はあ〜、忙しい忙しい!。
ファンタスマゴリアの式部の者達が総勢で事に当たっているが足りない様子。
式部とは人事、典礼などを司る部署で、今回の戦闘は報復では無くて儀式として執り行う事になっているので通常の戦闘とは違います。
なんなら上つ神の了解すら要らないレベルの儀式と一緒でございます。
「え〜らいこっちゃ、え〜らいこっちゃ!。」
アワアワとファンタスマゴリアの大廊下でオロオロしている大司命。
「大司命様、何して居られるの?。まごまごして無いで手伝って下さいっ!。」
ファンタスマゴリアの式部宮女達に一喝された大司命。
強くて偉い神様何だけど今回喚ばれ無かったのはみなの尊格を守護する為。
夕樹は全力を使うだろうから…。
困ったなぁ〜、困ったなぁ〜!。大司命。
「大司命様〜、どうしました?。」
ファンタスマゴリアの精霊の1人。
「内緒だよ、今此処には九天応元雷声普化天尊の尊格が無いんだ。どうにか人間界で彼の尊格の一筋でも欠片でも良い持ち帰って来れないか?。」
大司命
「う〜ん、巧く行かなくても僕のせいじゃないですからね〜!。やってみるよ〜!。」
精霊はそういうと現世に降りた。
カッカッカッ!。
コッ!。
バッターン!。
「此方(こなた)の愚か者を此処に!。」
最凶の戦神ホルスで降りた雷帝
ワタルの住処に荒々しく顕れ推参した神々はホルスの云う通りにする。
「だっ、誰だっ?。あっ、あんたはっ!。」
ワタルは鶏白湯屋のお兄さんだったホルスにびっくりした。
ワタルは連行されて膝まづかせられる。
両手を2人の副師団軍神に抑えられ、なんの術も使えない様に真空の檻に入れた。
「なあ、お兄さん。私は何もしないから助けてはくれないか?。私にはやる事があるんだ!。」
見苦しいワタルは真空に苦しみながら云う
ホロを窶れさせ見殺しにして置きながら未だそんな事を…。
せめてホロの死を悲しむのなら…。
「我に繋がる氏族。ホロを見殺しにした、お前にはなんの慈悲が要る?。」
ホルスは佩いていた剱の菊一文字で瞬速を出してワタルの首を斬る。
カチリ!。
ゴロッ。
首だけのワタル。
でもなにかしようと足掻く。
「終わりだ。」
ワタルの身体と頭に稲妻が落ちる。
ドドッ!、ドンッ!。
ワタルは何も成さぬまま、焦げて何も残らなかった…。
電動人形達は30人の餅吉が走らせたプログラムで既に支配下にあるのでその指示通りに動いている。
「他の人形達も全てコチラの指示に従え!。軍神達の補助を!。」
餅吉の指示で他にも居た人形達は能力を最低出力に抑えられ、ワタルの住処の封印の中にある、あらゆる呪い、術式、実験資料、研究資料、黒魔法の部屋を全部開きその内容を明示して軍神達に暴く。
餅吉は人形達が集めたその資料やパソコンからなにからワタルのした事の全てを手に入れる。
部屋を見渡すホルス。
コッコッコッ!。
ホロが使っていたトレーニングマシンとホロが見ていたプロジェクターを見る。
一瞥した後、ホルスは雷で消し去った。
此処にはもう居ないのだ…。
ホルス達とは別の場所。天狐とメグは元九尾狐族のほんの少しだけ残った者達を集める。
「健やかなる九尾狐族よ、英邁なる天狐よ!。我はその力に同期しよう!。向かい入れよ、天地(あまつち)の健やかで清らかな英気と生気を!。」
1000年妖狐のメグは自分が天地から吸い取った1000年分の生気、精力、妖気の全能力を10本のしっぽに乗せ、天狐と新しく生まれた健康な九尾狐族に渡す。
ビリビリビリ!。
シューン、シュ、ポンッ!。
普通の小狐になったメグ
「天狐、あとはよろしくね。」
幼いメグはそういうと自分の居た霊峰に魂を戻し、姿を丸くして天狐の肩に乗る。
けけ〜ん!。
メグは自分の力を全て明け渡して天狐の肩でちょこんとする。
「メグ…ありがとう。」
天狐は天賜界最高の神力持つ天狐へ戻る事が出来た。
メグの頭を撫でて神力でバリアーを張る。
ノグファホとノホジョンも九尾狐族に戻った。
プルリョウとサムドゥグミも天狐の一族へと代わる。
兄妹は真の姿に変幻が完成したのだ!。
新たな天狐の氏族に!。
「我、天狐族及び九尾狐族の真の力を今こそ顕せ!!。」
怪しい美しさの天狐とその氏族達。
直ぐさま地下神殿へ飛ぶ。
この地を裏で操る堕天した元九尾狐族達の眼前に降り立ち、剱を自身の眼前に突き刺す!。
その霊力の巨大さに大地がビリビリと音を立て地下神殿は総崩れとなる。
仁王立ちの天狐の勇ましさ!。
「おのれぇ、我らを裏切ったなぁ!。天狐様よ、そしてノホジョン、ノグファホよ!。」
堕天した元九尾狐族達は少ない妖力で抗う。
冷たい目線でそれらを見る天狐
「裏切ったは其方達じゃ。」
天狐
堕天した元九尾狐族達に天狐族達の本物の神力を落とす。
「お前達に容赦はしない。」
美しい天狐は云う。
韓国の妖狐だったサムドゥグミと韓国の妖狐プルリョウだった兄妹も天狐族になりその神力を遺憾無く発揮する。
「グダグダにしか動けないお前達はコレでも充実だ!。」
プルリョウはしっぽで辺り一面に育った地、精霊界の清い泉の水をこれでもかというくらいに流す
妹のサムドゥグミもそれを補う
け、けけ〜〜ん!。
建物や神殿にばら撒かれた清い水はゾンビを飲み込みながら溶かす
「此れがお前達のした証だ。」
天狐は自らに堕とされた時のバックラッシュを投げつけた!。
ぎゃーーーんっ!。
一鳴きだけ遺して堕天した九尾狐族達は焼失した。
天狐の本来の能力では勝ち目すら無かったのだ。
妾を侮り謀ったは、お前達だ!。
天狐はそういうと堕天した九尾狐族の居たその場所を消し去った。
綺麗さっぱりと跡形もなく無くなった。
暗がりに生きるもの達が居なくなったせいか、煌めく神地となり蝶や鳥が囀る地になった。
コレで韓の国の地下大地を護る下地が出来上がった。
天帝様、ホルス様。御恩をお返しします。
ノホジョンとノグファホは喜んだ。
「天狐様の地がお戻り成されたり!。」
「其方達のお陰だ、此処を住処とするといい。」
新たな神地は天狐族と健やかな九尾狐族とが仲良く暮らせる地になりました。
韓の国の地中深くは清められた。
場所は変わる。
白虎の率いる軍勢の居る場所。
桐生ワタルの研究所と開発室、実験室のある施設を神眼を使って辺りを見渡す。
生気が全く無い。
「此奴はいけねぇ。」
嫌な陰気が纏う空気に白虎は神力の風圧で悪い気を祓う。
多分、闖入者には直ぐに効く様なまじないなり結界なりを張っていたのでしょうね。
四聖獣の白虎達じゃあなきゃひとたまりもありません。
白虎は神力で、まだ研究所で実験されている神経麻痺ゼリーの敷き詰められ水槽のベッドに眠らされている人間達を救う。
誠はペク・クァンヒョンに変わり、生きて居る実験者達の健康診断や状態確認に大わらわ。
「麻痺は暫く残るだろうが君たちを救う為の努力を惜しまないと約束しよう。」
ペク・クァンヒョンは少しだけ話せる者たちへ笑顔で話し、約束した。
話せはするが活きる気力を抜かれた人達だった。
三神ハルモニの神力満ちる緋色の衣で被害者達を包み保護と療養の出来る施設へ移動させた。
人間界の戦争時の元最前線の医師達や老いた医師達が一生懸命にみなを救う事に尽力する。
「老いたとて人命を救いたい気持ちは変わりません。」
「例え片足、片腕であっても私を使って下さい!。」
片手や片足になっても救助し続けた者達の医師たる尊厳。
美しい者達だ。
白虎は救いし者達の守護神となる。
誠であるペク・クァンヒョンを護り、クァンヒョンは過去生より尚一層精力的に動く。
練馬の小豆研ぎのおばあちゃま宅から看護や救護の助っ人が当初の人数より到着した。
救護と救助、看護と介助の準備は出来上がって居た。
ワタルが自分勝手な研究に心血注いだ場所をみるみる使いこなし、救う場とする。
悲しいかな、ワタルの研究は人を生かすのにとても役に立った。
とても...。
ワタルの研究資料や実験資料は餅吉と福蔵がパソコンの膨大なデータログに残してあるので、その指示に従って治療や癒しを促進する処置を施す。
どれだけの日数が掛かるのかは不明だ。
でも誰も根を上げることなく進んで行くだろう。
また別な場所を見てみよう。
「おーい、吸血鬼や〜い。此処にいるのは解ってんだー、出て来いやっ!。」
ヤン・ジンの気の抜けたコーラの様な言葉にびっくりして、血液の元として捕え人質だった人間をゾロゾロと先に出す穢い吸血鬼族
「本当に穢いなぁ、やり方ってもんがあんだよ。」
ヤン・ジンは自分の手を剱で少し斬る
ぼとぼとぼと。
ヤン・ジンの神気溢れる血の匂いは芳ばし過ぎたのか血に吸い寄せられて力の弱い吸血鬼達が近付く。
だがその神気の香りこそが命取り。
自分の神気に吸血鬼の致死毒を混ぜていた!。
過去に吸血鬼とはずっとやり取りをして来た者のヤン・ジンにはお手の物。
香しい神気はみるみるうちに吸血鬼をシオシオのパーにする。
塩柱だけになる吸血鬼だった者。
きょえええええーーー!。
ヤン・ジンの神気に恐れをなして蝙蝠や毒虫に変化して逃れようとする吸血鬼族。
ドタバタとみっともない有様で、ひとつとして統制されていない。
ドリグラールの部下達の様に、吸血鬼で作った軍隊の様な組織化された吸血鬼族が生まれて来なかったせいなのかもしれない。
要は個々でしか無かった。
散れぢれの吸血鬼達。
「いよ〜っ、ほうっ!。」
精霊界英霊のアセナの一族である狼神族の1人、花乃が狼神の名乗りをあげて飛び出す!。
康楽と舞香も飛び出す!。
3態の巨大な白銀の狼神。
ヤン・ジンと連携して次々に吸血鬼族を食いちぎり神力で燃やし尽くす。
「おいおい、俺の分も取っといてくれや〜!。」
のんびりとした口調に行動が合わないヤン・ジンは剱で有無をいわせずにスイスイ斬り裂き消滅させる。
「ジン様だけ活躍では許せませんねぇ、私達にも、もう少し下さいな。」
舞香はズブズブと吸血鬼の脳みそに前足を入れ記憶を探る。
本土より渡り周りに小島のある場所が視える。
血液をストックする為の施設が視えた。
「本拠地は其処かっ!。先に行くっ!。」
舞香は先行する。
続く康楽と花乃もとても早かった。
なんならジンより早かった。
「困っちゃうなぁ〜。デートはもっと楽しくないと。」
ヤン・ジンは頭をかきながら剱でキリキリと斬っては捨て、直ぐに燃えるて消える吸血鬼。
「大哥、あとは我らに。アチラヘ行かれますので御座いましょう?。」
真雪が云う
「じゃ〜任せたぁ〜!。」
ヤン・ジンは元守護職の者達や元巫覡と元巫女達を救いに向かう。
「エリカ、手を!。」
ランがエリカ、ユグネル、ララと手を繋ぎインドの秘術術式を行う。
真雪は姫芽子と手を繋ぎ尊格の妙見菩薩と尊格のイシコドリヒメで新たに出現する。
その力で自分達の結界を張る。
「吸血鬼族は根絶やしに。」
ラン
「お待ちをっ!、尊き御方様方!。」
4人の人間達が現れる。
「何か?。」
冷たい口調のラン
「儂らをお助け下さった方々だけはどうかお情けを!。」
老人とその家族は手をすり合わせてラン達に祈る。
「ほう、そんな者が居るのか?。今まさに利用されているだけでは無いのか?。」
なおも冷たいラン
「儂らからの少ない血液で守護下さる吸血鬼族族のお方も居られるのです、利用するではなく、互いに手を取り合う方々です!。どうかっ、どうかご明察を!。」
老人はランの足元に縋る。
実は吸血鬼族の中にも異質な者が居た。
「私はこの闘いから降りる。お前達は自分達の愚かさの不始末をどうにかするといい。私は自らの命を神々へお預けする。元々人々との共存の為に傘下に入ったが、お前達の様な理不尽で心の無い者達とは私は理解出来ぬ。」
吸血鬼族の中にも人?の良い者は居て、人知れず人間を救い育て生活を助けたりしていた者が居た。
ほんの少数だが、彼等は人間に少しの血液を分けて貰い、それ以外では外敵から守護したり、人間達の農作業の手助けの為にだけ、その吸血鬼の能力を邁進していた者が居た。
強き信念を貫く吸血鬼も居たのだ。
ランや真雪の様な非吸血鬼族だった。
隠神刑部や堕天した元九尾狐族、その配下の者達とは相容れない者達。
もちろんバレない様に隠形を使って人間達を守護していた。
ランがついと目を向ける。
元吸血鬼の目を使う。
地中の棺の中で眠る複数の吸血鬼が居た。
その吸血鬼達は杭を自分の心臓に向けて眠っている。
「御方様方は、お許しを獲られ無ければそのまま足を踏み出せば良いとの仰せに御座います。ですがどうか、御方様方をお助け下さい!。何卒お慈悲を!。」
老人は懇願する
ランは普通に墓地へ歩いて行き、杭を自分に向けた棺の中の吸血鬼達を見つけた。
そのまま1人目の墓の杭を踏もうとしたラン。
それをとめたのは豆狸。
「ラン、ダメだよ。やり過ぎ注意!。」
豆狸はインビジブルを使い地中に潜る。
棺に眠る複数の吸血鬼に問い掛ける。
「おーい、おい。あんた達は良い吸血鬼?、それとも悪い吸血鬼?。」
単純明快な豆狸。
我らも元は血を吸う者だった。
だが、自分達だけでは生きていけない生物だと理解し、理解し合える人間と助け合う者としてこの棺に眠る。
赦されぬならそのまま足を踏み付けて消して下さい、真祖様方…。
「真祖?。私が、私達が?。」
ランとその一行はびっくりした。
「だってそうで御座いましょう?、もう何百年も生きて?居られると伺っております…。」
老人はオドオドしているが護るべき者を護る意思でガタガタしながらそこに踏みとどまっている。
「我らはそんなに歳を経て来たのか。」
ラン
「そうですよね、ラン様。ご老人、私達は真祖では御座いませんが力はあります。どうせなら吸血鬼としてではなくその者達の守護者にお成りあそばせ。」
エリカとユグネルとララの3人は歌う。
普通の子守唄。
昔昔のルーマニアの子守唄。
子守唄は超自然を超えた能力で吸血鬼達の癒えない渇きを癒した。
吸血鬼達は棺の中で小さくなる、大人から子供へ。子供から赤子へ。そして種なる卵胎生になった。
ランは手の平に焔を出す。
朱雀の狩野百合子の力を代行する。
吸血鬼族の血だけを燃やす。
過去にヤン・ジンが楊戩だった道士の頃にエリカとユグネル、ララの中に流れる狼人間の遺伝子を消してくれた技だ。
その子孫のヤン・ミンジェがその技を教えてくれていた。
「さあご老体、この種子をどうする?。」
豆狸
「我が子として育てて良いですかな?。」
老人は怖々云う
「我が子にゃ、ちと荷が勝ちすぎる、せめて孫にしときなよ。時間がとってもかかるからさっ。」
豆狸はそういうと種子に守護をつけた。
流石、朱里とよく一緒にいるだけあります。
豆狸もちゃんと能力が真に開花しました。インビジブルとかだけ出なく育む為の力、それは人を護り育む能力。
自然界の輝石や半貴石が大好きで石に惚れて惚れ抜いてる豆狸が知らずと授かったもの。
大地の英気が身体にずっと蓄積されて居たので神力もそれなりに満ちて居ました。
「赤子よ、子供よ。より良く生きて人々と助け合い、時に諍い合い、理解し合い人間らしく生きなさい。」
父性の塊の豆狸
「きゃー、豆狸チョーかっこいい〜!。」
マリリンが豆狸に飛び付く
吸血鬼族だった者は赤子になり老人とその家族の一員になりました。
ごく普通の人間に。
そうして吸血鬼族の生き残りが未だ世界に居る事になった。
でも本当に少数しかおらず、今回の企みにも全く関与して居ない者達なので夜の住人達はもう少し生きて居られそうです。
人間を害する者じゃ無かったらのお話しです。
別部隊へ目を向けましょう。
「こんな場所に人間を置いて居たのか?。」
到着した狼神族達は唖然とした。
神職の者、神事を司る音楽を奏でる者、地上の守護を賜る者達が小さくなって胎児の様な姿で巨大な工場の中に所狭しと保管されて居た。
人口子宮の中で眠る人達。
全員、力の出せぬ様に人口子宮の中には麻痺する薬で羊水を充満させてあった。
1人の手を取る花乃。
「脈もほんの少しだけだ、生きて居るのが奇跡なくらいだな。」
ヤン・ジンも到着して辺りに手を当てる
「ここ不味い結界ですよ、私達も此れ以上の動きが出来ません。数人は助けられますが何千人となると…。」
狼神族達は悔しそうに云う
「そんなの俺に助力すりゃ良い。」
ヤン・ジンは菊一文字に手を当てる
「菊一文字、この悪い縁を切り裂き、善い縁だけを残せ!!。」
ヤン・ジン
ヤン・ジンに柄を握られた儘、菊一文字は自らの力で宙に浮いた。
キュン!、キンッ!。
キュイン!!。
空中を舞い踊る菊一文字とヤン・ジン。
指でも触れたら真っ二つになるほど。
美しい剣舞を魅せるヤン・ジンと菊一文字。
狼神族達も声を挙げて力を増幅させる
ウオオオオオオッ!!。
うおーーーーーん!!。
広大な工場の中は神力と浄めの剣舞により空気の澄んだ状態になる
人口子宮を支えていた支柱群が燃え上がる
パチャッ!。
バシャッ!。
人口子宮は崩れて中に居た者達を排出した。
怪我をせぬ様に全員に保護するヤン・ジン
は様子を観察した
「此の儘では無理だな。白虎、この者達を!。」
ヤン・ジンが喚ぶ
キュイン!。
「待たせたなっ!。んっ?、なんだっ?、ここはっ?。」
白虎が驚くと共に鼻をつく匂いに腕で塞ぐ仕草をする
べちゃべちゃになっている数千人を神力で庇護してする
「クァンヒョン!、こっちにも手を回してくれっ!。レベル2だっ!!。」
白虎
シュン!。
「何を仕出かしてくれてんだ馬鹿者共っ!!。」
クァンヒョンは急護班を指揮して救命する。
医師達も到着して救命工場と化した。
「皆を御守り下さいませ、アセナ様よ、大口真神様よ!。」
狼神族達も身体を温める役割を果たしながら願う。
白虎は自分の毛を抜いて分身を数百人出した!。
コレで少しはマシか…。
ヤン・ジンはまた移動する。
血の工場とも云う人間達から血を吸い取る場所へ。
ギャリッ!!!。
ヤン・ジンの神力を弾く結界!。
「ダメだなぁ、俺とのデートは甘く優しくなくっちゃなぁ!。な、菊一文字!。」
菊一文字は解ったとばかりに超震度する
スラッ!!。
容易く結界を斬り裂いた菊一文字
「お前さんはほんとに凄い相棒だよ!。」
菊一文字を褒めるヤン・ジン
これまた工場内はハンガーに吊るされた人、人、人だらけ!。
人の入った真空パックが縦にも横にも並ぶ
「貴方。貴方だけではここは厳しいですよね?。」
リェンリェンも合流した
「悪かった。何かあってはと…。でもここも嫌な気だらけさ。」
ヤン・ジンはハンガー群を指す
「我、リェンリェン成るものにしてハトホルが命ずる!。命を活かし、閉ざされし命の道を流れ行く悠久の力を!!。」
リェンリェンは古代エジプトの女神ハトホルに変幻して降りる。
古(いにしえ)の魔法でハンガーに吊るされて居た真空パックから人間達を取り出し救う
「如何にクァンヒョンでも手が足りん。ヴィシュヴァルカルマン神!、使うぞ!!。」
ヤン・ジンは楊戩に戻る
天賜界神の軍神へと。
「ヤン・ジン、待たせた!。」
イ・スンシンも顕れる
「スンシン、我・楊戩が命ず!、その姿を守護する者へ!!。」
楊戩はイ・スンシンを変幻させた。
イ・スンシンだったのは狂乱の戦神セト。
普段はその姿では直ぐに暴れるので封じてあった。
天賜界神の許可無くは変幻出来ないロックを掛けてあった!。
「うおおおおお!!、力が戻る!!。楊戩、善いか?。」
セトが今にも噛みつきそうな感じで云う
「暴れ過ぎんな、やりすぎるとハトホルにまた封じて貰うぞ?。何千年でも。」
楊戩
「おおおお!!。」
セトは工場のまじないやワタルがした所業を全て砂に変える
怒号で建物だったものは全部砂と化し、その上にはハトホルが守護印を楊戩と一緒に掛けて居た
「うぺっ、ぺっ!。だからやりすぎんなってんの!。」
楊戩、砂まみれ
ハトホルはそれを水で洗い流す
「もう、セト。姉である私に砂まみれとは?。」
ハトホル怒りながら囚われて居た人間達の血を吸い取られた冷蔵倉庫から取り出してそれぞれに戻す
「ああ、済まなかった姉者。では、また眠る。願わくば我の力無くあれ。」
セトはイ・スンシンに戻りながら云う
「ほんと、お前さんの出番は作っちゃならねぇんだぁ〜。」
楊戩はハトホルの手を握って云う
所は変わり、隠神刑部の居る結界。
隠神刑部の血をひく者達とその配下の研究者達。
「急げ、我らの血筋を絶やしてはならぬ!。」
隠神刑部は部下達に云うと隠形の術で姿を隠して施設を出る。
なぜみつかったんだ?。
隠神刑部は一族を全て置いて来た。
自分だけ残ればどうにかなると思ったっていう無茶苦茶な理由に寄って。
「隠神刑部。」
ホルスが東華帝君と少司命と隠神刑部の結界の内に顕れた。
隠神刑部の能力は封じた。
ジタバタとする隠神刑部。
「少司命、其方の考えは?。」
東華帝君
「私の子等が消えたとしてもそれはソレ。隠神刑部のした事とは関係御座いません。」
少司命
ふと考える東華帝君。
東華帝君はホルスと記憶を同期した。
「隠神刑部の陽の人物が少司命の夫だったと?。」
流石のホルスも驚いた様子。
「ならばどうする?。」
東華帝君
「今の隠神刑部は消し去って仕舞うが?。」
ホルスは意見をかわらずに云う
「それでよろしゅう御座います。」
少司命
「たったっ、助けてくれぇー!。これこの通りだぁー!!。」
隠神刑部は土下座して必死に謝る
スルリ。
菊一文字が唸る
ブワンブワン!。
「お前はどうしたら気がすむ?。」
ホルスは菊一文字に聞く
ホルスの手から離れる菊一文字。
隠神刑部の目の前で菊一文字が止まる
眼前の刃にガタガタする隠神刑部。
ストン!。
隠神刑部の目の前から空中に移動し、背中に頭上から落ちた菊一文字。
スルリ!。
菊一文字に血が滴り落ちる。
落ちた場所に血の色の花が咲く。
ものいわぬ隠神刑部の遺体。
「朱雀。」
ホルスは朱雀を呼んだ。
「どうする。」
朱雀
「隠神刑部の陰の気を焼き尽くしてくれ。」
朱雀はホルスの云う通りにした。
コレで重箱オババの血筋に入った善い隠神刑部の力のみ残った。
元々重箱オババの子孫である朱里達は善き古狸族として生きて来て居るので無問題。
血から生まれた花はみるみるうちに蕾になり実になった。
「?。」
一同
「この実は?。」
朱雀が実に触れた瞬間!。
目の前に君真物が顕われる。
空には君手摩神が顕れた。
「我らの満ちし力により、陰陽の理を直ちに示せ!。」
君手摩神は太陽の陽の気を登らせる。
みなの前にゆっくりと陽が昇る。
「本当の太陽の陽の光で御座います。」
君真物は恭しくお辞儀をして太陽を向かい入れた。
実は落ちて地に芽吹く。
芽吹いた芽は陽の光を受けてスクスクと育つ。
有り得ないスピードで。
シュポン!。
赤子が実から生まれた?!。
「この子は?。」
ホルス
「普通の人間だ。元、隠神刑部のな。」
東華帝君
菊一文字は悪の隠神刑部だけを斬り裂いた。
善き隠神刑部の格がファンタスマゴリアから降り、実を結ぶ。
でもそれだけで祓えるものではない怨念は太陽の陽の一番清い光に照らされて業を斬って貰えた。
菊一文字の真の力で、もっと強い業を斬って貰えたのは幸いだった。
ホルスは佇む。
「菊一文字、良くやってくれた。これで我は眠りにつける。菊一文字よ、我を割くのだ。」
仕える主人であるホルスの命令には逆らえない。
菊一文字はスターン!と云う音と共にホルスを精確に斬り裂いた。
血塗れの雷帝は息をしていない。
「ちょっと夕樹!!。どうしてっ?、どうゆう事よっ!。」
朱雀が百合子に戻って雷帝のもの言わぬ身体を起こす。
もう動かない。
シュワン!。
瞬間移動して来た楊戩が雷帝を見る
「やらかしやがった、雷帝はファンタスマゴリアに格を戻してなかったなっ!!。」
楊戩
「えええ?。」
豆狸
「嘘嘘嘘嘘!。」
百合子は雷帝の身体を抱き締めて泣く。
楓がコツコツと歩いて来る。
隣には天仙娘々。
「ホロがバカこいたせいでなんで母さんが死な無いといけないのさ!。」
天仙娘々
楓は雷帝の身体にそっと触れる。
夕樹であるべき所は全く無かった。
「私のせいですね…。」
ファンタスマゴリアの尊格の保護膜の中に居るホロが神力で云う
「あ〜そうだ、お前が私達の知らない考えで好き勝手したせいでこうなった。」
天仙娘々は口をつぐまない
「申し訳御座いません、お嬢様…。」
ホロ
「夕樹ですら無い。夕樹は何処だ娘々?。」
楓
「ちょっと父さん、しっかりして!。」
楓が呆けているのを天仙娘々がガシガシと揺すぶる
キュアァーーーーー!!。
巨大な高音が鳴り響いた。
「誰だよ!。」
楊戩
「この高音は誰?。」
天仙娘々が辺りを見回す
三本角の鹿が空間を割って顕われる。
伶倫がサムガクロク(三角角鹿)へ戻り、未来予知する。
「夕樹は戻れない。」
サムガクロクは断言した。
「未来予知でも戻らぬと返答されたか。」
東華帝君
「?。ちょっとお待ちを、夕樹は戻れない?、で合ってますよね?。」
少司命
「そうよ、そういってたじゃない!。」
天仙娘々
「お嬢様、お待ちを!。」
ホロ
「戻れられないじゃなくて、戻れないですよ?。」
楓
「父さん?、どういう事〜?。」
天仙娘々
「はいはい、ちび姫、ちょっと慌てないの。ここにアタシが普通に居るのよ?。」
シャンシャン
「ん?。」
天仙娘々
「夕樹が本当に消滅していたらアタシは此処に在れない。あったとしても狂ってる筈だよ?。」
シャンシャン
「って事は?。」
天仙娘々は泣き出す
「娘々。」
楓は娘を抱き締める
「雷帝も夕樹も、戻れない事情があるだけなのね?。サムガクロク。」
泣きながら云う娘々
「そうですよ、お嫁さま。」
サムガクロク
「なら許す。ホロ、当たってごめんなさい。」
天仙娘々
「お嬢様…、ありがとう御座います。東華帝君様、私の遺体は其方に未だありますか?。」
ホロ
「戦が終わり次第、荼毘に付すつもりで冷凍保存してある。」
東華帝君
「ホロの事がなんか関係あるの?。」
天仙娘々
「ありますよ、お嬢様。」
ホロ
「解りやすく説明して。」
天仙娘々
「楊戩様、剱は未だ懐に御座いますか?。」
ホロ
「ああ…、アアァ〜!!。」
楊戩はなんかピンと来た
「雷帝、面倒なやり方をしたな。」
東華帝君
「少司命、時間軸を戻すぞ。」
楊戩
「えっ?。凱(かちどき)をあげてませんよ?。」
少司命
「そんなん、スンシンに任せる。俺たちは俺たちの時間軸へ戻る!。」
楊戩は突如ファンタスマゴリアへ向かう。
みんなも向かう。
君真物が舞を踊る。
やれめでたやな、やれ嬉しやな!。
君手摩神と共に登った太陽を浴びて待つ事にした。
君真物、あんたは知ってるんだね。
なら安心して待て次号!。