サウナはあきらめ、普通に朝風呂。私の場合、これで充分整う。
っていうか、整うって何だ。私は、旅すればそれだけで脳が目覚めていく。
「トラベラーズ・ハイ」とでも言おうか。
朝8時半。快晴。気温は9℃。
オーバーパンツ無し、スパッツのみで行けそう。
蒲郡から山に向かう。
三河湾スカイライン。
しかし、これが昔有料道路だったとは思えないような荒れっぷり。
舗装はボロボロで、狭く、きついブラインドコーナーが続く。ご丁寧にキャッツアイも。
周りの木は無造作に伸びて視界は悪く、ガードレールをはみ出して両側から雑木が邪魔をする。
うーむ、何とかならんのか。
昔、展望台があったのだろう入口は高いフェンスでがっちり封鎖され、虫1匹入れないぞという強い意思を感じさせる。
今の時代、もう走り屋なんて流行らないんだから、もう一度観光道路として再開発してみてはどうだろうか。
そこまでではなくても、まずは伸び放題の木を切って、舗装だけでもやり直すとか。今のままでは単純に危険だ。
それを知ってか、対向車も皆無。誰もこの道を走ろうとはしない。

次は三ヶ根山スカイラインへ。こちらは現役の有料道路。
ここも同じように舗装が悪い。若干下がった気持ちのまま、料金所へ。
するとブースからおじさんが出てきて、「寒いのにようこそ」と。
私の足元を見て、「スパッツはいいですね」
小銭を出すと、「ちょうどお預かりします、助かります」
と、全ての対応が謙虚で礼儀正しい方だった。これだけで、道そのものの印象も良いものになる。
山頂の見晴らし台へ。誰もいないので、際までバイクを乗り入れて写真。
景色も良い。三河湾スカイラインとは雲泥の差。

観光道路というのは、今の時代難しい。
三ヶ根山には旅館の廃墟がいくつかある。低山をうねうね登って眺めがいいというだけでは、観光として弱い。
しかしそれでも努力は見受けられる。
路肩に並んだアジサイは手入れされ、初夏は良さそう。有料道路の意味はこのあたりにある。
以前走った時は廃墟ばかり気になったが、今日はいい気分。
料金所のおじさんありがとう、と言いたい。

海まで行こう思い立った。
今回の旅、最後まで三河湾に付き合おうと。
脳内BGMは、スキマスイッチ「トラベラーズ・ハイ」
♪道路は続く遥か遠い街まで スピードは僕の気持ちを乗せて走る
ライダーの本能的欲求に寄り添う曲。
不思議なもので、軽快な曲に乗せて走ると、風景がキラキラして見える。
吉良温泉の海水浴場へ。
島の向こうに、昨日走った渥美半島が見える。

西には知多半島。
ホットコーヒーで休憩する。
ヤシが植えてあるのは渥美半島と同じ演出。冬はそこまで南国を感じないが、ただ気分はいい。
向こうの砂浜で、若者たちがビーチボールで遊んでいる。
滋賀県北部とは違う、開放的な雰囲気。見たかった海のイメージに近い。

さぁ帰ろう、とバイクを走らせるが、ガードマンが通行止めだという。
聞けば西尾市内、マラソン大会であちこち通行止めらしい。行けるかどうかという賭けに負け、市内を右往左往し、やっとのことでR23へ。
私のツーリングはこういうことがよくある。
まぁいいか、急ぐ訳でなし。
道の駅で休憩しようと、「デンパーク安城」へ。
しかし着いてみると「本日休園」と。
私のツーリングはこういうことがよくある。
まぁいいか、急ぐ訳でなし。
変化を楽しむのがツーリングなら、通行止めすら楽しみだ。
R23は高架で片側2車線で流れが良く、移動に便利な道。
これなら高速道路は必要ないかも。と、それは昨日も思っていた。
でもしばらく走って思ったのは、交通量が多いだけで疲れるということ。
やっぱり高速道路の意味はある。あれはペースは速いが、気持ちはゆったり。
年齢からくる疲労を考えると、高速道路は有用らしい。
でも、給油しようかと考えていたら、伊勢湾岸道の入口を通過してしまった。
まぁいいか、急ぐ訳でなし。
木曽三川公園。
バックは長良川。
ランニングイベントをやっているらしく、ゴールの広場からねぎらいのアナウンスが聞こえる。北国育ちには、冬にイベントをするのは考えられない。
北に遠く、伊吹山の白い尾根が見える。
あそこまで帰るんだぞと、気合いを入れる。

伊勢湾から若狭湾にかけて、この辺り日本列島が一番くびれている地域。
養老の辺りは朝と同じ9℃だが、急に寒い。
雪の上を渡ってくる北風のせいだろう。寒さの質が違う。
南から北まで旅をした。そんな実感がある。
冬のツーリングは楽しい。