私の兄弟たち。さまざまな試練に会うときは、それをこの上もない喜びと思いなさい。信仰がためされると忍耐が生じるということを、あなたがたは知っているからです。その忍耐を完全に働かせなさい。そうすれば、あなたがたは、何一つ欠けたところのない、成長を遂げた、完全な者となります。
―ヤコブ1:2~4-

愛する兄弟たち。あなたがたはそのことを知っているのです。しかし、だれでも、聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそいようにしなさい。人の怒りは、神の義を実現するものではありません。ですから、すべての汚れやあふれる悪を捨て去り、心に植えつけられたみことばを、すなおに受け入れなさい。みことばは、あなたがたのたましいを救うことができます。
―ヤコブ1:19~21-
私の兄弟たち。あなたがたは私たちの栄光の主イエス・キリストを信じる信仰を持っているので すから、人をえこひいきしてはいけません。あなたがたの会堂に、金の指輪をはめ、立派な服装をした人がはいって来、またみすぼらしい 服装をした貧しい人もはいって来たとします。あなたがたが、りっぱな服装をした人に目を留めて、「あなたは、こちらの良い席におすわりなさい。」と言い、貧しい人には、「あなたは、そこで立っ ていなさい。でなければ、私の足もとにすわりなさい。」と言うとすれば、あなたがたは、自分た ちの間で差別を設け、悪い考え方で人をさばく者になったのではありませんか。よく聞きなさい。愛する兄弟たち。神は、この世の貧しい人たちを選んで信仰に富む者とし、神 を愛する者に約束されている御国を相続する者とされたではありませんか。
―ヤコブ2:1~5-
今週からしばらく、ヤコブ書を学んでいきます。毎週3つぐらいの教えを取り上げていきたいと思います。聖書には何人かヤコブという人が出てきますが、ヤコブ書の著者はイエス・キリストの兄弟のヤコブと言われています。ヤコブは最初救い主としての
イエス様を信じていなかったようですが、後に救われてエルサレム教会の指導者になったと言われています。ヤコブ書は新約聖書の中でも初期に書かれたもので、内容は山上の説教や箴言などと内容がよく似ています。一つ目の教えは試練の中にある人々への励ましについてです。当時は迫害が強まりつつありました。その中で、試練は神のしもべとしての証し、忠実に歩んでいる者としての証しとして受け止め、希望の忍耐を養うように語られています。二つ目の教えは聞くには早く、語る事と怒りには遅くというものです。私たちはいつも逆になりがちです。その結果祝福を逃して損失を招いてしまっているという事が実に多いのではないでしょうか?特に私たちは人の話に耳を傾け、共感し共に祈る姿勢を大切にしたいと思います。三つ目の教えはひとをえこひいきしないで、誠実に誰とでも接するという事です。当時の教会は富裕層を優遇して、貧しい人々をないがしろにしていたようです。そして、それは極めて人間的で利得を追い求める思いから生じていました。今週の三つの教えは、人間的な思いや利得を追い求める発想を転換して、神と人とに忠実に仕える事の大切さが教えられています。神様の恵みと救いの大原則は弱きを覚える者にこそ豊かに注がれているという事です。私たちもそうであることを忘れないようにしたいですね。