政治資金規正法違反：小樽市職員パー券売買、前市長が常態化否定 ／北海道
毎日新聞 5月4日(水)11時31分配信
◇「関知していない」
４月の小樽市長選で初当選した中松義治市長（６４）の後援会パーティーを巡る事件で、半世紀にわたり市政に関与した山田勝麿前市長（７２）が３日、毎日新聞の取材に応じた。前市長は市職員による庁舎内での政治資金パーティー券の売買について「私は関知していない。職員時代にパーティー券を購入したかどうかは記憶がない」と説明し、売買の常態化を否定した。
山田前市長は１９６０年に入庁。総務部長、収入役を経て９９年の市長選で初当選し、先月退任するまで３期１２年間市長を務めた。職員間のパーティー券の売買に関しては「あったかどうかも分からないが、私は記憶にない」と述べ、市長在職中については「関知していない」と否定した。
今回逮捕された市総務部長、山崎範夫容疑者（５８）と市ＯＢの後援会事務局長、松川明充容疑者（６２）はいずれも元部下。「特別な関係があったようには見えなかった。しょっちゅういろんな（催し物などの）券を頼まれる。それと同じ感覚でやったのでは。違反だと思っていたらやらないはず」と述べた。
山田前市長に総務部長などで仕えた山田厚副市長（６１）も３日、取材に対し「山田（勝麿）さんの政治資金パーティーに参加したことはあるが、チケットは職員からは購入していない。自分が総務部長の時も（売買は）していない」と改めて疑惑を否定した。
中松新市長体制の発足から警察の家宅捜索を受け、幹部職員らが事情聴取を受ける事態を招いたことについては「（職員が）政治資金規正法について認識不足、勉強不足だった」と反省点を述べた。【坂井友子】
５月４日朝刊
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◇中松市長「違法行為ない」
小樽市長選を巡る政治資金規正法違反事件で市幹部らの逮捕から一夜明けた２日、市役所では初登庁した中松義治市長（６４）が直後から釈明会見に追われ、夕方には道警の家宅捜索が入るなど、新市政が波乱のスタートを切った。「何も違法行為をしていない」と関与をきっぱりと否定した中松市長。市政への信頼回復に向け、就任早々から正念場に立たされている。
中松市長はこの日、午前８時ごろにタクシーで市役所裏口に到着した。前日まで予定されていた正面玄関でのセレモニーは中止に。緊急部長会議に出席し、法令の順守と再発防止の徹底を指示した。
午前１１時から市長応接室で開いた会見。「就任会見とは別にしたい」との市側の意向で設定された。「私自身は何も違法行為をしていない。辞める気持ちは一切ない」。約１５分間にわたり潔白を強調し「多くの市民から負託を受け就任した。それにきちっと対応することが一番だ」と市政運営に意欲を示した。
中松市長の道義的責任を問う声もある。ある市議は「事実知らないのかもしれないが、政治的・道義的責任はある。けじめをつけないのは許せない」と憤る。市役所内では職員によるパーティー券売買のうわさが以前からあったという。
午後の就任会見で「市民１３万人と１７００人の職員の先頭に立ち、小樽の発展のために尽くしたい」と抱負を述べた中松市長は、午後４時から議事堂で約１２０人の職員に訓示。「法律を守る立場にある我々職員が違反したとして逮捕され、市民の信頼を損なったことは誠に残念。公務員としての自覚を持って職務に精励してもらうことを肝に銘じてもらいたい」と厳しい表情で語った。
慌ただしい一日が終わろうとした午後６時過ぎ、スーツ姿の道警の捜査員約３０人が市庁舎に入り、２階の総務部長室の捜索に着手した。段ボールを手に階段を上がっていく捜査員を、職員らは不安そうに見つめた。【坂井友子、小川祐希】
５月３日朝刊
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◇署が複数を聴取
小樽市の山田厚副市長は１日、４月２４日投開票の市長選で初当選した中松義治氏（６４）のパーティー券を、複数の市幹部が市役所内で販売し、小樽署から事情聴取を受けたと発表した。自治体の一般職員などの公務員が政治資金パーティー券の販売に関与することは政治資金規正法で禁じられており、市は分限懲戒審査委員会で詳しく調べて処分を検討する。
山田副市長によると、問題になっているのは、告示前の３月２２日に中松氏の後援会が市内のホテルで開いた「中松義治を励ます夕べ」の券。１枚３０００円で、約１２００人が出席した。市側は選挙後の４月２６日に同署から聴取を受けた部長の報告を受け、事態を把握した。販売したのは部長、次長、課長ら複数いるという。
副市長は「軽い気持ちで頼まれて売ったというような話を聞いている。市民におわびしたい」と謝罪。これまで市役所内で慣習でパーティー券の販売が行われていた可能性は否定した。
２日朝には中松市長の登庁式が予定されていたが、市長の意向などで中止になった。【坂井友子】
５月２日朝刊
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