8.全てを冷静に思い返す(1)

 

怒りや恨みなど、人間の感情が判断を誤らせる事は往々にしてある。現在の我が国の離婚後の単独親権そのものが問題と言うより、それを悪用するのが問題なのだ。離婚後の単独親権が共同親権と法改正されたところでブラック弁護士・木村真実のような人権派標榜弁護士が暗躍すれば親子断絶という問題は必ず起こる。離婚後も共同親権となれば「子どもに会えるようになる」と言うのは申し訳ないが幻想、それこそ今会えていない親の妄想に過ぎない。端的に言えば、現在でも法的な離婚成立前は共同親権でも、ブラック弁護士・木村真実らの悪党どもは「法の抜け穴」を通って必ずやってくるのだ。

 

私が残すべきなのは「事実」なのだ。

 

そして真実の抹殺。「真実の抹殺」という日本語だけ見ると、まさに言論封殺、暗黒社会に見えようが「正しい事の封殺」と言う意味で「真実(しんじつ)の抹殺」ではない。ブラック弁護士・木村真実、漢字面では同じだが「真実(まさみ)」であるらしい。言葉遊びではないのだ。このように文字だけでなく不当な手段で子どもを奪われる。そんな世の中であってはならないのだ。現行の法運用の中で子どもを奪う「敵」を轟沈しなければならないが、いくら言論の自由とは言え、辛辣な非難は良くない。そんな事は百も承知している。私は怒りや恨みと言った単純な理由で過激に書いているのではない。

 

いやむしろ子どもとの関わりを相手方が重視し、冷静に対処するなら相手方を攻撃する必要もない。

 

必要がないと言うより、(元)夫婦間の諍いで片方の親を否定する事は子どもたちの否定と同義だ。子どもは私の全てであり、分身なのだ。離婚とは相手方(夫婦、異性間)の別離であり、子どもとの別離とは全く関係のないものだ。離婚理由はお互い様でもあるが、今さら離婚理由を争っているつもりなどどこにもないの。むしろ離婚に関してはこれまで相手方が子どもを誘拐した後に生じた事件を散々に利用し、嘘に嘘に嘘を塗り重ねてきたように、全て私が悪いとされても、子どもと会えるのならばそれでいい。私のメンツなどどうでもいいのだ。しかしながら、離婚理由と子どもに会えない理由のどこが同じでいいのか。相手方への非難が目的ではない。相手への気持ちが離れたからと言って子どもへの気持ちが切れる事はない。それに当たり前の事だが、子どもが誕生すると言う事はそれなりの行為があったと言う事だ。当時は、騙されていたとはいえ、相手方に好意をもっていたから受け入れたのは紛れもなく事実だ。表面的とはいえ「社会性」というのは私の子にも受け継がれていて欲しいとさえ思う。私自身社会性に欠ける部分があるのは間違いのない事だからだ。どんな親だって、自分の子どもは勉強が出来ないより出来た方がいいと思っている。ただ、当たり前の事だがどんなに頭が良かろうと、それを木村「真実」や後に登場する谷口朋子のような自称人権派が行ったような「悪事」に使ってはならない。それだけの事だ。

 

ヘンな話だが、相手方は私のどこに魅力を感じたのか。当時はまだ若かったから、それだけだ、というのは今となれば分かる。正直なところ、女グセの悪い相手方の性欲の捌け口で利用されていたのだろう。事実、子育てで疲れて拒んだ日には「お前がいる意味がない」とさえ言われたことがある。これはある意味、岩手特有の女性観なのかどうかは分からない。しかしながら、子どもが誕生したという事実は変わらないのだ。

 

私と相手方が出会ったのは2004年(平成16年)の12月。最初の子どもが誕生する6年も前だ。私は大学卒業2年目。一浪しているので誕生日を迎えて25歳になる時期になっていた。この年に私は母を亡くしている。空虚感というか当然寂しさはあるし将来の事についても漠然とだが、どうしようかと真剣に考えていた時期でもある。

 

当時の相手方、自身で防災設備の設置や点検を行う会社を経営していると言う。これは後から知った事だが、出会う3年ほど前に新宿の歌舞伎町で今なお歴史に残るほどの大惨事となる火災事故が発生し、法改正の結果、より小規模なビルなどでも防災設備の設置や点検義務が課せられた、いわゆる「自火報バブル」とも言われる時期でもあり、ビックリするほど羽振りが良かったのだ。別に相手方のお金が好きになったと言う話ではないが、やはり時流に乗ったにせよそのチャンスを生かせると言うのは学生時代に留学の夢も叶わなかった貧乏出の私にとっては本当に魅力的に思えた。

 

しかし、私自身何も分かっていなかった。相手方は自分には家庭があることを隠していた。私は相手方にとってはただの浮気相手だったのだ。いや悲しいと言うか今はどうでもいいが「性の捌け口」に過ぎなかったのだ。私は男性ではないので男性の性欲のメカニズムなどは分からないが、よく聞く話で男性が浮気をするのは妻の妊娠中と出産後と言う。理由は至って簡単で性交渉が途絶えるからだ。夫が外で女を作らないように性交渉には応じるべきだと言うような事も聞いた事はあるし、出来る人もいるだろう。相手方の前妻がどうだったか迄は知る由もないが、私には妊娠や出産直後には出来なかったというだけだ。単に性欲というか性衝動、単に性交渉だけでなく相手(パートナー)への支配欲と言うのも当然あるだろうし、性交渉は異性間に於けるマストのコミュニケーションツールでもある。しかし性交渉のお相手をする事で支配されようとは思わない。不特定多数の相手に対して出来ると言うか早い話、相手方が好き好んでいた売春と言うのは違法であろうが存在するのであるし近年良く耳にするパパ活なんて言うのも同じであろう。別にそういう人を非難するわけでもないし、事情なんてそれぞれだ。ただ私は何らかの対価と引き換えに性交渉はしたくないと言うだけだ。

 

性交渉には当然責任が伴う。言うまでもなく妊娠だ。妊娠が可能なのは女性だけであるが、当然に男性も責任を負わなければならない。我が国のと言うか、おそらく先進諸国ならどこでもだろうが法を厳格に解釈するのならば性交渉をしてもいいのは夫婦だけと言う事になる。しかし(法的な)夫婦でなくとも異性間で性交渉があれば子どもは誕生するのだ。

 

そしてその子には何の罪もない。

 

私には今子どもに会えない事の他に私の心の中にある悲しい出来事がある。実は私は2回の中絶を経験している。最初は相手方ではない。妊娠が分かった途端に連絡も取れなくなり、私は失意の中で中絶を余儀なくされた。大学生と言う事もあったし、その相手も逃げてしまうようでは子どもの養育は無理。もちろん妊娠した子に何の罪もないが当時の私には中絶以外の余地がなかった。愛情に飢えていた私は誰にも相談できなかった。

 

そして2回目の中絶の相手は相手方だ。人に拠るだろうが自身の中絶といった出来事を後のパートナーに告げる事はないのかも知れない。ただ、私は同じような悲しみを繰り返したくない、その思いで相手方には伝えた。性交渉があると言う事は子どもが出来るかも知れないと言う事だ。私としては相手方にその覚悟なしに受け入れないつもりで伝えたのだが、どうやらそうではなかったのだ。当時は前婚家庭があったことすら知らず、まして離婚も成立しておらず、時期は前後するが様々な出来事があったのだ。要は私は浮気相手、それでも私は本気だった。(前)妻にしても子どももいるし全ての将来がかかってくる。後に様々な出来事というか、ハッキリ言って修羅場だ。普通に考えれば分かるが、こんなものは円満に話し合って解決できると言うものではない。

 

当時の私の住居に(前)妻と、相手方次兄の再婚相手・豊美が乗り込んできたことがある。2人は仲の良い友人と言う事だし、小山田一族の関係者でもあるから相手方にしてみれば他人と言うのは「私の事」だ。乗り込んできた時刻は午前2時過ぎで、終電時刻も過ぎ、始発にも時間がある。当時としてはどうしてこんな非常識な時刻にとは思うが、よくよく考えれば2人の計略だと分かる。円満な話し合いが無理だと分かれば「へし折る」「ぶち壊す」と言うのが常套手段となる。常識外の時刻に乗り込めば当然にトラブルだ。そして私と相手方が諍いとなり破局すれば、穿った見方だが(前)妻にしてみれば手っ取り早い。ただ私とすれば相手方は(前)妻の事を好きではなく、本当に愛しているのは私なのだと言う「しみったれた」言葉を心底から信じていた。中絶と言う悲しい出来事を一度経験していながら無防備に受け入れた私も悪いのかもしれない。でもこの人(相手方)とならやって行けるそう信じていたのだ。そして相手方の子を妊娠。まだ相手方の離婚はその時には成立しておらず、戸惑いもなかったワケではないが、相手方も「(前)妻の事は愛していない」「(前妻との)子どもはいらない、捨てる」「好きなのはキミだけ」「キミとの子どもが欲しい」そう言ってきたのだ。

 

しかし前の男と同じように相手方は逃げた。

 

中絶には時期がある。法的に可能なのは22週目までとされるが、12週目を超えると母体にも負担が大きく、手術が可能な設備も医師も限られる。また将来的な妊娠や出産に支障なく、安全に中絶するには4~5週目、遅くとも6~7週目までにと言われているのだ。女性が妊娠に気付くのは概ね月経の遅れだ。もちろん個人差というか殆ど決まった周期で確実にと言うのもあれば、数日のズレはよくあるとも言う。無理なダイエットなどで無月経になったりと言う話も聞くし、女性の体は極めてデリケートなのだ。私の場合は普通と言うか、ごく標準的な月経周期だと思うので気付くのは早くても4週目以降となる。子どもを待ち望む夫婦が妊活で行為後1~2週で気付いたと言うか妊娠検査薬、尿検査などで分かったという事はあるらしいが、言うまでもなく妊娠とは受精卵が子宮に着床し胎児として成長する事を言う。実際は月経の遅れで検査をして陽性(妊娠)反応が出ても、いわゆる胎児が成長していないいわゆるケミカル流産や化学流産と言われる状況もあり得るので、妊娠の確実な診断は産婦人科での超音波検査に於いて胎嚢や心拍が確認される事で行われる。つまり妊娠が確実になった時はもう時間がないのだ。男性からするとパートナーから妊娠の事実を告げられない以上、妊娠を知ることは難しい。ただ妊娠が分かってまで逃げられるのは、それが戸惑いなどで数日でも女性にとっては耐えがたい時間なのだ。相手方との子を妊娠した時は相手方の前婚家庭の離婚が成立していなかったのだから、障壁がある事は理解しよう。子どもが婚外子となるわけだ。それでも男として父親としてこれから生まれてくるはずの生命に「責任を持つ」のか、その覚悟があるのか。そこで逃げられるほどつらいことはない。女性にとっては時間の猶予などないのである。悲しみとなって失われた生命はどうする事も出来ないが、もし相手方が私の妊娠に向き合い、もし「まだ離婚が成立していないから」でも何でもいいから、2人で合意して中絶と言うならまだ気も紛れよう。そうではないのだ。私一人で決断しなければならなかったのだ。

 

私は相手方に対して中絶の事を何度も責めた。取り返しの出来ない事だから、その後に何度も責めるのは良くないのかも知れない。ただ責めた。そういう時に決まって相手方は「どうしてオレの事ばかり言うのか」、「俺の前にも中絶したんだろ」と開き直る。

 

私にとって女にとって身に宿った命を失うのはどれだけの事なのか。どっちが悲しいとかそう言うものではない。どちらも耐えきれないほどに悲しいのだ。だからこそ私は相手方に最初の中絶の事実を告げた。同じ思いはもうしたくない。しかし相手方としてみれば、前に他の男との子を中絶しているのだから、まだマシとぐらいに考えていたのだろう。こればかりは(以前の中絶と)どっちが悲しかったと言うことはないと書いたが、悔しさが倍加され今なお心に圧し掛かる。

 

以前、相手方の前妻の父まで登場した時に、「アイツ(相手方)は散々助けてやったのに仕方のないヤツだ」と言う事を聞かされた。散々助けたが何を意味するか分からないが、若くして事業を立ち上げた時の資金であったり、前に「別の女」とトラブルになった時の尻拭いでもしたのだろう。(前)妻も「お父さん(相手方)は前にも同じような事(浮気)」とも言っていたからこれが相手方の性癖なのだろう。

 

言ってしまえば、相手方と私は婚姻する前から既に修羅場を迎えていたのだ。相手方にとってみれば、私が面倒な女なので性交渉のお相手として「いらなく」なったのだ。私もこれで済んだ事にしておけば良かったのかもしれない。