広瀬すずと松坂桃李の流浪の月を見ました。
面白かった。
小説とか映画って、新しい価値観に出会えるのが良い所だと思ってる。
生活する中で出会う人って限られてるし、仲良く話す人はもっと限られる。
だから、人と合って価値観を共有するにも限度がある。

ましてや、日本人は多分特にみんな普通を装って生きているものだから、相当仲良くならないと人と違った価値観なんて人に話さないと思う。

普段から深い部分のことを話す人なんて、片手で数えられるくらいかもしれない。
そういった意味で、私は結婚って人間の奥深さというものをワンランク上げてくれる出来事だったな、と思う。

友達とも深い話する人とはするけど、やっぱりこれから毎日一緒に暮らして一生を添い遂げるつもりの人ってなるとどうしたって格が違ってくる。
友達には言わないでよかったことも、一生一緒にいるってなると言わなきゃいけないことも出てくる。
私はこういうことがいや、とか友達にはあまり言わないけど、夫には言う。逆もまた然り。
そうやって、自分のあまり表に出さない心の内側をさらけ出して、相手の人にはあまり見せない心の内側を受け入れて。一人の人間と深く向き合う経験は、人間として成長させてくれたと思う。

それと同じようなことを、小説や映画は疑似体験させてくれると思ってる。

私の周りに、ロリコンの人っていない。いたとしてもよっぽどじゃない限り隠したいことだと思うから、少なくてもカミングアウトを受けたことは無い。
だから、ロリコンの人がどういう人かって私はデータがないから全くわからない。
何も知らないでいると、やっぱり避けたくなってしまうと思う。

でも、この映画はロリコンの人に対する見方を変えてくれた。
結局映画の登場人物は、ロリコンではなかったんだけど、世間からそう思われるよりもバレたくない事情があって。
そして例え本当にロリコンだとしても、人を好きになる気持ちは自分じゃどうしようも出来ないから。
その人たちなりの苦悩があることを改めて考えさせられた。

人を好きになること、そのこと自体が当たり前じゃなくてとても尊いもので。
人を好きになれたこと、そしてなんの問題も障害もなくその好きな人と結婚できたことの有難みを改めて実感した。

もし、結婚した大好きな人が同姓だったら、こどもだったら…私はどうしていたのだろう。
その恋を諦めていたのだろうか。

誰にでも起こりうることなんだよね。

本当になんの問題もないなんてのは奇跡みたいなことで。
生きていたらたいてい何かしらの障害にはぶち当たる。
私の場合も概ね順調だったけど、好きな人が全然出来ない、とか好きになった人と遠距離だった、とか大なり小なり問題はあった。

みんな同じように悩みを抱えながらも頑張って生きているから。

だから、絶対偏見は持ちたくないなと改めて思った。

多様性が認められはじめてる世の中だけど、世の中には私が想像もつかないようないろいろな事情を抱えた人が苦悩しながらも頑張って生きていることを意識して、受け入れられる寛容な人間でありたいと感じました。

私も30代に突入しまして、いろいろな物の考え方ができる、視野の広い人間でありたいです。