◼️事件の概要

2023年3月9日11:45〜12:30に鳥栖市の自宅において、

長男A(犯行当時、九州大学工学部1年、19才)が、ナイフで両親(父51才、母46才)を刺殺し、逃亡した。

17:30に帰宅した高校生の長女(Aの妹)が、殺害された両親を見つけて、警察に通報した。

22:48、山口県長門市のコンビニ駐車場で、Aは緊急逮捕された。


◼️裁判

裁判員裁判であるが、佐賀地裁の判断で、被告の氏名等は匿名で行われることになった。

9月1日 初公判(罪状認否)

9月4日 弁護側の被告人質問

9月5日 裁判員、裁判官の被告人質問

9月7日 検察側は懲役28年を求刑、弁護側は家庭裁判所移送を求めた。

9月15日 判決、懲役24年。

9月25日 控訴


◼️長男Aの学力

殺された父親が、長男Aの成績など、教育に厳しかったことは犯行の原因の一つである。報道では「教育虐待」という言葉も使われた。

成績が悪かった時に正座させて長時間の叱責をしたことは、やりすぎであり、感心しない。

出てしまった結果は、変わらないからです。

理想的には成績が向上するアドバイスをすることだが、

教育者(教師)でない父親がすることは困難である。

父親の学歴が分かると、もう少し言えることもあると思うが、報道では分からなかった。

大卒かもしれないが、旧帝大でなく、長男Aに期待したように思います。

自身で運送会社を立ち上げた苦労人(叩き上げ)から見ると、恵まれた環境にいるのに何だ、という感情があったと想像します。

長男Aは九州大学工学部に現役で合格しました。

彼なりに精一杯の努力をしたと思います。

下表に示したように九州大学工学部は学科によって偏差値がバラつきます。

事件が起きた鳥栖市は佐賀県です。

佐賀大理工学部は、九州大学の理学部や工学部に比べると、偏差値は45.0〜52.5と低いです。


長男Aはギリギリで九州大学に合格したと思います。

犯行時には、Aの1年前期と後期の成績が出ていたと思います。

九州大学入学後も父親の叱責を受けたのは、1年次の成績が悪かったからです。


ある意味、Aの自己責任です。

今の大学は、成績不良だと、教務課から成績表が学費納付者(たいてい場合は父親)に郵送されて来ます。

親に内緒とはいきません。


ギリギリ合格で余力がないなら、九州大学でなく、地元の佐賀大学の方が良かったと思います。

大学で学ぶ線形代数や解析学の試験問題の難易度は、偏差値が高い大学と低い大学で、かなり違うからです。

高校の同期生は、九州大学よりも多いので、仲間と楽しい学生生活ができたと思います。



九州大学と佐賀大学の比較

大学

学部

偏差値

九州大学

医学部医学科

67.5以上


理学部

55.065.0


工学部

55.065.0


芸術工学部 註

55.060.0

佐賀大学

医学部医学科

62.5以上


理工学部

45.052.5

註 芸術工学部は旧九州芸術工科大学が

九州大学に吸収合併されたものです。