はい。こんにちは。今回は日本史Bで出てくる漢詩集について講義します。
まずは『懐風藻』です。『懐風藻』は現存する国内最古の漢詩集と言われています。現存する国内最古の和歌集である、『万葉集』と間違わないようにしてください。
作者は淡海三船が最有力です。また芸亭(うんてい)という私設図書館を開いた石上宅嗣とも言われています。
ちなみに芸亭の芸の字は++に云と書きます。
『懐風藻』での代表的な歌人は大津皇子や大友皇子(弘文天皇)です。
続いては勅撰漢詩集です。勅撰とは、天皇の命令で詩や歌を選び編纂することをいいます。
勅撰漢詩集は『凌雲集』、『文華秀麗集』、『経国集』の三つだけです。
『凌雲集』と『文華秀麗集』は嵯峨天皇の命令で編纂されました。『経国集』だけは淳和天皇の命令で編纂されました。
『凌雲集』の作者は小野岑守、菅原清公です。
『文華秀麗集』の作者は藤原冬嗣、菅原清公です。
『経国集』の作者は良岑安世、菅原清公です。
続いては私詩集です。
真言宗の開祖である空海の『性霊集』、昌泰の変で左遷された菅原道真の『菅家文草』、藤原公任の漢詩、漢文、和歌などを全て集めた『和漢朗詠集』、室町時代の臨済宗の僧、一休宗純の『狂雲集』などがあります。
↑嵯峨天皇が空海に与えた教王護国寺(東寺)
↑一休宗純です。
以上で講義は終わりです。文化史の作品を書くときは『』をつけてください。