春になると、野にふわりと香る、青々とした草──それが「艾葉(がいよう)」。日本では「ヨモギ」と呼びます。

 

中国の端午節(旧暦五月五日)では、艾葉を門に吊るして、邪気を払う風習があります。

そよ風が吹き抜けるたびに、空気中にほのかな香りが漂い、青々とした葉姿、健康を守る祈りの象徴とされてきました。

 

日本では、菖蒲やヨモギといった香りの強い葉を門にかけ、邪気を払うのも、中国の風習が由来とされています

 

 

【艾葉の文化的魅力】

 

詩詞に関連する薬:艾葉

『詩経』では「彼采艾兮、一日不見、如三歳兮」——艾葉を恋しい思いの象徴

屈原の『離騒』では、「户服艾以盈要兮、谓幽蘭其不可佩」――艾草の質素で丈夫な精神。

 

古代、陸游などの多くの詩人、端午の日に艾葉の端午節の伝統的な風習を詠みました。

 

明・李時珍『采艾詞』「西楼艾納満薫風、処処人家艾葉香」

端午の節句に家々によもぎがぶら下がって、空気の中によもぎの葉のすがすがしい香りが漂っている風習を描いて、祝日のおめでたい雰囲気とよもぎの大切さを表しています。李時珍は有名な医薬学者として、よもぎに深い理解と愛着を持っています。

 

鍾馗が鬼を追い払う際に、燃え盛る艾草、それを用いて邪気を払い

 

 

【艾葉の薬効】

中医学では、非常に優れた薬草として古くから用いられてきました。

 

李時珍の『本草綱目』では「温中逐冷、除湿」「止血」

 

キク科(Compositae)の野生する多年草、ヨモギ Artemisia argyi Levl. et Vent.の乾した葉である。気は特有の香があり味は苦い

苦、辛、温。小毒がある。肝、脾、腎経に入る。

温経止血、散寒止痛、調経、安胎。外用では袪湿止痒。

 

1.温経止血

各種の出血証に用いられる。月経過多、妊娠下血、便血および吐血、衄血など。

芎帰膠艾湯、四生丸

 

2.温経散寒

艾葉は、苦燥辛散で、芳香しかも温である。もっぱら三陰経に入り、気血と経脈を温め寒湿を除いて冷痛を止める。特に寒湿による腹痛、生理痛、月経不順、宮寒不妊には、艾葉を服用する。艾附暖宮丸。単味艾葉を煎じて服用する、或いは熱くなるまで炒って臍腹部に敷く、或いは温中理気の薬と配伍する。

または足湯にしたり、艾灸(おきゅう)にして特定のツボを刺激することで、血行を促進し痛みを和らげる効果がある。

艾絨、あるいは艾絨を主な薬料とする艾条(もぐさ)をつくって、穴位の灸を行い、気血を温通し、経絡を疏通する作用を持ち、虚寒の諸症を治すのに広く用いられる。

中医の代表的な外治法です

 

端午の節句に若い女性、よもぎ餅を食べるのも、子宮を温め、子宮の病気を予防し、子供生まれるといった願いが込められています

 

3.安胎止血

胎動不安に用いられる。

艾葉は「婦人科の聖薬」と呼ばれ、特に妊婦や産後の女性にとって有益

適量の艾葉茶を飲むことで胎児を安定させ、流産を防ぐことができます。また、産後に弱った体には、関元(カンゲン)のツボに艾灸を行うことで体力を回復させることができます。

 

4.袪湿止痒、養顔美容

皮膚病や湿疹にも使われます。艾葉には揮発油やフラボノイド化合物が含まれており、抗菌・抗炎症作用があります。外用では煎じて浴びたり蒸気を用いることで、皮膚のかゆみや湿疹などの症状を改善でき、さらに血行を促進して肌を滑らかにします。古代の女性たちが艾葉で湯浴みをしていたのは、美しい肌を保つためだったのです。

5.蚊を追い払い、防疫環境を作る

艾葉を燃やすと芳香物質を含んだ煙が発生し、蚊を寄せ付けないだけでなく殺菌消毒の効果もあります。そのため、伝統的な習慣では端午の節句に艾草を吊るしたり、艾绒(アイジュン)を燃やして家を清めることが行われています。

 

現代では、艾葉の応用範囲も広がっています。艾条(アイジョウ)、艾柱(アイチュウ)、艾精油、艾草枕など、さまざまな製品が開発され、異なるニーズに対応しています。例えば:

艾灸療法 :艾条を燃やして特定のツボを温熱刺激することで、慢性疾患の調整やサブヘルス状態の改善に活用されています。

スキンケア製品 :艾葉エキスを抽出してフェイスマスクや乳液を作り、抗炎症や保湿効果で肌をケアします。

健康食品 :艾葉茶が流行しており、適量を飲むことで子宮を温め、安眠を助け、免疫力を高めることができます。

お風呂に乾燥艾葉を入れて「艾葉湯」

艾葉の石鹸、私は常に使っています。

 

平凡な小さな艾葉には、大自然の恵み、中国文化と中医学の知恵を現れています。

 

 

生徒さんから艾葉などの珍しい野菜、いただきました。

この2週間、来校の生徒さんたちと一緒によもぎ餅、艾葉卵を作って、みんなで楽しく美味しく食べました。

 

よもぎ餅

 

作り方

1.ヨモギ

ヨモギの葉を、沸かしたお湯に入れ、重曹5gを入れ、2~3分よもぎを茹でる。

茹でたよもぎを冷水に浸け、2~3回水を替えながら灰汁を抜く。

水を絞り、ミキサーで、ペースト状にする。

あまったヨモギ、冷凍保存しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.餡 あんこ

あずきあんこ 

本来、あんこを作れば良かったですが、今回、スーパーで購入した小豆のあんこを使用しました。

作り方も簡単、ゆであずきの水分を飛ばし、あんこする。弱火で20分程度煮詰めればあんこの完成。添加物が入っていなかったのでオススメです。

 

棗のあんこ

棗をやら若くなるまで煮る。種を抜いて、ミキサーでペースト状にする。鍋で水分を飛ばす。私はいつも、ピーナツの粉を入れ、これで香りをつき、棗の甘さとピーナツの香りととても相性がよい。

 

3.糯米粉生地

糯米粉(白玉粉のほうがもっとよい)に砂糖を入れ、少しずつ水や牛乳を入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる。

 

生地を分けて、直径5センチ程度の塊、薄めにして、鍋に入れ、煮る。

 

熟したら(餅生地が鍋の水から浮いてくる)、取り出して器に入れて、麺棒で叩いたり、手袋をはめている手でこすります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.糯米生地を伸ばし、小豆あんこ、或いはナツメあんこを包む。

 

5.ココナッツ粉、または きな粉をまぶします。