お疲れ様です。


庭の新緑が綺麗で、水やりが楽しいこの頃です。


朝の爽やかさが変わってきましたね!あとはクシャミが落ち着けば気分は最高ですニコニコ


前回は睡眠改善薬のお話をさせて頂きました。


お薬の副作用を利用したもので、長く続けて使えれないお薬であることと、使う人を選ぶ薬であること、レジアラート対応が最後の砦となりますので、登録販売者の皆さんはしっかりと理解しておく必要のあるものだと書いております。


今回は睡眠改善薬の漢方製品について書いていこうと思いますが、市販に出回っているものも徐々に種類が増えてきて、取り扱いのあるお店も多いかと思います。


特に、クラシエさんの商品の取り扱いが多いように感じますので今回はクラシエさんの不眠関係の漢方についてやっていきたいと思います。


◯桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

◯柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

加味帰脾湯(かみきひとう)

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)


ラインナップとしてはこのようになっています(足りなかったらごめんなさい真顔)が、これらは全て、ストレスが原因の症状に効く漢方となっています。


このご時世では、ストレスのない人なんていないのではないか?と思われるほど、避けて通るのが難しいものですよね。


自分は結構前向きな性格だと思っていますが、ふと気づくと何かしら考えていて大きなため息が出たりすることもあります。


気づかないうちにストレスを溜め込んでいたんだなーと、そこで気づくわけですが、皆さんも自分の心の健康状態を気にかけてみて下さい。


不眠症状はストレスの原因になっているという可能性があり、気付いた時点で今あるストレスを軽減させることができれば症状を緩和出来る可能性があります。


「病は気から」とはよく言ったもので、時として心の状態は体にも影響を与えます。


クラシエさんの漢方シリーズでは、こうした心と体のデリケートな変化にも細やかに対応し、ストレスによる不安神経症、神経質、不眠の症状などを改善していく、としています。


では上記の商品の対象の説明をしていきたいと思います。


◯桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)


体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症


特徴としては、普段手のひらがじっとり湿っている神経質タイプで、手足がだるくて疲れやすい、頭がのぼせ、眠れず胸や腹部の動悸を自分で感じる、気分が憂鬱で物忘れしやすく、些細なことにも興奮しやすい症状に用いられる、とされています。


漢方の説明って、難しいですよね。


証が合わないと使えませんので、特徴として、添付文書にあるものを抜粋しました。


簡単に言いますと、神経の高ぶり(興奮)をしずめることで入眠しやすくなる、という成分でできています。


痩せて顔色が悪く、心身の繊細な人に効くとされ、むくみのある人、高血圧、心臓病、腎臓病の方、医師の診察を受けている方、妊婦さんには使えませんが、高齢者の使用も注意が必要です。


◯柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)


体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘


特徴は、体内の余分な熱を冷ます生薬と自律神経を整える生薬どちらも配合されていることで気の巡りを整え脳の興奮を鎮めることで心を落ち着かせる漢方です。


 不眠の原因ともなる神経症に効果を発揮し日中のイライラを抑えることで自然な入眠を助けます。


医師の診察を受けている方、妊婦さん、生後3ヶ月未満の乳児、瀉下薬を服用している方には使えません。


また、体力虚弱な人、胃腸が弱くて下痢しやすい方には不向きとされています。


◯柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)


体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎


(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。


特徴は、更年期障害の治療薬としても使用されることがあり、特に体質が比較的虚弱な傾向のある方に向いています。


 胃腸の状態が悪いと、「血(けつ)」=栄養素が不足し、貧血や冷え症といった症状が現れることがあります。


 そういった方の動悸、息切れ、気疲れなどの症状に適しているほか、ホットフラッシュなどの更年期の症状にも使用されます。


医師の診察を受けている方、妊婦さん、高血圧、心臓病、腎臓病のあるかたには使えません。


また、むくみのある方、高齢者にも不向きとされます。


加味帰脾湯(かみきひとう)


体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症


特徴としては、血色の悪い人が貧血や心身の過労によって、気分がイライラしたり、落ち着きがなくなったり、元気がなく口数が少なくなったりして精神不安や神経症、不眠症を起こした時に効果があるとされています。


医師の診察を受けている方、妊婦さん、2歳未満の子どもさんには使えません。


◯抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)


体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり


「血の道症」は上記にもありますので省略します。


夜泣きに使用する際は一週間とし、良くならなければ受診されてください。


医師の診察を受けている方、妊婦さん、胃腸の弱い人、3ヶ月未満の乳児には使えません。


ここまで文字で見てきましたが、漢方は"体力中等度"とか、"ときに◯◯があるものの〜"とか独特な言い回しをしていますが、これらは全て証と言います。


その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)をあらわすもので、証にあったものを使うことで初めて効果を発揮すると言われています。


この証に関しては、また後日お話しますが、この証に当てはまるのかをお客さんから聞き出す必要性があります。


漢方を買い慣れているお客さんですと、接客する機会は少ないと思いますが、前回で紹介した睡眠改善薬のお買い求めでただ漫然と睡眠改善薬を使い続けているようなお客さんには比較的長く使える漢方にスライドするためには接客(お話すること)が大切です。


市販漢方薬によく使われている生薬として、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、附子(ブシ)、大黄(ダイオウ)と有名どころをあげましたが、飲み合わせに注意しなければならないものがあります。


前回紹介した睡眠改善薬が駄目とは言いませんが、毎週買いに来店されるとか、日をあけず買いに来るまたは他店で買っているというのを、特定のお客さんがしているのを見たり聞いたりしていると、登録販売者としては止めたいですよね。


そのようなお客さんで特に持病がなく病院に通っていて処方薬があるわけでなく、証に合っていて、一時的な不眠症状を改善されたい、というお客さんには、1日の服用量中の成分量が病院処方薬に比べ少ない場合がありますが、一般的に薬の効き目が穏やかなものが多いことから、漢方を使ってみられてはどうでしょうか?と案内しやすいと思います。


選ぶのはお客さんではあるんですけどね。


服用してすぐに眠くなるというものではなく、身体の調子を整え不眠を改善していくお薬ですので、1ヶ月くらいまでは、特に異常がなければ使用することができるものが多いです。


今すぐ寝れるようにしたい!!と言われるお客さんがたまにいますが、市販のお薬には直ぐに寝れるお薬はなく、直ぐに寝たいのであれば効き目は人によるかとは思いますが病院処方薬のみとなりますので、受診勧奨してください。


また、漢方であっても副作用はありますし、勿論、お酒と一緒にの服用はNGです。


漢方だから効き目が弱いだとか、漢方だから副作用はないという考えがなぜか世に出回っておりますが、そんなことはありませんので、登録販売者の皆さんには布教活動を是非ともお願いしたいです昇天


次回は睡眠改善薬のサプリメントについてお話ししたいと思います。


長い文章でしたがご拝読ありがとうございました魂が抜ける