かつて、地球の大きさを
1本の棒だけで測った人がいた。
紀元前3世紀ごろ、
古代ギリシアの学者
エラトステネスその人だ。
一体どうやって測ったのだろう?
彼は、シエナという町では、
夏至の日の南中になると
井戸の底まで太陽の光が届く
という話を聞いた。
つまり太陽の光が直角に当たるわけだ。
シエナから数百キロ離れた
アレクサンドリアでは、
そうはならない。
彼は、
それは地球が丸いから起こる現象で、
角度と2都市の距離を測れば、
地球の大きさが導かれる
と考えたのだ。
彼はアレクサンドリアで
棒を垂直に立て、
そこに出来る影の角度を測った。
その角度は7.2度
そして計算した結果は
250000スタディア
当時の1スタディアが
何mなのかは諸説あるが
誤差は2~20%と
非常に近いものだったと
言われている。
これは、
精度の問題ではない。
科学的に、
地球の大きさを求める方法を
編み出したことが重要だ。
それまでは、
地球は1000kmなのか
10万kmなのか、
わからなかったからだ。
人間の頭脳を使えば、
棒を一本使うだけで、
1つの惑星の大きさを
測ることができるのだ。
人間の叡智は素晴らしい。
可能性は無限なんだなと思う。
こういったロマンが大好きだ。
今週、そのことを
青山学院大学で
発表をすることになった。
宇宙がどう解明されていったか
の歴史を説明する。
天動説からビッグバンモデルまで。
久しぶりに教壇に立つ。
楽しみだ。