ストラディヴァリフェスティバルの2日後は

スカラ座でのモーツァルトオペラ「偽の女庭師」。
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私にとっては機会の少ない演目です。
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開演前は、休演者多々アナウンスで

何なの?!というところから始まりましたが

幕を開ければ、ヴィオレンタはじめソプラノ陣が優れていました。

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素敵な紳士とデート?

薔薇の花までもらって!

いえいえ、私の人生にそんなロマンティックなこと
あるわけないじゃないですか笑笑

写真は紳士の奥様が撮ってから下さったもの。

手にしてる薔薇一輪は、スカラ座前で移民風の貧しい男の子が
一生懸命売ってたというか押し売り?してたものを
私、自分で買いましたとさ。

花売りの男の子を、人々は、特に日本人は警戒してるのか
ノー!と強い口調で追っ払ってたけど
それも場合によっては必要な態度かもしれないけど
この売り子さんは、泥棒してるわけではないですよね?

人の物を盗む悪いヤツが溢れる国で
まっとうに懸命に小銭を稼いでいるのです。

人は生まれる国を選べない。

その昔、私に思いやりが欠けてた若い頃の話。
一流といわれるディナーレストランで、花売りさん達がツアーのお客様のテーブルを回り出し
あるお客様は戸惑い、あるお客様は怒り出したので
ツアコンとしてはレストランに、
「注意してほしい。」
「何故入れてるのか」と抗議せざるをえませんでした。

しかし、不思議なことに
レストランは追い払うどころか
暖かい目で花売り移民達を許していたのです。

理由が分かりました。
各テーブルのヨーロッパ男性達は
一輪買っては、お連れの奥様や恋人に「君に」、
受け取った女性達も嬉しそうでした。
男性たちは良いところを見せたかっただけかもしれません。
けれど、その行為はまぎれもなく本物の紳士
薔薇一輪に値段はついてないけど
ある紳士がわたした中にはお札も見えたような気がします。
紳士もレディ達も、頑張ってねと優しい目で花売りさんを見つめ
花売りさんは「良い夜を」と、とびきりの笑顔を返しました。
三者三様のハッピー。

これで彼は、数日間は食べられることでしょう。

負けた!と思いましたね。

何に?

優しさという言葉では単純に片付けられない
人間の奥行き
そして自分の冷酷さと浅はかさ。

海外で悪い人に騙されないかと
ビクビクする気持ちは分かります。

悪い人と良い人を見分けることも
ツーリストには難しいかもしれません。

でも、それでも
もっと優しさを
と思うこと、多々ある旅の道中です。

お客様を守るため時にピリピリしてる自分も含めて。