(中学生12 影の中の輪郭線を彫る)

 髪の毛は線彫りでしたが、手・顔・首も、服装も面を捉えて彫ってきました。始め面で彫ることに迷いのある人は、この影の中の輪郭線を彫りたがります。ただ白くすうっと彫っておけばいいと思うのか、簡単そうに思えるのでしょう。断固として、最後にしてもらいます。背景も仕上げてからの本当の最後です。

 最後にする理由は、だんだん必要なくなるからです。ここを見てほしいという顔近くや何か持っている手などはしっかり見えてほしいですが、そういうところは大抵光が当たって彫られているのです。つまり、影の中の輪郭線はたいして作品の中で目立ってほしくない箇所です。そういうところは、彫らずに省略したいです。

どうしてもここはいるでしょうというところだけ、ちょっとだけ彫ります。彫り方は、「やせたサツマイモ型」に彫ると説明しています。三角刀を使って、両端が細くなって消滅していくようにします。

最後まで彫りきることはしない方がいいと思います。丸刀などを使って、するすると同じ太さに彫ってしまうと、とても目立ちます。影の中の線なのに、妙に目立ってしまうのです。

また、よくある失敗が他にもあります。影の中、つまり黒と黒が隣り合っているところにわずかな印程度に彫るのですが、白と黒が隣り合っている箇所にも輪郭線を彫ってしまう人がいます。白・黒い線・白い線・黒と、線が白黒2本もできてしまいます。彫る時は、ちょっと考えてからにしたいです。

 

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