【傷は、欠点ではなく記録。
TOUR RECORDが「傷のある革」を選ぶ理由】

今日は、私たちが革製品をつくるうえで大切にしている、ひとつの考え方について書きたいと思います。
先日、職人から一つのバッグが完成したと連絡がありました。
そのバッグに使われている革には、まるで「7」という数字のように見える跡が残っています。
これは、デザインとして入れたものではありません。
動物が生きていた時代に刻まれた、焼印の跡です。
家畜を管理し、自分の所有する家畜であることを示すために刻まれていた印。
つまりこれは、その動物が確かに生きていたという「記録」でもあります。
一般的な革製品では、こうした焼印や傷のある部分は避けられることがあります。
もちろん、それもひとつの美しさだと思います。
でも、TOUR RECORDは少し違います。
私たちは、こうした革をあえて作品に取り入れることがあります。
なぜなら、
傷もまた、その革が歩んできた旅の記録だと思っているからです。
完璧に整った革だけが、美しいとは思いません。
傷がある。
色の濃淡がある。
シワがある。
生きていた証がある。
それらをすべて含めて、世界にひとつしかない表情になる。
そして私は、それは人間も同じなのではないかと思っています。
人生を歩いていれば、誰にだって傷はできます。
失敗したこと。
人に言いたくない過去。
遠回りした時間。
悔しかったこと。
泣いた夜。
「あの時こうしていれば」と後悔することだってあると思います。
でも、それらを全部消してしまったら、その人の人生ではなくなってしまう。
傷があるからこそ、今の自分がいる。
私はそう思っています。
私自身も、決して綺麗な道だけを歩いてきたわけではありません。
だからこそ私は、傷や過去を隠して「完璧」に見せるブランドをつくりたいわけではありません。
その人が歩いてきた人生そのものを、美しく肯定できるブランドをつくりたい。
新品だったバッグにも、いつか傷がつきます。
旅先で雨に濡れるかもしれない。
仕事で毎日使って、革が柔らかくなるかもしれない。
大切な人との旅行に持って行くかもしれない。
10年後、そのバッグを見た時に、
「あの頃、こんなことがあったな」
と思い出してもらえたら嬉しい。
その傷はもう、単なる傷ではありません。
あなたが生きてきた記録です。
だからTOUR RECORDは、完成した瞬間をゴールだとは考えていません。
持ち主の人生と一緒に旅をして、
傷が増え、
色が変わり、
思い出が刻まれていく。
そこから、本当の意味でその人だけのTOUR RECORDが始まるのだと思っています。
Life is a Journey.
Record it Beautifully.
人生は旅。
そして、その旅で刻まれた傷さえも、美しい記録に。
それが、TOUR RECORDのものづくりです。


