はい。こんにちは。今日は前回の続きです。今日はかなり量が多いです。全て覚えれば早慶にも受かるほどです。頑張りましょう。

☆  臨済僧の来日

・蘭渓道隆は南宋の僧で、北条時頼の帰依(神仏を信じて、それによりすがること)を受けて鎌倉に建長寺を開く。

・無学祖元は南宋の僧で、北条時宗の帰依を受けて鎌倉に円覚寺を開く。

・一山一寧は元の僧で、建長寺の住持(寺の主僧をつとめること)になり、五山文学の基礎(室町文化)を築く。

☆  学問と思想

◯  宋学

・宋学は、宋の時に発達した儒学。朱熹(しゅき)が大成。中巌円月らの留学により伝来。


◯ 有職故実

・有職故実(ゆうそくこじつ)とは、公家社会の儀式を研究する学問のこと。順徳天皇の『禁秘抄』と、後鳥羽上皇の『世俗浅深秘抄』が大切。

◯ 古典注釈  
・古典作品の解釈などを研究する学問。仙覚の『万葉集註釈』、卜部兼方の『釈日本紀』、源光行と源親行(みなもとの  ちかゆき)の『水原抄』など。


◯ 神道

・度会家行が本地垂迹説に反抗して、仏は神の仮の姿で、実際は神と唱えた神本仏迹説(反本地垂迹説)を唱えた。
度会家行は『類聚神祇本源』を書いた。

◯ 金沢文庫

北条(金沢)実時が武蔵国金沢称名寺に建てた私設図書館。称名寺は金沢北条氏の菩提寺(先祖代々が眠っていて、法事などを行う寺。檀那寺)

◯ 歴史書

・『愚管抄』は、慈円が書いた道理と末法思想に基づいて書かれた日本初の歴史哲学書。この本は承久の乱を起こそうとした後鳥羽上皇を止める為に書かれた。

・『元亨釈書』は、仏教伝来からを書いた日本初の仏教史書。著者は虎関師錬。

・『吾妻鏡』は、編年体で記された鎌倉幕府の記録書。

・『水鏡』は、中山忠親が編年体で書いた歴史書。

・『百錬抄』は、編年体で記されている。京都の公家の日記などを編集した作品で武家社会のことは書かれていない。

☆  文学 

◯  和歌

・勅撰和歌集の『新古今和歌集』は、藤原定家・藤原家隆らが後鳥羽上皇の命を受けて撰集。
八代集の最後。
↑八代集。

私家集の『山家集』は、元北面の武士の佐藤義清(さとう  のりきよ)で出家して西行と名乗った僧の私家集。

私家集の『金槐和歌集』は、鎌倉幕府3代将軍の源実朝の私家集。

◯  紀行文

・紀行文とは、旅行の感想などを書き記した文のこと。東海道を通じて京都と鎌倉を行き来する人が増えた為にこのジャンルの作品が生まれた。

・ 『海道記』と『東関紀行』と阿仏尼の書いた『十六夜日記』は中世三大紀行文と呼ばれる。

◯  説話集

・『宇治拾遺物語』は、仏教説話や民話などが含まれていて、すっきりとした和文脈で当時の人間性などが書かれている。

・『古今著聞集』は、橘成季が書いた神祇や公事などに分かれて書かれていて当時の社会・風俗を伝える話が多い。

・『十訓抄』は、中国説話などの教訓的な説話を集めた説話集。

・『沙石集』は、無住が書いた庶民を仏道へ誘導する為に書かれた笑話などを含んだ作品。のちの落語に影響。

◯  随筆

・『方丈記』は、鴨長明が鎌倉前期に書いた。

・『徒然草』は、兼好法師が鎌倉後期に書いた。

◯  軍記物語

・『保元物語』は、保元の乱における源為朝の活躍を中心に書いた軍記物語。

・『平治物語』は、平治の乱とその後の敗者などを書いた軍記物語。

・『平家物語』は、琵琶法師の語り(平曲)によって伝えられた軍記物語。著者は信濃前司行長とされる。

・『源平盛衰記』は、源平合戦を詳しく書いた歴史書。文体の流麗さが少し欠けている。


続いては建築・美術・工芸について話します。

☆  建築

◯  大仏様(天竺様)  重源(ちょうげん)が宋から輸入した建築様式。力強さと変化に富む美しさを持つ。

代表作品  東大寺南大門→重源が陳和卿(ちんなけい)の協力を得て再建した。

↑東大寺南大門。

◯  禅宗様(唐様) 細かな材木を組み合わせている。窓が火灯窓(花頭窓)。

代表作品  円覚寺舎利殿、正福寺地蔵堂。

◯  和様  平安時代からの建築様式。

代表作品  後白河院が平清盛に造らせた蓮華王院本堂(三十三間堂)、石山寺多宝塔、秋篠寺本堂。 
↑石山寺多宝塔。


◯  折衷様(新和様)  和様+禅宗様。

代表作品  観心寺金堂。


☆  美術

□  彫刻  南都焼討から復興。慶派が中心。

◯  仏像彫刻  

東大寺南大門金剛力士像(運慶、快慶)、東大寺僧形八幡神像(快慶)、興福寺天灯鬼・竜灯鬼像(康弁)など。

◯  肖像彫刻

興福寺無著・世親像(運慶)、六波羅蜜寺空也上人像(康勝)、東大寺重源上人像、明月院(鎌倉)上杉重房像など。

□  絵画

◯  絵巻物

↑他には『北野天神絵巻物』がある

◯  似絵

似絵は、その人の肖像画を写実的に書くこと。その中でも禅宗の高僧の肖像画を頂相(ちんぞう)と言う。

藤原隆信・藤原信実親子が有名。

藤原隆信が『伝・源頼朝像』→足利直義像?、『伝・平重盛像』→足利尊氏像?を書いたが、本当は足利直義と足利尊氏ではないかと言われている。

藤原信実は『後鳥羽上皇像』を書いた。

□ 書道

尊円入道親王が和様+宋・元の技術の青蓮院流を創始した。尊円入道親王は『鷹巣帖』という天皇に奉るための習字の手本を書きました。


☆  工芸

◯ 武具
・明珍の甲冑、長光・藤四郎吉光・正宗の刀剣。


◯  陶器

加藤景正の瀬戸焼(愛知県)



以上です。