ずっと、この鞄には名前がありませんでした。





TOUR RECORDの中でも、とても気に入っている鞄のひとつ。

完成したときから美しいと思っていました。

でも、不思議と名前だけが決まりませんでした。

急いで名前をつける必要もない。

この鞄を何度も眺めて、実際に持って、いろいろな場所へ連れて行く中で、いつか自然と名前が浮かんでくるような気がしていました。

そして、ようやく名前が決まりました。

TOUR RECORD
CURVES OF LOVE

— 愛の曲線美。—

この鞄を見ていると、まず目に入ってくるのが美しい曲線です。

直線的で硬い美しさではなく、柔らかく、艶やかで、どこか色気のあるライン。

そして、その美しさを生み出しているのが「革」と「職人の仕事」です。

もともとセクシーなレザーを、さらにセクシーに。

革という素材には、もともと独特の色気があると私は思っています。

光の当たり方によって変わる表情。

触れたときの質感。

使い込むことで少しずつ変化していく姿。

同じ革でも、一枚一枚表情が違う。

それだけでも十分に美しい素材です。

でも、革は職人の手に渡ることで、さらに違う表情を見せてくれます。

どこを使うのか。

どこで裁断するのか。

どう縫うのか。

どう立体にしていくのか。

ほんの少しラインが違うだけで、鞄の表情は大きく変わります。

素材の魅力を消すのではなく、その魅力をさらに引き出していく。

もともとセクシーだったレザーが、職人の仕事によって、さらにセクシーな鞄へと生まれ変わる。

この鞄を眺めていたとき、

「これは、愛の曲線美だ。」

そう思いました。

CURVES OF LOVE

愛というものも、きっと一直線ではありません。

人との出会いも、人生も、旅もそうです。

遠回りしたり、立ち止まったり、ときには思っていた方向とは違う場所へ進んだりする。

でも、振り返ってみると、その曲線そのものが美しい。

私はそんなふうに思っています。

TOUR RECORDが大切にしているのは、単に「物を作る」ということではありません。

素材を作る人がいて、

それを仕上げる人がいて、

職人が形にして、

そして最後に、それを持つ人がいる。

一つの鞄が生まれるまでにも、たくさんの人の手と時間、そして想いがあります。

だから私は、完成した商品だけではなく、

その背景にある人の仕事まで含めて残していきたい。

それもTOUR RECORDという名前に込めている「RECORD」のひとつです。

ずっと名前のなかった、この鞄。

でも今思えば、名前がなかった時間も必要だったのかもしれません。

何度も眺めて、触れて、持ち歩いて。

この鞄の魅力を自分自身が理解してから、ようやく名前を与えることができました。

TOUR RECORD
CURVES OF LOVE

愛の曲線美。

美しい革と、職人の手仕事から生まれた曲線。

これからこの鞄が、世界のいろいろな景色の中で、どんな表情を見せてくれるのか。

私自身、とても楽しみにしています。

旅は、目的地だけが美しいわけではない。

そこへ向かうまでに描いた曲線もまた、その人だけの記録になる。

Life is a Journey.
Record it Beautifully.

TOUR RECORD