受験者が多い国家公務員試験、国家資格試験、入学試験では、多肢択一問題が出題されます。

解答用紙にマークシートが使え、機械で読み取らせて採点するので、採点ミスがなく、短時間で採点でき、

採点員も不要だからです。

多肢択一問題で、現在、最もポピュラーなのは、四肢択一問題です。

昔は、五肢択一問題が最もポピュラーでした。


択一問題は、1問ごとに正解が一つで、他の選択肢は誤答になります。

建設省(現在の国土交通省)の附属研究所勤務の頃、

国家公務員試験建築職の問題作成員や一級建築士試験学科試験の問題作成員をしました。

大学教員になってからは、入試問題作成委員をしましたが、大学が行う個別学力試験問題は、択一問題では

ありません。私は、建築法規という科目も担当してました。建築法規は、一級建築士試験の学科試験の科目の一つで択一問題なので、大学の建築法規の試験問題は、択一問題にしました。

当初は、五肢択一でしたが、一級建築士試験の建築法規問題が四肢択一に変更後は、私が担当の建築法規試験も四肢択一にしました。

問題作成者の立場で言えば、四肢択一の方が楽です。

例えば、「外側上向きに取り付ける」が正解だとします。この場合、誤答は「外側下向き」「内側上向き」

「内側下向き」にすれば、簡単です。五肢択一だと、

もう一つ誤答を作らなければなりません。苦し紛れに

「どこにも取り付けない」という誤答を作り、苦笑したこともあります。笑い🤣

四肢択一だと、ポイントを二つにすれば、2×2で、

問題が作りやすいです。前述の例では、ポイント1が

外側か内側かであり、ポイント2は上向きか下向きかになります。

受験者は選択肢を読み比べてポイントが分かれば、考えやすくなります。建築法規の試験は、建築関係法令集の持ち込み可です。その代わり、問題数に比べて解答時間が短いです。ポイントが分かれば、そこに絞って法令集をチェックできるので、解答時間を短縮して制限時間内に全問解答できます。


二肢択一、四肢択一、五肢択一を各々10問ランダムに解答した場合に全問正解できる確率は、以下のように

なります。

二肢択一 1,024分の1

四肢択一 1,048,576分の1

五肢択一 9,765,625分の1


二肢択一と四肢択一の正解数と確率については、

既投稿「択一問題の裏側を知ろう2」を参照して下さい。