ショールームは高速飛ばして40分ほど。実際ふらっと行ける距離ではないし、高速乗ったらもう引き返せない。2時半くらいにリクシルのショールームに着き、恐る恐る中へ入る。受付で「予約していないけれど、ちょっと見せてもらっていいですか?」と尋ねると、簡単なアンケートだけお願いしますと言われる。まあ、さすがにこれは避けられないだろうなと住所氏名と記入し、ショールームの展示案内図をもらう。誰か説明に付いてきてくれないかなーと物欲しそうな目で見つめてみたが皆さんお忙しそう。一人寂しくお目当てのガーデンルームGFの展示場所へ。

 

 

展示を見るのは良いけれど、ガーデンルームと言ったところで所詮狭い箱だけの空間。一人で窓を開けたり閉めたり、シェードを上げたり下げたりしたところで、すぐにやることがなくなってしまう。せっかくここまで来た以上、値段やら仕様の違いやらを知りたいしカタログも欲しいし。やっぱり受付に戻って誰かに声をかけようかと思案していたら、きれいなお姉さんが近づいてきて、「よろしければ、わたくし、手が空いておりますので、ご案内いたしましょうか?」と声をかけてくれた。

 

 

やれ、ありがたい。待ってました。「急に思いついて来たので、まだ何も具体的には、作るかどうかもまだ何も決まってないんですが、洗濯物を干す場所と、出来たら観葉植物や冬越しの為に植物を置くための場所ととしてほしいと思って、まず見に来たんです。」と、しどろもどろに説明し始める。

 

 

まずはショールームにあるガーデンルームを一通り見学して説明してもらうことになった。洗濯干しに用途を限定したものから、贅沢なリビングと勘違いしそうな空間まで、5つの違った種類の展示があって、お値段もタイプもさまざま。まさにピンからキリまで。次々に見学し説明してもらうほど、夢は限りなく広がる。それぞれウリの部分が違うので、なんというか帯に短しタスキに長し的な。もちろん最上級クラスのものには欲しい機能は全部ついているけれど、その分当然お値段がそれなりだ。ぜいたくを言い出せばキリがない。

 

 

一つ一つの展示を見学しながら「これはこの部分は良いけれど、さっきのに付いてた機能はこっちにはついていないんだ。残念。」とか「この日除けは絶対欲しい」とか「一面だけでも折戸にして全面開放できるようにしたい。」などと、思いつくまま話していくうちに、私自身漠然としか見えてなかった要望を最終的にちゃんとまとめあげ、要望に沿った見積もりを3種類作ってくれた。私についてくれた営業のお姉さん、すごい仕事ができる人だった。

 

 

言いたい放題要望を言ったので、思っていた金額の1.5倍から2倍くらいの見積もりが出てきたが、この金額はあくまでも定価であり、ここからある程度の値引きがあるはずだが、それは業者によって変わるので、こちらではなんとも言えないとの説明があった。なるほどね、そういう仕組みなんだ。「お話を聞かせていただいて、あったらいいなとおっしゃったオプションをこちらでチョイスして入れてあるので、あとはカタログをじっくり見て検討してください」と分厚いカタログをいただき、気が付けば2時間以上も経っていた。

 

 

いかがでしたか?と聞かれたので、思わず「楽しかったです。」と言ってしまった。本当に楽しかった。このようにちゃんとお客様として取り扱ってもらって、こちらのとりとめのない話を遮らずに否定もせずにちゃんと聞いてくれて良い気持ちになったことって、最近ほとんどなかったな。もちろん今だってお金を使う目的でデパートとか行けば幾らでもお大臣様扱いはしてくれるだろうが、ほぼ社会からドロップアウトしている田舎の貧乏おばちゃん、いや、おばあちゃんの身としては、そういう機会は、もうほぼない。だからきれいなお姉さんがニコニコと笑顔で一生懸命話を聞いてくれて、共感してくれて、それが全部仕事の上であるとわかっていても、楽しい時間を過ごさせてもらった。それだけで行った甲斐があった。もう実際にガーデンルームを作るか作らないかはどうでもいいや、くらいのウキウキ気分で帰ってきた。