本日、健康診断。

 

 

年に一回、健康診断を受けている。。。というと健康に対して意識高めの人みたいだが、肺のレントゲンや血液検査(注射は割と平気)、マンモグラフィー(ちょっと痛いけれど、数秒辛抱すれば済む)、大腸がん検査(検便だけ)、その他一般的な検査は特に辛くも痛くもないので真面目に受けていたが、肝心の、ここ数年ずっと胃腸の調子が悪い人が一番受けなければならない胃がん検診だけは5年も受けてなかった。

 

 

だって胃カメラはとても怖い。苦しい。最初に胃カメラをやったのはたぶん10年くらい前かな?喉からカメラを入れたのだが、当時はまだカメラもそこまで小さくなかったからか、いくら頑張って飲み込んでくださいと医者に言われようとも、なかなか喉から先に飲み込むことができず、今度こそゴックンしようとしてもなかなかできなかった。それでも何度かチャレンジしてなんとか喉を通過させ、体の中を異物が動き回っている気持ち悪さに必死で耐え、涙と鼻水と涎で顔中グショグショで大人としての威厳も何もどこかに吹っ飛び、やっと終わった時には精魂尽き果て、もう二度とやるもんかと思いながらヨロヨロと検査室を出たのを覚えている。

 

 

その後はバリウム飲んでの胃のレントゲンを受けていたが、そのうちバリウム飲むと気持ち悪くなって吐くようになり、バリウム飲むのが無理になった。その後は健診申込みの通知が来るたびに葛藤しつつも結局見て見ぬふりして胃がん検診だけは避けてきたのだが、ここ数年胃腸の調子が悪くなる一方なのでさすがに観念して今年は受けることにした。今はカメラもずいぶん小さくなったし鼻からカメラを入れるので、喉よりは楽らしい。

 

 

ドキドキしながら病院へ。名前を呼ばれて検査室の前室のようなところでしばし待機。無駄に高級感のあるふわふわソファに座って鼻血止めと麻酔を鼻にシュッと噴き入れられ、最後に麻酔ゼリーを鼻に入れられ、麻酔が効くまでしばらく待つ。ドキドキが止まらないので、早く名前を呼んでくれー。とっとと検査始めてとっとと終わらせてくれー。こういう待っている時が一番つらいんだよなと思いながらも10分ほど待つと、看護師さんが呼びに来てくれ、検査室に入る。

 

 

ベッドに横向きに寝て、唾がたまっても飲み込まないで出してくださいと膿盆を口元にセットされる。目の前にはテレビモニターがあってカメラが映し出す自分の胃の中が見られるようになっていた。自分の胃の映像、頑張って見てやるぞー。先生は情け容赦なくとっとと検査を開始する。麻酔がしっかり効いているからか痛くはないが、自分の鼻から喉へ黒い堅いコードみたいなものがどんどん突っ込まれていくんだと自覚したとたん恐怖で逃げ出したくなった。これはマズい。頭をからっぽにしよう。「身体の力を抜いて、ゆっくり息をしてください。」と言われ、とにかく自分の呼吸にだけ集中するように心がける。看護師さんが、まるで赤ちゃんを寝かしつけるがごとく私の肩の辺りをゆっくりと一定の間隔でトントンしてくれる。これが本当にありがたくて恐怖が少しやわらいだ。トントンのリズムに自分の呼吸を合わせる。一瞬看護師さんがいなくなってトントンがなくなった時があったが、一気に不安になった。止めないで、ちゃんとトントンして。

 

 

それでも時間が経って後半少しモニターを見る余裕も出てきた頃に終了。「いくつかポリープはありましたが、悪いものではないので大丈夫です。」とその場で結果も教えてもらってホッと一安心。胃カメラが最初の検査項目だったのでその後は例年通りの検査を受けて帰ってきた。やれやれ、これであと2年は胃カメラをやらずに済むと思うと嬉しい。