いいホテルって、どんなホテル? | 学知にあらず~towel-monkey

いいホテルって、どんなホテル?

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この問いに答えるのは極めて難しい・・・。

誰か、教えて!!

 

では、好きなホテルはどうだい?

きっとそれぞれ、好きなホテル、あるんじゃない?

 

ま、でも、目的別、ジャンル別に違うと思うんだけど、今、話題にしたいのはラグジュアリーとか、観光メインのホテル。

 

自分の「好きなホテル」、いつも言葉でまとめておこうと思うのに、走り書きのメモで終わってしまう。そしてキオクの彼方に飛んでいく・・・、ダメですね。

 

今、弊社でも小さな宿泊施設をリノベしているし、お客様の旅館のリニューアルプロジェクトをプロデュースしているので、いいホテルとか、ダメなホテルとか、自分が行きたい好きなホテルとか、結構日常的に考えてる。ま、そもそもホテルが大好き。

 

以前から思っていることは、総合得点として75点狙いが多くてつまらないこと。でも、宿泊業は、無難に営業しようとすると、絶対にそうならざるを得ない事情があることもわかる。

 

本当に大変な業界だと思う。まずはクレーム排除。ここからスタートしなきゃ、つまりマイナスがないようにサービスを構成しなきゃ、頑張って1つのプラス要素をつくっても、たった1つの小さなマイナス要素で印象がガタ落ちだもんね。

 

清潔である、快適である、この2つをクリアしていなければ、何をやっても評価は上がらない。ホテルはここがゼロスタート地点で、この先にプラス点を稼がないといけない。当然のことのように思うけど、すごく大変なこと。

 

なぜなら、清潔や快適という絶対基準はないし、人によってとらえ方も様々。潔癖症の人は、他人の髪の毛1本を発見したら、もうアウトってこともあるし、いつも高級寝具に包まれて寝ている人が、自宅よりもグレードが低いものを使っていると思ったら、それもアウトかもしれない。

 

しかし、しかし、僕は思う。

清潔や快適は、ほどほどで良いと。

だって、この世の中、色んなもののグレードがあがっていて、ちゃんとした製品を使っていたり、普通の清掃係の人が頑張っていれば、そんなに問題ないと思う。ここは75点で大丈夫。

 

それよりも、ホテル側が「冒険」してほしい・・・。

 

冒険??

 

そう、冒険。

 

例えば、舌を噛みそうな、普段使わない言い回しで、サービスを説明する客室担当とか、お客様は神様ですみたいな態度で接客態度を変えないマネージャークラスの人とか。

 

目の前に「人」が居るのに、ホテル側は、いつもの「マイナスがない接客」をしようと必死である。人との距離感や相手の温度感、旅慣れた人か、はじめのドキドキ体験なのか、お客さんは誰一人として同じ属性、同じ気持ちの人はいないはずです。

 

ちょっとお客さん側に、関心を寄せて、リズムとかスピードとか、温度や距離を感じてほしい。

冒険っていうのは、出過ぎたマネ、自己流の親切が失礼にあたってしまうかもしれないリスクを負ってみること。

でも、それも常識の範囲、程度の問題。

 

お客さんが「この人、一生懸命だな」と思ってくれれば問題なしだよ。僕の場合ね。

 

そう、努力しようとしているホテルが好きだーー!!

 

あと、WEBサイトは今や宣伝用につくるんじゃないと思ってる。ホテルのコンセプトをありのままにしっかりと伝え、ミスマッチが起こらないよう、お客さんが残念体験をしないよう、それらの予防ページ??みたいなイメージ。

 

都会の喧騒が好きな人もいれば、嫌いな人もいる。かつて、某ホテルが静かすぎて寝れない、という人に会ったことがある。

 

例えば「少人数でやっている宿なので、掃除が至らない点があればすみません、でも料理は絶対に後悔させない自信がある」とか。客はその情報を予め知っていれば、少々のことは目をつむってくれます。料理が満足すれば問題ない。

 

極端な例だけど、広島県伯方島の民宿「せと」さん。

この宿には、料理以外、何も求めない。料理にふとんがついてくる程度の捉え方。

でも、お値段はそこそこ。それでも全然満足です。

 

実は今回宿泊した「星のや東京」も基本は同じ・・・。いや、同じといっても随分と違いますよ、いいホテル。同じというのは、宿泊しないと利用できないここのレストラン「Nipponキュイジーヌ」と名付けた料理があまりにも美味しすぎて、部屋とか、接客とか、その他諸々のことはどうでも良いと思った。

 

これを味わうには、ここに宿泊しないといけない。随分と割高な料理と言ってしまえば、そうかもね。

 

まだまだ浅い自分。

でも、確実に何か掴んだ気がしている。

妻よ、今日もありがとう。ゲホゲホ・・・。