今週のみことば 「私たちは、さまざまの議論と、神の知識に逆らって立つあらゆる高ぶりを打ち倒し、すべてのはかりごとをとり押さえてキリストに服従させます。また、あなたがたの従順が完全になったとき、あらゆる不従順を罰する用意ができています。     ―Ⅱコリント10:5-6-
創世期29~31章には、ヤコブが逃亡先のパダン・アラム(メソポタミヤ)で、おじのラバンのもとで過ごした出来事が書かれています。ヤコブは目的達成のためには手段を選ばない狡猾な策略家でした。その事が災いして、祝福を奪い取った兄のエサウの激しい怒りを買い、逃亡を余儀なくされました。ヤコブは母リベカのすすめで、おじのラバンのもとでしばらく過ごすことになりました。ラバンは温かくヤコブを迎え入れましたが、実はラバンはヤコブ以上に狡猾な策略家だったのです。ヤコブはラバンを通して、だまされる事の辛さを身をもって経験することになります。一進一退のだましあい?の日々の中でしたが、ヤコブはその中で賢明にふるまい、家族と自分の群れと財産を増し加えていきました。気が付けば20年の歳月が流れていました。久しぶりに語られた神の言葉によって、ヤコブはやっと故郷に帰る事になりました。ラバンの態度がとげとげしくなっていたので、ヤコブは逃げるように家を出ましたが、凄まじい勢いでラバンは追い着きます。ラバンにとってヤコブは貴重な労働力だったので、失いたくなかったのです。ヤコブは家の偶像、財産の相続権を持つテラフィムを盗んだ疑いまでかけられますが、自分に一切落ち度がないこと、20年間真実に、忠実に仕えてきたことを謙遜な態度でラバンに弁明しました。さすがのラバンもこれには反論できず、ヤコブを快く送り出しました。実はテラフィムはヤコブの妻のラケルが盗んでいたのですが、間一髪免れました。これはあわれみとしか言いようがありません。ヤコブは、忠実に真実に歩み続けていたからこそ、正しい弁明と主張をすることができました。そこに神も働かれました。これは、ヤコブがこの20年で様々な訓練を得て、成長した証しでもありました。今週のみことばは、キリスト者が信じている福音の真実さについての教えです。この世には様々な力や教えがあります。中には強い力を伴うものもあるでしょう。また、世の中はキリストについて、聖書について、時に辛辣な批判を浴びせて、否定するような事もあります。しかし、神のことばの真実と人を罪と死の呪いから解放する福音の力は真実ですから、私たちは恐れないで証しをすることができるのです。信仰によって、神と人とに忠実に仕えるなら、生きて働かれる神は必ず私たちに報いて下さいます。ヤコブがそうであったように、難しい環境の中にある時こそ、神様のご計画と訓練、報いに希望を繋ぐ者になりたいですね。