不思議な夢

多分、因島にある生家の、仏間だと思う。いや、多少の間取りの違いはあるけど、間違いなくそこだ。仏壇の正しい位置は、窓側から奥なのだけど、窓側になってた。季節は夏、ちょうどお盆の時期らしい。時間は遅い午後、ひとりぼっちで誰かの帰りを待っている。
仏壇の前には和室によくあるような、昭和レトロは正方形のちゃぶ台がある。その上には僕のスマホが置いてある。窓は開けっ放し、虫が入ってこないかと気にしている自分がいる。
今日はお盆かー、そういえば仏壇に手をあわせる機会も少ないなと思い、仏壇の前に座って、鐘を一回鳴らした。チーンと僕のほかに誰もいない家の中に響いた。
す、すると仏壇のなかに置いてある、花とか、おちょことか、位牌とか、なぜか小さなダルマとかが、小刻みに動き出した。おー、これは子どもの頃に一度体験したことがあると、嬉しくになって、今度は何度も鐘を鳴らしてみた。するとさらに、今度は踊り舞うように、置いてあるものたちがより激しく小刻みに動き出した。ご先祖様と共鳴したような気持ちで嬉しくなり、何度も何度も鐘を鳴らして、ナンマイダー、ナンマイダーと唱えた。
最後に小さいダルマがコトンと倒れて、ダルマの前に置いてあるさらに小さな「玉」に、ダルマがキスをした。ダルマは口がないので、それっぽい角度と場所に当てた、という感じだった。その様子を見て、「愛」という言葉が浮かび上がり、僕は感情が爆発し、オエオエと泣き始めた。
ある夏の生家であろう場所にある仏壇の前で、鐘を何度も鳴らし続け、ナンマイダーと叫びながらオエオエと泣いている僕がいる。あ、そうだ、この体験を友人でもある岩瀬の住職さんに教えようと、スマホを手に取ったが、あとにすることにした。
うる覚えなのだが、確か父ももう亡くなっている記憶があった。これは一昨年に亡くなった義父のイメージだったのか、実の父だったのかはわからない。
ひとしきり事を終えて、愛のイメージに包まれた満足感を得たあと、辺りがすでに暗くなっていることに気づき、急いで窓を閉めた。この夢のことを、目が覚めてすぐに妻に伝え、そして、内容を忘れまいと、こうやってブログに残すことにした。
きっと何かのお告げなんでしょう。
ご先祖様、どうもありがとう。