺

蘇生を要求した。

断られると、渡辺宏は散弾銃を発砲して鈴木純一医師

(44才)を殺害し、理学療法士(41才)に重傷を負

わせた。また、催涙スプレーを噴射し、医療相談員

(32才)に軽傷を負わせた。

その後、渡辺は、鈴木医師らを人質に翌朝まで自宅に

立てこもり、8時すぎに強行突入した警視庁特殊部隊

に逮捕された。

逮捕後、渡辺は「母が死んで自殺しようと思った時に

先生やクリニックの人を(自殺の道連れに)殺そうと

考えた」と供述しました。

さいたま地検は、同年3月3日から3カ月間、鑑定留置

をしました。

その結果、刑事責任能力があるとし、7月にさいたま

地裁に起訴しました。

それから初公判まで1年以上かかったのは、公判前

整理手続があったと思われます。


◼️裁判員裁判 さいたま地裁

2023年10月26日に初公判がありました。

渡辺宏被告は、殺人、殺人未遂、銃刀法違反等で起訴

されています。

罪状認否で「撃ったことは間違いないが、殺すつもり

はなかった」と、取り調べ段階の供述を翻しました。

起訴状では「母親の治療方針に不満かあり、その死を

きっかけに医師らを逆恨みし、犯行に及んだ」とされ

ています。

散弾銃を発砲しているのに殺すつもりは無かったに

呆れてしまいます。

初公判を含めて14回の公判が予定されています。

14回目の12月12日に判決が言い渡されます。



立てこもり事件の現場見取り図