さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民、全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。」きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人にあるように。」御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。                                            ―ルカ2:8~16-

12月になると、町中にイルミネーションやクリスマスツリーが飾られ、華やかな雰囲気になりますね。クリスマスは一年の最後を締めくくる一大イベントです。しかし、その一方で毎年思うことは多くの人々はクリスマスの本当の意味を知らずに過ごしておられるということです。クリスマスは救い主イエス・キリストの誕生を心から喜び、感謝する日です。私たちを罪と死の呪いから解放するために、主なるキリストは天の全ての栄光を捨てて、弱く、貧しくなって下さいました。私たちはその尊さに思いを向けたいと思います。聖書から語られるクリスマス・ストーリーには、目新しいものはなく、素朴なものです。特に羊飼いたちの物語は語りつくされた物語です。しかしそこには、いつまでも変わることがない輝きと温かさが満ちています。イエス・キリスト誕生の背景には当時の皇帝から出された住民登録があります。イエスの父ヨセフと母マリヤもナザレからベツレヘムに出かけました。その時、多くの人が訪れていたので、宿屋が満員だったのは有名な話ですね。そんな中で、羊飼いたちはいつものように夜番をしていました。彼らは住民登録から除外されていた人々でした。イエス・キリストの誕生という歴史を変える大きな出来事に最初に立ち会ったのは羊飼いたちでした。これは、弱く、貧しく、世間から忘れられていた人々に注がれる神の愛の真実をあらわしています。御使いたちの知らせを聞いた羊飼いたちはすぐに幼子イエスに会うために出かけました。家畜小屋で飼い葉おけに寝かされていたイエスの姿は貧しい羊飼いたちが見てもなお、貧しい姿でした。しかし、そこに羊飼いたちは慰めと希望を見出したのです。私たちも羊飼いたちのようにメシヤを探し求め、見つける者になりたいと思います。皆さんもメシヤの内に希望を見つけたいとは思いませんか?