僕の好きな万華鏡
中を覗と模様が見えるよ。
 
ころころすると模様もころころ
 
ころころころころ
ころころ変わる。
 
ころころしてたら素敵な模様が出来たよ。
素敵って言葉は、
とっても。
とっても。
とーっても、
嬉しいな。
楽のしいな。
奇麗だなって、
思った時に使うんだって、前にママから教えてもらったよ。
あまりに素敵で、ママに見せようと思ったけれど、

万華鏡がころころしちゃって、素敵な模様はもう別の模様に変ってた。
この模様も奇麗だけど。
僕はあの素敵な模様をママに見せたくて、
もう一度、あの素敵な模様を作ろうと
 
ころころころころ
 
一生懸命
ころころころころ
 
何時までも
ころころころころ
 
儚い模様が
ころころころころ
似た形の模様は出来ても、
同じ模様は一つも出来ない。
 
ころころころころ
 
無限に続くの時間の中で、
一瞬だけ現れる、
ただ一つだけの模様
一日中ころころしたけれど、
あの素敵な模様を、二度と見る事は無かったよ。
とっても残念だけれども
あの、素敵な模様は、僕の心の中に
残ってる。
僕だけが、知っている
 
『たった一つの素敵すてきな世界(もよう)

宿題しよう。やっぱやめた。
テレビを見よう。やっぱやめた。
ゲームをやろう。やっぱやめた。
 
僕の心はころころ変るよ。
ころころころころ
何をやってもすぐ飽て。
ころころころころ
でも、
ころころ変るのは僕だけじゃないよ?
パパもころころ変るよ。
友達だって学校の先生だってころころ変わるよ。
みんな、ころころ
ころころころころ
 
心ところころ何だか似てるね
ころころころころころころ心
心ころころころころ心
みんなの心はころころころころ
ころころ変るよ変るよ心
 
全てはころころ
ころころころころ
ころころころころ
ころころころころ。
 
みんな、ころころするのは良くないよって言うんだけど。
ころころするのは
いけないことかな?
でも……
僕は、大好なママから貰った万華鏡を覗く事だけは
ころころ変えない。
だから僕は何時までも……
 
ころころころころ
 
ころころころころ
 
ころころころころ
 
ころころころころ――

 

……――

 


また素敵な模様が出来た。
今度は崩無い様にママに見せたいな。
夜まで万華鏡は時を止めた様に、大切に置いておくんだ。
お星様から見えるように。