この頃、特に休日が待ち遠しいということもない。

昨日も終日ダラダラ
人と会えないから、意味もなく自分の出身幼稚園や
小学校を見に三軒茶屋まで行った。
幼稚園がまだ同じ場所にあることが嬉しかった。

日曜日の今日は教会の帰り

青山のカフェでブランチしながらぼーっとする。

外にいた方が、まだ安心のような気がして。

昨夜、体重計に乗ったら又増えていて
おかしな心理状態になる。
ダイエットなんてばからしい。
努力してもこうなら、食べてやれ
という。

夕方もモスバーガーで、海老カツバーガー
ハンバーガー、赤肉メロンシェイク
という1日分のカロリー摂取か?みたいな

ヤケがまわったメニューをオーダーする。

その後、いつもの渋谷東急本店で食糧買い出し前
7階文具フロアで通りすがり室内金庫が目に入ると
ふいに懐かしい思いがこみ上げた。

何だろう?この思い

しばらく考えて分かった。

添乗中のバルセロナ

ホテルのお客様の部屋から
パスポートなど貴重品を入れてた金庫
(セーフティボックス)が壁ごとはがされて盗まれたのだった。

翌日朝は帰国日
日曜日で領事館は開いておらず
仕方なくバルセロナ領事の自宅に電話したのだった。

他にも
スマホも携帯もなかったあの頃、
自分や周りがどうやって
数々の苦難を乗り越えたのか
細部は思い出せないし、もう思い出したくもないが
今日のように視覚が記憶を呼び覚ますことが
しばしばある。
とにかくあらゆることがツアコンの裁量に
かかっていた。

バルセロナ以外でも
お客様が帰国前日フリータイムに
パスポート盗難に遭うことはよくあった。
そのため、フリーにしたくなくて
ローマから電車に乗せて
オスティアの海に泳ぎに連れて行ったりもした。

ついて来なかった方がパスポート盗難に遭った時は
一時帰国証明(臨時パスポート)を発行して
もらい、とにかく連れて帰って来た。

空港で乗る予定の便がキャンセルになることも
よくあった。
他社便乗り換えの優先権をめぐって
各社ツアコンが火花を散らしてる時は
自腹でフェラガモのネクタイを買って
カウンター職員にわたし
「賄賂は受け取らないよ」(受け取ってるがな!)
という職員突き飛ばして、カウンターの中に入ったこともあったなあ。

現場の苦労も知らずに
帰国後の精算時、知ったかぶりする事務員達
何度も心の中で叫んだ。

ドシロウトが!!

他にも
ギリシャ神話を通訳できないもとスッチーツアコン
国内添乗員、埼玉のバス会社、バスガイド
東京より地図の上に位置するエリアの
土産屋やホテルなど
大雑把な人種の
ドシロウト達には散々苦労させられた。

今、保育園の激務を、さしてそう感じないのも
あの日々があってこそと思う。

帰宅して、バウムクーヘンや
ジャイアントコーンを食べながら
人間をダメにするビーズクッションで読書。
さて、何キロ増えたかな?
熊川哲也の言葉は伝わりやすい。
ロイヤルに後ろ足で砂をかけたことに対しても
「情けないほど未熟だった」
「まったく礼を欠いていた」と率直な言葉が響く。

「この本では建て前はいっさい排して
その時本当に思っていたこと、感じていたことを
伝えたいと思う。
人の心を動かすのは、いつも本心から発した言葉だからだ。」
と。

潔い
という言葉が好きな私にとって
好きな本の一つでした。