小村寿太郎に習え
明日26日(木)に、フランスのドービルで、主要8ヵ国(G8)首脳会議(サミット)が開催されます。
国際テロ組織アル・カーイダ元指導者ウサマ・ビンラーディンの殺害後、主要国の指導者が一堂に会する、初の本格的な国際会議になるため、報復テロを警戒しての厳戒態勢の中、サミットは行われることになります。
今回のサミットでは、政情不安が続いている中東・北アフリカ諸国に対する対策や、福島第一原発事故を受けての原子力の安全性などが、主な議題として上るとみられています。
菅総理は、本日25日(水)の午前5時過ぎにすでに現地入りしていて、まずは、フランスのサルコジ大統領と、日仏首脳会談に臨む予定になっています。
サミットでは、太陽光発電のコストを大幅に引き下げることなどを盛り込んだ、新たな日本のエネルギー政策「サンライズ計画」を発表する方針だということですが、なかなか期待を持って菅総理を見守る気持ちになれないのは、私だけでしょうか?
今朝の産経新聞のコラム「産経抄」に、非常に面白い記事が載っていたので、ご紹介したいと思います。
以下、産経新聞より引用↓↓↓
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ポーツマスでの日露戦争講和会議のため米国入りした外相、小村寿太郎の一行はシアトルから汽車で米大陸を横断した。途中、山林地帯の駅に止まると、線路ぎわに日本人らしい男5人が立っている。手には急ごしらえの日の丸を持っていた。
▼展望台に出た小村が尋ねると十数キロ離れた森林で働く日本人だった。国運をかけた交渉に赴く小村を見送りたいと夜通し歩いてきたらしい。小村が「よく来てくれた」と声をかけると男たちの頬を熱涙が伝い、小村も目に涙を浮かべたという。
▼外相秘書官だった本多熊太郎が著書などに書き残したエピソードで、明治38年7月のことだ。日本は戦争で勝ったとはいえ戦う余力はなく、講和次第ではまだ国難が待ち受けている。そんな中、交渉に向かう小村の緊迫感と国を憂える国民の思いが交差する感動の話である。
▼106年後の昨日菅直人首相はサミット出席のためフランスに出発した。大震災後、初めて先進国の首脳と一堂に会する。当然、原発事故を受けてのエネルギー政策などが大きなテーマになる。日本にとっては国際的信頼を取り戻せるかどうか、国運をかけた会議が待っている。
▼長期的ビジョンを示すのではなく、軽々に「脱原発」の姿勢を見せるのでは、信頼はガタ落ちとなる。先進国から仲間はずれにされる恐れは大きい。それだけに首相にとって、国難に立ち向かうためポーツマスに旅だった小村の心境であってしかるべきだ。
▼だが首相にそれだけの覚悟は見てとれない。出発前の国会審議でも、原発事故に対する責任逃れや政権維持への思惑ばかり目立った。これでは日の丸を持って山道をかけつけた明治の男たちの心境にはとてもなれない。
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今回の、菅総理のサミット参加に対して、不安の気持ちを抱いているのは、おそらく私だけではないでしょう。
未曾有の国難に直面している今だからこそ、我々日本人には、希望を託し、期待を持てる"リーダー"が必要なのです。
それは、決して菅総理でなくてもいいのかもしれませんが、残念ながら、日本の代表して発言できる場所に行ける人間は、菅総理しかいないのです。
最後に、菅総理へ。