2023年10月25日、甲府市放火殺人事件の初公判が、

甲府地裁でありました。


◼️事件の概要

20211012日午前330分に井上盛司宅に侵入

遠藤裕喜(当時19才)は、盛司さん(55才)と

妻の章恵さん(50才)を刃物で殺害した。

また、次女(中3)を鈍器で殴って負傷させた。

そして、350分に灯油を撒いて放火した。

このため、井上宅は全焼した。

2階に逃げた次女と長女は、ベランダから脱出し

て火事から逃れることがでした。

遠藤は、同日の夕方、「人を殺してしまった」と

警察に出頭した。


遠藤は犯行時、長女と顔を合わせてなかったので

姉妹は泥棒に入られたと思ったが、長女が通う山

梨県立中央高校定時制の生徒会長(1年先輩)で

あることが判明した。


遠藤と長女が中央高校定時制に入学した理由は、

中学時代に不登校だったからである。


生徒会長の遠藤は、役員となった長女に片想いを

して、ティファニーなどのブランド品を勝手に自

宅に送りつけたり、しつこくLINEをした。

しかし、長女がLINEをブロックしたことから逆

恨みをするようになった。


遠藤は「思い通りにならないので侵入しようと思

った。見つかれば家族全員を殺すつもりだった」

と供述している。


◼️逮捕から初公判まで

甲府地検は202112月から鑑定留置をして、翌年

3月に甲府家裁に送致した。

4月5日、甲府家裁は「刑事処分が相当」と逆送

した。

逆送した理由は「準備も計画的で犯行は極めて残

虐にもかかわらず、後悔の念や反省の態度が見ら

れない」でした。

202248日、甲府地検は遠藤裕喜を甲府地裁

に起訴しました。

起訴されるまで、遠藤被告は犯行当時19才だった

ので、名前は伏せられていました。


◼️裁判員裁判(甲府地裁)

起訴から初公判まで、1年半かかったのは、公判前

整理手続によると思われる。


20231025日 初公判

裁判長に起訴内容について問われた遠藤裕喜被告

は何も答えませんでした。(黙秘)

弁護側は「事件当時、被告は心神耗弱状態にあっ

た」と主張しましたが、

検察側は「事前に凶器にナタを購入していた等、

計画性があり、責任能力はあった」と反論しまし

た。

10月26日 第2回公判

司法解剖の結果、殺害された夫婦に各10カ所以上

の刺し傷があった。

証人尋問で捜査を指揮した警察官が「長女が被告

から告白されて困っている」という情報なから被

告が犯人として浮上した経緯を説明した。

10月27日 第3回公判

犯行に使用された道具(凶器)について証拠調べ

をした。


12月末までに初公判を含めて26回の公判


20241月 判決


心神喪失なら無罪になりますが、弁護側は心神

耗弱と主張しているので、有罪になることは確

実です。

そうなると、量刑が争点になりそうです。


それにしても、片想いのストーカー男に両親を

殺され、自宅を放火でなくした姉妹が気の毒か

つ可哀想です。

後悔の念や反省が見られなく、黙秘するなら、

個人的には無期懲役にして欲しいです。


 


  放火された殺人現場