しくろツーリズムしまなみが取り組む「自転車でまちづくり」 | 自転車女子通信

しくろツーリズムしまなみが取り組む「自転車でまちづくり」


自転車女子通信
シクロツーリズムしまなみ。
「『しまなみ海道』のたもとで
『大好きなまちを大好きな自転車で盛り上げたい』
そんな思いで活動しています」

7月28日(土)29日(日)今治を自転車の発信都市にするさまざまなイベントが行われた。
中心となったのは、NPO法人シクロツーリズムしまなみ。
恥ずかしながら、今治 と聞いてまず思い浮かべたのが「今治タオル」。
上質のタオルの高級ブランド。
まさか、今治が自転車でこんなに熱く燃えているとは思いも寄らなかったのである。

ヘルメットアイディアコンテスト(今治市中心市街地再生協議会サイクル議会主催)

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命を守るヘルメットのデザインモチーフを公募。
小学生からデザイン学校の生徒まで多数の応募は、それぞれヘルメットに名前がつけられ
どんな願いがこめられているかも書かれている。
バリィさんが安全を守るヘルメット、
今治が誇る焼き鳥や来島大橋、みかんなど全部盛り込まれた今治大好きヘルメット、
世界中のサイクリストが訪れるまちだからこその国旗ヘルメット、
暗いところで星が光るスターライトヘルメット
・・・

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どれもこれも、今治人だからこその愛する心が溢れている。
自分のまちを誇れることこそが
活性化にストレートに繋がる。
このコンテストのコンセプトもすばらしい。
自分がかぶりたくなるヘルメット。
・・こんなヘルメットならかぶってくれるだろう。
・・かっこいいのを作ってみたからかぶりなさい。
このような上からのおしつけ感がまるでない。

主体的に行動できるしくみの上に成り立っている。
感心した。

この中から実際にデザイン化されるヘルメットをかぶる
サイクリスト達に来年会えるだろう。


サイクルスタンドデザインコンテスト公開プレゼンテーション
                 (今治市中心市街地再生協議会サイクル議会主催)

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審査委員に、日本を代表する建築課伊藤豊雄氏
画家MAYA MAXX氏
自転車ツーキニスト疋田智氏
今治市役所市街地再生課の桧垣裕貴氏
そして私。
全国の応募作品の中から
一台駐輪部門に5作品
大型駐輪部門に4作品
が一次審査で選ばれ、この日公開プレゼンテーションが行われた。
審査基準は
今治の風景とマッチすること
安全性があること
実用性があること
デザイン性があること

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各自4分の持ち時間でプレゼン。
その後ステージ上で審査員による公開審査が行われた。
各界の第一人者による質問や意見は
デザイン性、機能性、話題性などそれぞれの視点で展開。
ちなみに、私が重要視したのは、
女性が簡単に利用でき、自転車だけでなく自分自身も休める利便性。
もちろん、おしゃれなもの。

こののガラス張り手法は、プレゼンターのみならず来場者のみなさんに
非常に興味深く受け入れられた。
密室で審査されるより、どのような経緯のもと決定されるのか
よくわかるからである。
総勢9名のプレゼンはどれもレベルが高くすばらしかった。
決定的となったのは、
このサイクルスタンドがまちのシンボルとなり
世界中のサイクリストがここを目指して来るような
オリジナリティに溢れた作品。
さらに、撮影ポイントとなれば、FB、ブログ、ツイッターなどで
情報がひとり歩きしていきお金をかけず得られる宣伝効果。
名前までつけてくなるような愛される作品。
コミュニケーションが生まれる作品。
これらの意見から
「6人のシクロ・ツーリスト」
「Break Stand」
に決定した。
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最優秀作品は実際にデザイン化され設置される予定だ。
自転車でまちづくりのコンセプトにふさわしいすばらしいコンテストだった。
こういったアイディアは、自転車でまちおこしを考えている市町村に大きなヒントを与えるのではないだろうか。



自転車まちづくりシンポジウム

パネラー 自転車ツーキニスト 疋田智氏
       シクロツーリズムしなまみ 宇都宮一成氏
       自転車輪行エッセイスト 沼尾ひろ子
進行   パーソナリティ 矢原繁 氏

疋田さんの基調講演の後、しなまみ海道だけでなく今治市内にサイクリストを誘致する方法、
自転車でまちを活性化させる方法についてシンポジウムが行われた。

しまなみ海道は、いまや世界中のサイクリストの知るところとなっている。
しまなみのすばらしさは、ウエルカム精神が本物だということである。
口先だけの自転車シティ宣言だったら、このスロープはできなかっただろう。
ママチャリでもOKのゆるやかな斜度。
まさに、すべての人に開放されたサイクルロードなのだ。

しまなみ海道を渡って終わりではなく、今治に足を伸ばし一泊、いや2泊してもらうには。
また来たいなあ、リピートしてもらうには。
それには、「サイクルタウン今治」を認知してもらわねばならない。
今治のこんないいとこアピールポイントをピックアップする。
カテゴリ別にルート作成。

自転車MAPはひとあし先に宇都宮市が郊外版、中心地版を出している。
時間枠やカテゴリで推奨ルートを示しており
初めて訪れたサイクリストにとても親切である。
おもてなしのまちを宣言しているだけあって、
目線が県外のひとに向いているのだ。

また、ただ景勝地を紹介するだけでは、確認作業になってしまい
リピートは望めない。
もう一度来たいなと思うポイントは何だろうか。
それは、「ひと」である。
道に迷った時、親切に教えてもらった
困った時トイレを貸してくれた
おいしいお店を教えてくれた
「よく来たね~」と声をかけてくれた
・・・
そんな地元のひととのふれあいが
そのまちの印象につながる。
サイクリストウエルカムのまち。

ハード面では、今治が行政も同時に自転車都市を形にすることが重要だ。
自転車でまちおこしを望んでいる全国の市町村のモデル都市となるような
自転車道路とシステム。
現在の道路の幅や車台数、まちの規模などから
今治は実現が現実的なのである。

ソフト面、ハード面この両輪が同時にまわり始めると
全国に誇れる今治自転車シティが誕生することはまちがいないだろう。